eulogist2001さんの映画レビュー・感想・評価

eulogist2001

eulogist2001

映画(1607)
ドラマ(64)
アニメ(0)

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.8

骨太な作品。戦中からの戦後を生き抜く仲間たちが一致団結して闘う王道を行く物語。

迫力ある映像としても見事だけれど、大団円に向かう緊迫感が澱みなく描かれていてそこがまたすばらしい。

安心してwストー
>>続きを読む

フォロウィング 25周年/HDレストア版(1998年製作の映画)

3.2

ストーリーが今ひとつ分からなかった。コッブの天才的な手法にやられたのか、もしくはビルの夢想なのか。

いずれにしても時間軸の行ったり来たりは処女作からだったのか。

“死刑囚”に会い続ける男(2021年製作の映画)

3.4

奥本章寛、植松聖、白石隆浩、千葉祐太郎。いずれも2名以上を殺害した死刑囚である。その死刑囚との面会を8年に渡りし続けるTBSの記者。

タイトルが記者がメインに思えるのは違和感がある。死刑囚の環境要因
>>続きを読む

ジェニファーのしたこと(2024年製作の映画)

3.0

ドキュメンタリー作品。ほんとうにこんな事をしてしまうのか?

いくら自分の望みを親から反対されたとしてもやり過ぎとしか思えない。しかしそうした彼女の周りにいたのはそれを可能とする人間関係。

終身刑の
>>続きを読む

マイケル・ムーア in アホでマヌケな大統領選(2005年製作の映画)

3.6

元のタイトルが、「この分断国家」。今の時点では日本でもこちらの表現のほうが伝わりやすいかもしれない。

・ユタ州の人口の7割がモルモン教徒とは知らなかった。また政党比率が共和党12に対して民主党1とい
>>続きを読む

キャピタリズム マネーは踊る(2009年製作の映画)

3.9

資本主義が強欲なウォール街や政治家を産んだのか、それとも強欲な人物が資本主義を利用してさらに政治家をも動かして富を得ているのか。

しかしながらルーズベルトの例を見るまでもなく、優れた為政者を選べる権
>>続きを読む

普通の人びと:彼らを駆り立てる狂気(2023年製作の映画)

3.6

1997年発行の書籍を原作としたドキュメンタリー作品。

・普通の人々がいかにホロコーストに加担するのか。強烈な反ユダヤ主義者であったり、ナチズムに傾倒していたわけでもない「普通のひと」が仕事としてひ
>>続きを読む

ファーゴ(1996年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

なんともマヌケなきっかけから、予想外の展開に。借金を返すため偽装誘拐を仕組んだ男の妻、その男親。警察官、犯行を目撃した通りがかり2名。犯人の片割れ。駐車場の改札係。合計7人が死んでしまうとは、冒頭から>>続きを読む

ビリーバーズ(2022年製作の映画)

3.4

宗教的な心情や洗脳と人としての基本的な欲望。メンタルとフィジカル。どちらか一方だけで生きていくのは難しい。

個人的にはイデオロギーや宗教、異性を含めた他者、趣味や嗜好などに強く依存してしまうこと、そ
>>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.2

わたしにはすこし合わなかった。いささか長い。毀誉褒貶のドラマでもあり、オッペンハイマー自身の物理学の才能やキャラの奔放さが結果的に振幅が大きくなり、周りから翻弄されたり救われたりする人生でもあったかな>>続きを読む

歩けない僕らは(2018年製作の映画)

3.6

ショートフィルムなだけにドラマとしての盛り上がりには短すぎるが、構成やショットにはセンスを感じる。緩急の付け方や展開もうまいと思う。

青春期の挫折や恋愛の断面をなかなか深く切り取っていて、苦みも爽や
>>続きを読む

人間蒸発(1967年製作の映画)

3.6

「藪の中」そのもの。多くの場合、現実に生きていくことは幾多の誤解と思い込みの中でなんとか正気を保っていくことなのかもしれない。

本作もどこまでがフィクション(演出)でどこまでがノンフィクションなのか
>>続きを読む

破戒(2022年製作の映画)

3.8

丁寧な作りでじっくりと味わえた。ラストへの「泣き」の部分は分かっていながらも心動かされる。

部落差別の背景を知らないと分かりにくいところもあるように思ったが、それでもなおドラマとして感動した。

>>続きを読む

もうひとつのことば(2021年製作の映画)

4.0

なんだコレ。最高〜。1時間にも満たない作品ながら、絶妙のテンポ、意外な展開、会話の妙、ラストシーンまでなんとも小気味よい。

正直、こんな作品観たことない。完全にツボりました。

ミステリと言う勿れ(2023年製作の映画)

3.8

漫画の原作は読んでいないけれど、脚本はすばらしい。予想外の展開と細かな伏線が見事に回収されていくさまは感心した。

やはり映画はシナリオが大事だなと痛感。学生の主人公にしてはいささか教訓じみたセリフも
>>続きを読む

偽りの隣人 ある諜報員の告白(2020年製作の映画)

3.8

シナリオがすばらしい。シンプルな善悪対比ながらも家族や権力、友情や愛情を交え、人間ドラマとしても愉しめる。

着地点も憎い演出で関心した。ユーモアとシリアスのバランスも巧み。

チョン・ウとオ・ダルス
>>続きを読む

俗物図鑑(1982年製作の映画)

2.9

当時の時代状況やキャストたちの素性などを理解していればかなり愉しめる。逆に言えば、そうした事を知らなければ・・・。

観客は明らかに9割が還暦を過ぎた方々。80年代のあのサブカルの熱気と混沌と商業主義
>>続きを読む

アルジェの戦い(1966年製作の映画)

3.8

植民地主義の酷さが、強烈に伝わる。批評に違わず監督の執念というか熱量が凄まじい。実際にはもっともっと無慈悲な惨劇が行われていた事は言うまでもない。

そして21世紀を四半世紀も過ぎた今もイスラエルはパ
>>続きを読む

THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

3.4

シンプルに良かった。試合シーンと回想の挟み方もいい。やはり5人のキャラの組み合わさが素晴らしいと改めて思う。

ラストのゴールまでの無音が非常に効いていた。しかしながら、アニメ作品の高評価には目を見張
>>続きを読む

博士の愛した数式(2005年製作の映画)

3.6

BS 4K
記憶障害の主人公。80分間しか記憶できない。ただそれゆえに、いまの一瞬、この場所、目の前の世界、この想いに永遠の時間と真実を観て、感じる。

現実においても、実はそんなふうに生きて感じて考
>>続きを読む

故郷(1972年製作の映画)

3.4

制作年1972年。まさにその時代が今や郷愁であり、懐かしさの中にある。

思えば当時と現在では、故郷のイメージも大きく変容している。高度成長期の流れにあっての地方とさらなる過疎化や高齢化が進んでしまっ
>>続きを読む

14歳の栞(2021年製作の映画)

3.8

彼らの「人生」にほんの少しばかり寄り添ったような気持ちになった。まだ未成年の14歳の子どもだと思うのも勝手。彼らは(そしてもちろん我々も)何歳であろうと自分自身の考えを持ち、自分自身の「人生」を生きて>>続きを読む

落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

自殺なのか妻が殺したのか?法廷でのやりとりも物証や状況証拠と含めて、結果がなかなかみえない。サスペンスもののようで張り詰めた緊張感は特になく、盲目の息子や夫婦の関係性に法廷は方向を変えていく。意地の悪>>続きを読む

ブルーを笑えるその日まで(2022年製作の映画)

3.8

静謐な水底にいるような世界。現実ではない夢の中であっても、好きなものやひとや世界に生きる。それも「リアル」。最後に金魚が水槽から運び出されて、自然の中の川に放たれたのには気持ちが軽くなった。「いまここ>>続きを読む

誓いの休暇(1959年製作の映画)

4.0

強烈な反戦映画として観た。生活の中の小さな楽しみ、家族の団欒、夫婦の愛情、束の間の恋愛、銃後の苦労や寂しさ、若者の未来や夢・・・。

そうした小さな日常(幸せ)を理不尽に奪い去ることの無慈悲さが痛みを
>>続きを読む

民族の祭典(1938年製作の映画)

3.3

ベルリン大会をふつうに楽しんだ。マラソンで孫が一位、南が3位。すごい。三段跳びや走り高跳びも日本人が活躍していた。しかもハサミ飛びだったのには驚いた。

映画作品としては、プロパガンダ映画との評もある
>>続きを読む

一月の声に歓びを刻め(2024年製作の映画)

3.0

幼児期に性被害にあった者や延命治療を中止したその家族たちのトラウマやトラブル。こころに深く刻まれ、けして癒えない傷。当事者のみならず周りの人々の人生までも破壊する。筆舌に尽くしがたい。

映画作品とし
>>続きを読む

ある愛へと続く旅(2012年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

ラストのどんでん返しが凄かった。驚愕の展開と事実に号泣しかない。

それぞれの愛が凄まじく、そのもつれや絡み合いが哀しいまでに深い。

生まれてきた子どもには、どういう経緯があったにせよ、なんの罪もな
>>続きを読む

ミクロの決死圏(1966年製作の映画)

3.5

Blu-ray
サスペンスの要素もたっぷり。科学的にも今観てもなるほどと思わせるくらいしっかりとしている。

1966年制作なので、半世紀以上前の作品。そう考えるとすごいとしか言いようがない。

ただ
>>続きを読む

ボーはおそれている(2023年製作の映画)

3.8

解釈や論理で観る作品ではなく、そこにある世界観に浸り揺さぶられる映画だった。

不安や恐怖は理由が分からないからこそ生まれる。そしてその原因や根拠を求めながら、ストーリーを追いかける。

演技の臨場感
>>続きを読む

正しいバスの見分けかた(2015年製作の映画)

3.6

なかなか良かった。思春期のぎこちなさや恥ずかしい気持ち、曖昧な感情がよく描かれている。

4人の役者たちがほんのりとした機微をうまく演じていて好感が持てた。

BLUE GIANT(2023年製作の映画)

3.4

音楽をアニメで扱う。しかもジャズ。どんなものかなぁと思い、見始めたがストーリーはともあれ演奏とアニメーションのハマり具合は素晴らしかった。

ただものがたりに入り込めるかどうかは、人それぞれかもしれな
>>続きを読む

殺人ワークショップ(2012年製作の映画)

3.4

なかなかエグいところもあったけれど、全体としていろいろと構成やシナリオも考えられていて飽きることはない。時間もちょうどよかったかも。

宇野祥平の演技が秀逸。

逃げきれた夢(2023年製作の映画)

3.6

ラストの末永教頭とその元教え子の平賀との対話が圧巻。シンプルな内容だが、互いの強い想いと時間が凝縮されている。

最期までなんらかの希望や夢を持ち続けること。それは何によらず大事だ。

>|