傑作だけどあまりに痛々しい。何が痛いかってセコくて小狡くて救い様のないクズ野郎であるピーターの気持ちに同情してしまうところが。そんなエリック・ロバーツの怪演をはじめ登場人物の性格描写の徹底や時系列編集>>続きを読む
高尚さの象徴である鳥と俗の象徴である檻を(別に逆でも問題ない)団扇の両面にそれぞれ描いてクルクル回しているような映画。
羊使いたちの歌が最近聴いた音楽の中でいちばん耳に残っている。
鼻炎が酷くて何も集中出来ないので何度めかの再見。気持ちの良いジャンプカットを始め編集のリズムがもう音楽。ギャングスタ街道とショービジネスの一進一退のスリル。なにより楽曲の良さ。この映画のクリストファー>>続きを読む
ドライやなぁ。象徴的な瞬間が置き去りにされたように訥々と現れては去り、犯罪映画にすらなれない鈍臭ささを一蹴するラストの清々しさよ。
ギア入りっぱなしのベルナデット・ラフォンはじめみんなキャラ立ちしまくっていて楽しいし、惚れ惚れする撮影も美術も素敵で、終盤急にワザとらしくチープなサスペンスものみたいな展開になるのにも苦笑い。
ビバップがそのまま映画の編集のリズムと一体化していてライブを見る感覚に近い。でも終盤には新珠三千代と上原謙の尊さでウェットに盛り上げるところ、少し前に出てくるクラブのチークタイムとの対比もあってめちゃ>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
冒頭の電車に乗り込むタイミング、公民館(?)でダンスの輪に混ざるタイミング、船を乗り継いで行くシークエンスと海から砂浜を歩く人物を捉えるショット、砂浜から公道に辿り着いて車を捕まえるタイミングは素敵だ>>続きを読む
お話が進むにつれてこれは小津だなぁと、オマージュとかではなく、そのスピリットが現代に必要なのだと声高にならず優しく柔らかくも強い意志で示しているのを感じて胸が熱くなった。強いメッセージが先立つこのご時>>続きを読む
お話は至ってシンプルで結末もなんとなく見えているけど画の強さと役者の強さでこんなにも魅力的なものになるのだな、と100年前の作品で実感できるって凄い。マッソが鳥籠と花を抱えたショットとヴィクトルが義母>>続きを読む
これが作品賞取ったら良かったのに。って思ったくらいしみじみ良かった。本質はマイヤーウィッツ家の人々やロイヤル・テネンバウムズのような家族のドラマをじっくりと映しているところだと思う。
ずっと見たかったものをようやく。ファンタジーと悪趣味の塩梅が(意外な人選とも思える)ニコラス・ローグの作家性と絶妙にマッチして、そしてちゃん娯楽作になっていてずっと楽しかった。ネズミの演技にも感心、本>>続きを読む
後半の怒涛の展開が堪らない。どうやらホラー界では名シーンとされているらしい見事なショッキングなシークエンスには声出そうになった。笑いと紙一重なシーンも見逃せない。老齢のジョージCスコットが主演ってだけ>>続きを読む
IMAXで見直してまた感想書きたいけど、パート1で退屈した自分でも今作は映画館で見てほんとに良かったと思った。世界観の構築が完璧でエグすぎる。
シュールに対して結構冷めているつもりなのだけどこの監督のそれは独特のクールさと不穏さと人を食った音楽のセンスが他になくて嫌いにはなれない。
30年ぶり位に再見。ゴールディー・ホーンの母性も幼児性も奔放さも尊さも愚かさもを併せ持った女神をみんなが見守っている構図がひたすら優しくてなにか切ない。この先に永遠に続くであろう幸せを信じてやまないゴ>>続きを読む
苔とかクローズアップされ生態を語られたりするとSFを見ている気持ちになってくる。と思っていたら少しSFだったのかとも。登場する森が深い森のようでジョギングコースもあるような街外れの森なのも良い。ゆった>>続きを読む
マイキーはモテるし商才あるし野心も忘れてなくてちゃんと生きてるよね。クズではあるけど。16ミリに焼き付いたざらついたテキサスの風景が主役。
古典。80年代の記憶の残滓が亡霊のように集まってくるのでいまだにずっと学園祭の前日を生きている気がしてなんだかたまらない気持ちになる。水族館で夢邪気が出会ったラムの美しさは永遠。
エマ・ストーンが開眼してゆく様が素晴らしい。音楽もドルビーで見たのもあってか手で掴めそうな音像を楽しめた。でも根本的にこの監督とは合わないらしい。ヤギ可哀想だし。