ゴリアテの憂鬱さんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

ゴリアテの憂鬱

ゴリアテの憂鬱

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右側に気をつけろ(1987年製作の映画)

4.1

ハリウッドザコシショウの誇張されたモノマネのアイデアの源泉がここにあるとは思いませんでした。(知らんけど。きっと違う気がするけど)

そのウィンブルドンの観客のモノマネがジャケットになっているBlu-
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PLAN 75(2022年製作の映画)

3.0

近年発表されている急激な出生数減少も相まって、この先未曾有の超超高齢化社会へと突入していく我が国日本。

今後の少子化対策に社会保険の値上げを財源にする案が発表された途端に多くの国民からは可処分所得の
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ヒトラーのための虐殺会議(2022年製作の映画)

3.7

絶滅収容所へのユダヤ人強制送還の始まりとなったヴァンゼー会議の様子を、アイヒマンの議事録に基づいて映画化した作品。

ユダヤ人をまるで害虫かのように短時間で効率よく駆除する方法を話し合っている。

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カノン(1998年製作の映画)

3.8

こんなオジサンには絶対になりたくない…

ほぼ自業自得、猪突猛進で行き着く袋小路。
そして流れるバッヘルベルのカノン。

美しい……訳ない!

レニングラード・カウボーイズ、モーゼに会う(1994年製作の映画)

3.5

ノエの『カルネ』の続編を観る前に、先にこっちの続編を観てしまいました。

名前だけは最高にカッコイイ。
愛すべきレニングラード・カウボーイズ!

共犯者たち(2017年製作の映画)

4.0

政権にとって不利な報道をさせないように報道機関に介入する政府と、報道する者として信念を持ってそれに立ち向かった人達のドキュメンタリー。

日本だけじゃなくて、他国でも報道機関を掌握しようとする国がある
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甘い生活(1959年製作の映画)

4.1

あま〜〜〜い!


脚本は全然甘いものじゃないけど、甘美な3時間でした。

ラストの畳み掛けるような映像美も圧巻。

カルネ(1994年製作の映画)

3.9

鬼才ギャスパー・ノエのデビュー作。

奥さんの出産にも立ち会ったことがない自分が、こんな形で出産シーンを見ることになるなんて。。

近年のアシッドでヴィヴィッドな作風よりも、本作のような質感の方が個人
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レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ(1989年製作の映画)

4.1

カウリスマキが〝ゴー アメリカ〟するとジャームッシュ風になるんですね。

カウリスマキのシュールなユーモアセンスが全編を通じて炸裂しています。

お客様の仕上げのセットを、何の許可も取らずに勝手にとん
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水俣曼荼羅(2020年製作の映画)

4.0

素晴らしいドキュメンタリー映画。

水俣病についてあまり詳しく知らなかったので大変勉強になりました。

水俣病患者に対する国や自治体の対応は、本当に酷いものでした。

福島の原発汚染水の海洋放出が近々
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詩人の血(1930年製作の映画)

4.0

さすがジャン・コクトー。

『アンダルシアの犬』よりも詩的で芸術的なシュールレアリスム作品でした。

パリ、18区、夜。(1994年製作の映画)

4.5

クレール・ドゥニは、ジャック・リヴェットやヴィム・ヴェンダース、ジム・ジャームッシュなどの元で助監督としてキャリアを積みました。

ジャック・リヴェットの創り出す世界観も非常に独特で美しいものですが
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アルベルト・ジャコメッティ -本質を見つめる芸術家(2005年製作の映画)

4.0

ジャコメッティ展で流れてて内容が良かったので、即DVD購入しました。

ジャコメッティが実際に作品を作ってる様子も見れて、とても貴重な作品だと思います。

関西在住の方は、今なら心斎橋のエスパス・ルイ
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ロビンソンの庭(1987年製作の映画)

3.0

町蔵見たさに観ました。

僕は邦楽と洋楽なら、1:9以上の割合で洋楽に被れているのですが、INUの『メシ喰うな!』は好きでよく聴いたアルバム(世代的にリアルタイムではなく後追いでしたが)です。

当時
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高地戦(2011年製作の映画)

4.0

『西部戦線異常なし』でもそうでしたが、停戦協定が結ばれて兵士は安堵したところで、協定の効力が発動されるまでの残りの時間で最後の突撃の命令を出すなんて。。

国家とはなんと愚かなんだろう。

国民は、国
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家族の灯り(2012年製作の映画)

4.1

「まるでレンブラントの絵画ようだ」(ル・モンド誌)と評された映像美で映し出される会話劇。

当時、齢100歳越えのオリヴェイラが到達した究極のミニマリズム。

室内の灯火が最高です。

ジャンヌ・モロ
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歌うつぐみがおりました(1970年製作の映画)

4.2

まず、邦題がなんともチャーミングです。

主人公のギアは、ティンパニー奏者。

しかし、何もせずにじっとただ待っていることが苦手なギアは、自身の楽器の出番の少ない演奏の合間にスルスルとホールを抜け出
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緑色の部屋(1978年製作の映画)

4.7

トリュフォー映画のメインどころはなんとなく合わなさそうで観てないのですが、トリュフォーが主演まで務めた本作はとても良かったです。

映像も脚本も素晴らしい。

Blu-ray化に感謝です。

粛清裁判(2018年製作の映画)

3.7

スターリン政権下の1930年に行われた、〝見せしめ〟の粛清裁判の様子の収めたドキュメンタリー。

スターリンの意にそぐわない政治家や学者,軍人など8人の被告が、存在しない『産業党』という組織を結成しク
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ダムネーション 天罰(1988年製作の映画)

4.1

まさに伝説前夜(サタンタンゴはまだ未視聴ですが)

どこか哀愁感漂う美しいモノクロームのショットは、人間達の脆弱な部分を映し出す。

小さな罪を犯し、不倫をし、その僅かな罪悪感を拭い去るように酒を飲み
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イサドラの子どもたち(2019年製作の映画)

3.7

自身の2人の子供を事故で失ったモダンダンスの始祖と呼ばれるダンサー,イサドラ・ダンカンが、その子供達に捧げたソロダンス「母」をモチーフに翻案された作品。

とても静かな映画。
若くして無念にも亡くなっ
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過去のない男(2002年製作の映画)

4.2

カウリスマキを観れば、日々の仕事や人生に対する悩みなんてどこかへ吹き飛んでいく。
そして、僕の薄汚れた心が洗われる。

カウリスマキにとっての〝イナバウワー〟、寿司と日本酒もしっかり見せてくれました。
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川崎競輪(2016年製作の映画)

3.7

ここには神はいないが、悪魔もいない。

金なんてなくとも、平和に生きれること、平和に死ねることがどれだけ幸せなことか。

天はすべて許し給う/天が許し給うすべて(1955年製作の映画)

3.8

ファスビンダーが魅了されるのがわかります。

僕の大の苦手とするアメリカン・メロドラマなのに、画面に惹き込まれました。

こんな幻想的な色表現の使い方は初めて観ました。

絵画のようなメロドラマ。
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黒衣の花嫁(1968年製作の映画)

3.9

記念すべき?人生初トリュフォーは、捻くれてトリュフォー自身が失敗作と語る本作から。

個人的には全然失敗作だとは思えなかったです。
トリュフォー格好つけんなって。

人生最高の日に突如愛を失った女が、
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ファウスト(1994年製作の映画)

4.1

ゲーテの『ファウスト』を基に、シュバンクマイエル節が炸裂していました。

シュバンクマイエルは、『アリス』のような原作がファンタジー寄りでカワイイ要素に振れたものよりも、本作のようにより知的なストーリ
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お早よう(1959年製作の映画)

4.2

僕の5歳の息子が一緒に観て大爆笑してました。

名作は時代を越える。

ノロワ(1976年製作の映画)

3.6

毎回しっくりハマってる訳じゃないのに、ついつい観たくなるジャック・リヴェット。

いつもにも増して演劇タッチの本作は益々ハマらずでしたが、やはり映像は相変わらず魅力的でした。

リヴェット作品はストリ
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アルジェの戦い(1966年製作の映画)

4.2

フランス占領下のアルジェリアにおいて、独立に向けて立ち上がった国民達の物語。

ドキュメンタリーのようなもの苦しさがある映画で、大変勉強になりました。

抵抗勢力は、当初フランス警察を襲撃したり爆弾な
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生き残るヤツ(1971年製作の映画)

3.3

内容はイマイチでしたが、粗いフィルムの質感と70'sアメリカの空気感が良かったです。

洗濯機に隠れてるのがバレてクルクル動かされるところや、女性モノのネグリジェ着てテンション上がってるところなど、基
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ソングス・フォー・ドレラ(1990年製作の映画)

4.3

本作『Songs for Drella』は、1990年に発表された音楽,映像作品の4K修復版。

元The Velvet Undergroundの二人の天才, ルー・リードとジョン・ケイルによる、19
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ノベンバー(2017年製作の映画)

2.7

モノクロの映像はとても幻想的で綺麗だったのですが、冒頭で変な中世のロボットみたいなのが出てきて、ストーリーに対する興味が一気に冷めてしまいました。

タル・ベーラとか『マルケータ・ラザロヴァー』とかと
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ファニーとアレクサンデル(1982年製作の映画)

4.9

5部構成から成るイングマール・ベルイマンの集大成的叙事詩。

親ガチャでスーパーレアカードを引いたかのような、幸せのバラに包まれた第1部。

父の死をきっかけに奈落の底へと落ちる少年時代。

少年アレ
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香川1区(2021年製作の映画)

4.1

社会派ドキュメンタリー系は良くてもMAX4.0にしてますと以前書きましたが、今回の0.1点の加点は小川淳也さんではなく、監督の大島新さんに敬意を表して付けたいです。

インターネットやテレビくらいで政
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スパークス・ブラザーズ(2021年製作の映画)

3.9

高校生になりたての時くらいに、田舎から大阪までバス→高速艇→電車と乗り継ぎ、大阪に出てきては古着屋とレコード屋を巡っていました。

スパークスのレコードはもちろん〝ジャケ買い〟しました。
(当時の新譜
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