品川巻さんの映画レビュー・感想・評価

品川巻

品川巻

緋色の街/スカーレット・ストリート(1945年製作の映画)

4.3

ラング『飾窓の女』とほぼ同じ布陣だけど、現実なのに悪夢のような畳みかけのあるラストも込みで、こっちの方が好き。「どんな作品か」じゃなくて「誰が描いたか」が重要視されるのは今も変わらない。

男はつらいよ 寅次郎純情詩集(1976年製作の映画)

4.2

切ない......
「何屋さんがいいかな」って話してる時間が永遠に続けばよかったのに

ハンガー(1983年製作の映画)

3.0

カトリーヌ・ドヌーヴ×デヴィッド・ボウイの共演。映像自体は完全にゴス調で、バウハウスの長編PVと言われてもおかしくない。
設定は『ぼくのエリ』にも通ずるところがあり、ラストの元カレ(&元カノ?)たちの
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カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

4.3

リンダリンダリンダの山下敦弘ファンにはありがたいこの清涼感...... 🎤エンドロールの後が微笑ましい。(最初気づかなかった)
青年の声変わりと卒業前最後の合唱コンという刹那性が、重くなり過ぎずに描か
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シチリア・サマー(2022年製作の映画)

4.3

くるしい。母親の気遣いの方向が残酷すぎる......今なら2人はもっと生きやすかったのに、と堂々と言える時代にしたい。
イタリアの映画でトトとアルフレッドという名前が出てきたらどうしてもそっちを意識し
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何者(2016年製作の映画)

3.5

フリーペーパー。OB訪問。ホストファミリー。手作り名刺。バンドサークル。ボランティア。自称クリエイターの彼氏。学生演劇のブログ。グループディスカッション。学祭の実行委員。フレッドペリー。エリア総合職。

息子の面影(2020年製作の映画)

2.8

このレビューはネタバレを含みます

お母さんがめちゃくちゃ頑張って息子を探す話。
衝撃のオチという売り文句だったけど、読めてしまった......

仄暗い水の底から(2001年製作の映画)

3.3

ビビリなので、親友と談笑しながらじゃないと観られなかった。恐怖と悲しみが同時に来て感情が迷子。
不可解な水漏れには注意した方がいい。

みぽりん(2019年製作の映画)

1.8

地下アイドルとパワハラボイストレーナーが山奥で戦う話。ラストのカオス展開まではほぼミザリー。

すばらしき世界(2021年製作の映画)

4.7

ラスト15分くらいで号泣に号泣を重ね、最後にタイトルが浮かび上がる頃には憔悴しきっていた...役所さんが好きすぎて、最近は役所さんが笑ってるだけで泣けてくるし(末期)、この世に日本人として生まれてきて>>続きを読む

小さき麦の花(2022年製作の映画)

4.4

家族の厄介者同士だった2人が結婚し、実直で献身的な生活を営んでいる姿を見届けてからの、あの温かい題名の回収に胸がつまる。
最後に田植えをしているシーンとダンボールの照明の中でひよこが孵化するシーンが好
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インターステラー(2014年製作の映画)

3.8

外国人に好きな映画監督を聞くとみんなクリストファー・ノーランと答えるので、SFというだけで敬遠していた今作を観てみた。
音声だけで地球にいる子どもたちの成長を分からせるのは辛いし、ビデオメッセージのシ
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窓辺にて(2022年製作の映画)

3.7

書くと過去になるから、"自分の小説にあなたを書かない"ということが愛情表現

おもひでぽろぽろ(1991年製作の映画)

4.3

主人公と同い年になったので記念に観てみた。ひょっこりひょうたん島の歌詞が刺さる。

主人公が田舎で真似事の農作業をしてみるも、"厳しさも知らずに「いいところですね」を連発した自分が恥ずかしかった"と振
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海洋天堂(2010年製作の映画)

3.7

大スター、ジェット・リーがギャラ無しで出演した作品。これを観ると、人に頼らないことが子育ての正解とは限らないのかなと思えてくる。

雑魚どもよ、大志を抱け!(2023年製作の映画)

4.2

田舎で少年が走ってるだけで泣ける。サバカンと比較しちゃうけど、いい映画。圧倒的に隆造推し。

エゴイスト(2023年製作の映画)

3.8

与えた方がエゴだと思っていても、受け取った相手が愛だと思えばそれはエゴじゃないらしい

恋におちて(1984年製作の映画)

3.0

ロケ地のRizzoli Bookstoreに行ってきたので観てみた。デニーロと喧嘩してる時の奥さんのセリフが余りにも気の毒。

野いちご(1957年製作の映画)

5.0

人生であれが最後だったんだなと思う瞬間が増えてきた今の私にとって凄く必要な映画だったし、会いたくても会えない人たちとの思い出とか、当時の自分の振る舞いが適切だったかを振り返るきっかけにもなった。

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ニューオーダー(2020年製作の映画)

2.8

富豪たちが震える、ファニーゲームレベルの不快感

異端の純愛(2023年製作の映画)

2.3

このレビューはネタバレを含みます

春琴抄展開は異端すぎた

アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

3.8

「日本人は普段から着物を着てるのか?」とか未だに聞かれるので、人種らしさの固定観念はしばらく変わらなさそう

グッドフェローズ(1990年製作の映画)

4.4

日常と悪行が同時並行で進むことの気味悪さと、"笑顔は相手を油断させるための手段"を体現するデニーロの異様さが最高。

失敗談を笑い話にするくせに笑われたらキレ散らかすトミーの狂人ぶりと、Diorのドレ
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辻占恋慕(2020年製作の映画)

3.3

人生のアウトロの話はグッドフェローズのラストに繋がるものがある

かぐや姫の物語(2013年製作の映画)

4.6

人間たちが放った矢が天女たちの前でお花になるシーンで、無の幸せを前に攻撃が力を成さないという圧倒的な敗北を突きつけられる。

地上に恋焦がれたことで罰を受けたかぐや姫。望んでもいないのに自らが持ってし
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プリシラ(1994年製作の映画)

4.9

3人のドラァグ・クイーンが、「プリシラ号」と名づけたバスで砂漠を旅するロード・ムービー。今まで観た映画の映像の中でトップレベルに好きかもしれない...衣装も景色も乗り物もステージも可愛すぎる。悪口を書>>続きを読む

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

3.8

生き別れる未来を知っててもその人生を選ぶのかという問い。BTTFでもあったし、ファイトクラブでもあった。
ラストで眞人より先に夏子の名前を呼ぶシーンに、お父さんへの違和感が全部詰まってた...

あと
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劇場(2020年製作の映画)

3.0

「自分の作品を通して大事な人に謝る」というクリエイターの逃げはダサいなと思ってしまうけど、そのダサさも含めて沙希は永田が好きだったのかな......家にレンガを持ち帰って笑わせるという懺悔、みっともな>>続きを読む

ミッチェル家とマシンの反乱(2020年製作の映画)

3.8

「ChatGPTに雑な言葉遣いで質問をすると、アホ認定されてAIの返事も雑になる」という都市伝説のような話を聞いてから、『アイ,ロボット』とかこういうフィクションも呑気に見ていられなくなった。知能を持>>続きを読む

CLOSE/クロース(2022年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

友達が亡くなっても花は咲くし、骨折は治る。
自殺をする理由が浮かばないくらい相手を知らないことが、その人の自殺の理由になったりもする。

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