くろねこヤマ子さんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

くろねこヤマ子

くろねこヤマ子

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春の夢(2016年製作の映画)

4.2

エンドロールを観ながら
ぼんやり思ったのは
雲を食べた感じがする、だった。

これは私なりの褒め言葉で
とても好きな感覚。

都市部から離れた街で
父を介護しながら
小さな店を営む女と、
それなりにだ
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マイ・ブックショップ(2017年製作の映画)

3.6

田舎町の素敵古家に
書店を開き、
邪魔される物語。

おはなし云々置いておいて
とにかく好みだと思うよ!
なんて薦められて鑑賞。

確かに好きでした。
イギリスの片田舎、好み。
モリス系テキスタイルが
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ROMA/ローマ(2018年製作の映画)

4.3


この物語の中心は
家政婦クレオ。
多分メキシコの田舎出身の
素朴で穏やかなクレオ。

彼女の勤めるある家庭の
内情を描きながら、
情事なんかも描きながら、
柔らかい光の方に
彼女が舵を向けるまでを
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僕たちは希望という名の列車に乗った(2018年製作の映画)

3.8

ロシア占領下。
ベルリンの壁以前の東ドイツ。
高校生たちの反骨を描く。
原作者自伝。

ささやかな反抗が大ごとに。
首謀者を挙げたい体制と
信念を貫く子たちと
事なかれで済ませたい親。

それに伴い子
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芳華-Youth-(2017年製作の映画)

3.8

中国が激動の時代。
軍に捧げた青春群像劇。
人生が華の時を描く。

文工団に自分の居場所があると
信じてやってきた地方娘と
模範兵として人望厚い男の姿を、
同じ文工団に属する女が
自らの目線で語る物語
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心と体と(2017年製作の映画)

4.1

言われてみたい、
夢で会いましょう。

身体にハンデのある男と
脳力が突出しすぎて
頑なに生きてきた女。

同じ夢を見続けることで
心が動き出す、
可愛いさ含む大人の愛の物語。

雑多な日常と凛とした
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フィッシング・ウィズ・ジョン(1991年製作の映画)

3.8

緩いやつ。
ソファやハンモックに
寝っ転がって
半目で見るのに
ちょうど良い作品。

ジョン・ルーリーが
ジム・ジャームッシュ
トム・ウェイツ
マット・ディロン
ウィレム・デフォー
デニス・ホッパーと
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サンセット(2018年製作の映画)

3.6

監督独特の
カメラワークで魅せる
謎解き作品。

クローズアップから
彼女の視線が捉えたものへの
水平移動。
そのまま対象物を写し続ける
長回しショットの連続は、
サウルの時と同様に酔うし、
土っぽい
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映画 少年たち(2019年製作の映画)

3.3

人生において
ジャニーズ映画を
観に行く日がくるとは
まさか思わなかったけど、
旧奈良監獄が観れるとか
お得。

最初のワンカット長回し。
正直、ララランドの出だしよりも
ずっと面白いなっていう私感。
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ペパーミント・キャンディー(1999年製作の映画)

4.1

クズ人間の過去を紐解く
骨太の物語。

線路が映り、
木蓮のような花が
咲き戻る映像を観て、
逆走をこのように表現する
この作品を好きかも
と、鑑賞中に想う。

数年ごとに時を刻みながら
愚かな男の誤
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バハールの涙(2018年製作の映画)

3.9

もしかしたら。
フランスっていう国は
恋やアートの作品よりも

戦闘地を描くことに
長けた土壌が
あるんじゃなかろうか。

そう思えるほど
悲しみと埃ぽさの中に
強さと美しさを
グッと突きつけてくる。
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THE GUILTY/ギルティ(2018年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

緊急通報司令室の中だけで
そこからの指図だけで
物事を解決しようなんて
図々しいにも程があるわ。

という感想。

独り善がりのオペレーターが
独り善がりな判断をして
とある家族を
まぁまぁ良くない方
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We Margiela マルジェラと私たち(2017年製作の映画)

3.7

この作品は
商業的になってしまった
マンジェラという
ブランドに対する
アンチテーゼにも思える。

アントワープ6人衆。
彼らが出てきた時、
抜きんでていたのは
ドリスヴァンノッテンと
マルタンマンジ
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メアリーの総て(2017年製作の映画)

3.7

三白眼の青い瞳。
少し上を向いた鼻。
くすんだ画面に映える白い肌。
透明感のある笑顔に
気の強い眼差し、冷えた視線。

エルたんはやっぱり
コットンレースが似合うし、
編み込まれた
ダウンヘアーが似合
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サスペリア(1977年製作の映画)

3.7

イタリア作品所以か。

テキスタイルの配色の
毒々しさが
一周回ってお洒落。

当時のドイツインテリアって
こんなだっけ?と何度も思う。

もしや毒々しさから受ける
恐怖増し増し効果を狙ってるのかしら
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女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)

4.2

久しぶりに鑑賞後の多幸感。
.
アン女王の寵愛を受けるため、
蹴落とし合う従姉妹同士の物語。
邦題わかりやすくて
少し毒も感じられて素敵。
.
エンドロールの美しさにも
感動してしまった。
めちゃく
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ゴッズ・オウン・カントリー(2017年製作の映画)

4.0

ちゃんとした英国映画。

英国作品に共通する
彼らの気質ような
空気感のような
そういうものが、
漏れ漏れで萌え萌え。

モスグリーンの画面。
徐々に木々が浮き立ち
ブルーグレーになっていく
ヨークシ
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ナポリの饗宴(1954年製作の映画)

3.7

ミュージカル映画
フレンチカンカン(仏)と
同年に作られた、
イタリアのミュージカル作品。

アメリカミュージカルじゃない
というだけで、
観たくなってしまう好奇心。

ものすっごい数の人が
狭さを感
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バッド・ジーニアス 危険な天才たち(2017年製作の映画)

3.7

切れ長の目。

印象に残る強さがある、
主人公の表情が良い。

この作品、そこに尽きる。
彼女、ハリウッド映画とかに
出ればいいのに。←無責任発言。

手に汗にぎるカンニング作品。
貧しいが正義を歪め
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search/サーチ(2018年製作の映画)

3.8

必要な情報は
全て画面の中に。

PCモニターの中で、
あらゆる事象を
展開させる上手さ。

失踪した愛娘を、
父親の執念と鮮やかな閃きが
事件の真相を解く物語。

情報収集のためのパソコン操作が
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ジョニーは行方不明/台北暮色(2017年製作の映画)

3.0

高架下の水たまり。
重なる波形。

人生が定まらない
3人の若者が
モヤモヤと過ごす物語。

印象としては

散漫というか
要素が多いというか
方向が定まらない感じに
戸惑いを感じた。

この繊細な感
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まぼろしの市街戦(1967年製作の映画)

4.4

こんなに可愛い
反戦映画があったなんて。
ファンシー仕上げ、最高。

戦争なんて馬鹿みたいって
諭してくれる物語。

自軍を有利にするため
任務を頑張る軍人と、
檻の中を飛び出して
優雅に振る舞う精神
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バジュランギおじさんと、小さな迷子(2015年製作の映画)

3.8

良心の持つ光に
スポットがあたる
力強い作品。

誠実さ一筋の男が、
口の聞けない少女を
国境と宗教を乗り越えて
送り届けるまでの、
愛ある眼差しいっぱいの物語。

本題に入るまでの事前情報を、
やた
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グランド・ブダペスト・ホテル(2014年製作の映画)

4.0

細部にまで
拘っているからなのか。
色彩計画が
素晴らしいからなのか。
(かなり好み)

画面から受ける印象は、
監督の
コントロール能力の高さ。

殺人犯にでっち上げられた
グランド・ブダペストホテ
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A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー(2017年製作の映画)

3.8

すっぽり被ったシーツ。
美しいghostだと思った。
ドレープが、
流れる線が、とても綺麗。
うっとりポイント。
擦れる布の音もいい。

恋人を残したまま亡くなった男が
そのままghostとなり、
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チェコ・スワン(2015年製作の映画)

4.0

チェコの恰幅の良い
ラブリーなおばあちゃん達。

惜しげもなく
セルライトたっぷりの四肢を出し、
それはステージだけじゃなく
日常でもそんな感じで、大らかで。

なんだろうな、
この先確実に老いていく
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エルミタージュ幻想(2002年製作の映画)

3.9

観てみたかった作品。
90分間ワンカットの長回し。
劇場にて、やっと。

監督?の視線と
それを誘う
ひとりのフランス紳士が
エルミタージュ美術館の中を
徘徊する物語。
(かなり雑な説明…)

いやも
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ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)

3.7

Queenの音を愛する、
たっくさんの人を
裏切らないよう、
製作者サイドが
配慮して作ったんだと
解釈したい
砂糖菓子のような作品。

めちゃんこのれるし、
身体も揺れるし、
鑑賞後はヘビロテしたく
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水の中のナイフ(1962年製作の映画)

4.3

ポランスキー監督作品。
鑑賞前に
脚本に携わった
スコリモフスキ監督の
トークショー有。裏話有。

とても贅沢な時間。

筧美和子似の彼女は
ポランスキーが市民プールで
見初めたとかいう話。

いやも
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ソフィア・コッポラの椿姫(2016年製作の映画)

3.6

少女たちの心を
プリズムの光のように
キラキラと映しだす。

ソフィアコッポラの良さは
繊細さだと思う。

その彼女がオペラを
それも椿姫を演出するという。
期待しちゃうよね。
マリーアントワネットく
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マシュー・ボーン IN CINEMA シンデレラ(2017年製作の映画)

3.0

まさかの時代設定。

第二次世界大戦下。
ほんのひと時の素敵な夜、
惹かれあった男女が
別れ、すったもんだの末
再会を果たす。

キラキラの靴を
手放さなくて良かったね♪
な、カボチャもお城も出てこな
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定めなき女の日々(1974年製作の映画)

4.3

妙に楽しかった
クルーゲ作品おかわり。
2作目鑑賞。

爪を噛む仕草。
彼女の横顔。
ポルトガルに
向かうシーンは素敵だった。

堕胎専門医という
違法業をする事で、
子ども3人と夫を養っていた女。
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昨日からの別れ(1966年製作の映画)

4.2

クルーゲ監督初見。
他作を知らないけれど
比較的観やすい作品を
選んだんじゃないかなと思う。

その時代らしい
アヴァンギャルド感。

敢えてヌーベルバーグに
落とし込むとしたら、
女性の撮り方なんか
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悲しみに、こんにちは(2017年製作の映画)

3.9

母親を亡くした少女と、
彼女の受け入れ先となった
叔父家族との物語。

少女の心を
その眼差しを
繊細に描いた良作。

1993年である事。
母親の死因。
少女が検査を受ける訳。

多くのことは語られ
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灰とダイヤモンド(1957年製作の映画)

4.2

はためく白いシーツ。
染みる鮮血。

暗殺を失敗した反ソ派青年の
恋ゴコロとレジスタンス運動。
揺れる姿と
その末路を描く物語。

傀儡政権として暫くの間、
ソビエト連邦に支配された国
ポーランド。
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きみの鳥はうたえる(2018年製作の映画)

3.8

三宅唱監督作品初見。
醸し出す空気感が良い。
夜明けを歩く
刹那に生きる若者たち。

ごく普通の「僕」と
恋人、そして同居人。
3人が戯れ合って過ごした
ひと夏の物語。

柄本お兄ちゃんと染谷くんが
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