時は江戸時代の末期、山村の百姓の家に居候する浪人の葛藤の話。
境界線という概念を強く意識させられた。
例えば、集落に流れて来たならず者たちと村人たちとの境界線。村人たちは、自分たちから一定の距>>続きを読む
パリの移民コミュティで起こる、彼女彼のあれやこれやの話。
登場人物の誰にも感情移入させないし、物語の構成も判然とさせないまま話は進んで行く。そして静かだけれど強烈な違和感を残して幕を閉じる。中途半端>>続きを読む
中国出身で東京・新宿の歌舞伎町で生きてきた李小牧さんが日本に帰化して区議会議員選挙を戦う姿を映すドキュメンタリー。
国とは何か。改めて問われてみるとよく分からないことに気付く国という概念について考え>>続きを読む
公園で過ごす初デートの1日。高校生カップルの初々しい話かと思いきや…。
公園というオープンな空間に入り込み、そのロケーションを大いに活用している。舞台を作り込まず自然を間借りしているような作り方がこ>>続きを読む
飛び級でハーバード大学を卒業した天才だけど、読書ばかりして他者と交わろうとしない19才女子が、セラピストに言われて「今年中にやることリスト」を渋々クリアしようとする話。
早々からリストの話を出すけれ>>続きを読む
ソ連が崩壊、頼れる兄貴を失ったキューバでは物資が不足し社会は混乱。大学教授セルジオは、ソ連に留学して学んだマルクス主義哲学の価値が急落している現実に戸惑う。そんな時、趣味のアマチュア無線でソ連の宇宙ス>>続きを読む
下手を打って祖国から逃亡し辿り着いたのは、殺されるよりはマシというだけの監獄のような場所。そこから脱出する報酬を受け取るために4人の男がニトログリセリンをトラックで運ぶ話。
こんなにおもしろい映画は>>続きを読む
外食産業の風雲児、DDホールディングス代表の松村厚久さんを映すドキュメンタリー。
いきなり奥山和由監督がスクリーンに登場。しかも、この映画でやりたいことを語る。ドキュメンタリー作品の中に監督がキャス>>続きを読む
事故死した男がゴーストになって妻の住む家に佇む話。
まず気になったのが画面の形。幅が狭く角が丸い。何かのフレームを感じさせる画面は観客と画面の中の世界を明確に分ける。臨場感から遠ざけられ、観客は客観>>続きを読む
私は何者?タイ人とミャンマー人とのハーフで日本に住む女子高生チョンティチャのアイデンティティの話。
タイ人の父は家を出て行き、ミャンマー人の母は日本人と再婚した。チョンティチャは日本への帰化と改名を>>続きを読む
生と死に関する「こんな世界があるかもね」の話。
ネタバレになるので具体的には書かないけれど、この作品の世界観はとても好きだ。全体像が見えた瞬間に泣きそうになった。監督の死生観が産み出した世界なのだろ>>続きを読む
引きこもりの長男が自ら命を絶つ。ショックで記憶を喪失した母親に「あいつは部屋から抜け出して外国で働いている」と家族ぐるみで嘘をつく話。
優しさから母に嘘をついて大芝居を打つ、というプロットに『グッバ>>続きを読む
人種のるつぼ代表格の町ジャクソンハイツを映すドキュメンタリー。
ワイズマン監督の作品を観たのは初めてだったんだけど、語る人のカットの長さに辛抱強さを強要され、途中挟み込まれる仕事の風景(特に鶏!)の>>続きを読む
楽しかったよ。
時は第一次世界大戦末期。戦況があやしくなったドイツ軍の中隊が、占領したフランスの町全体を破壊する時限爆弾を仕掛けて、迫り来る敵軍をやっつけようと画策している。それを知ったレジスタンス>>続きを読む
これは泣くよ。
監督自身の老いた両親を映すドキュメンタリー。母は認知症、父は腰が曲がり耳が遠い。
正気をなくして喚く母を、監督はおそらく泣きながら撮ったのだろう。そんな母親の姿をスクリーンに映す意>>続きを読む
話はよくある青春ドラマで、ところどころチープだけど、そんなことは気にせず観たら割とおもしろかった。
原宿で人気の双子コーデコンビ「ヌヌ子」の2人がそれぞれに悩む話。
主演は現役女子高生アーティスト>>続きを読む
一度観ただけで呑み込むには難しいけれど、一度目でも充分に楽しんだ。
自身の過去を忘れてしまった女(元男)が、思いがけず自身の過去をたどる話。
太陽と月の巡り合わせにより破滅する人間が地球上に増える>>続きを読む
切ない。
銀行に家を取られてしまった老夫婦が息子と娘の家に分かれて世話になる話。
息子や娘たちには今の暮らしがある。仕事がある都会で働くためにはそんなに大きな家に住めるわけではない。稼ぎが足りなけ>>続きを読む
ドキュメンタリーを観ると、理不尽な現実に打ちのめされることが多いんだけれど、これには圧倒的な希望を感じた。
地域に働く場を作り協働するための組織、ワーカーズコープで働く人たちを映すドキュメンタリー。>>続きを読む
人生の哲学だなあ。おもしろい。
70過ぎの俳優が、撮影の合間に出逢った出来事の話。
生と死、出逢いと別れ、死者へのまなざし、生者との関わり。そんなこんなが前後左右の順番も文脈も不明のまま目の前に現>>続きを読む
観終わった後、経験したことのない種類の充実感が残った。
戦時中ナチスから逃れるために家を出て、その後アメリカに渡ったメカスが、故郷リトアニアに一時帰国した際の映像。
お父さんの下手の横好きホームビ>>続きを読む
やさしい気持ちになった。
手作りギターの店と、そこで働く人たちと、そこへ来る客たちのドキュメンタリー。
客が試し弾きして、いいねって言って、最初に練習した曲は何って問いに答えて、ギターを作り始めた>>続きを読む
家族、特に親との関係について考えさせられた。
死期を悟った老父が解脱のためにバラナシに行くと言いだし、仕方なく息子が付き添う話。
死の準備をする中で、人は何を考えるのだろう。この映画は親と子の関係>>続きを読む
これはエンドレスに観ていられるヤツ。
インドのミャンマー国境付近の村を映す心とアートのドキュメンタリー。
「あなたがいないと困る」、「あなたがいるから生きることが楽しい」という思想で成り立っている>>続きを読む
普段観ないジャンルだけど結構好きだな。
死んだ父親の大借金を返すために、身売りする美しい女性と、ケンカが強い使用人の男の愛の物語。
みんな優しい顔して優しくない。自分のビジネスの損得勘定だけ気にし>>続きを読む
喜劇と悲劇は紙一重と言うけれど(言うんだっけ?)笑っていいのか分からない。
田舎の村の教会に司祭として赴任した男の話。マリリンモンロー似の未亡人との関わりから騒動が起こる気配が…。
悲劇を裏返して>>続きを読む
静かに、じんわり、幸せな気分に浸った。
40過ぎ、薄毛、独身男の恋の物語。
冴えない男なんだけど、冴えない人生に見えるけど、最高の男で、最高の人生だよ。
タイトルのとおり、友人がネットで知り合っ>>続きを読む
おしゃれだね。
下町のボロ長屋に住む職無しお気楽男が、近代的な家に住む金持ち妹家族たちと戯れる話。
オープニングの犬たちのシーンとか、伯父さんが長屋を自分の部屋まで移動するシーンとか、おしゃれだよ>>続きを読む
寝不足でかなり寝ちゃったので評価不能だけど、おもしろい味わいの映画だと思う。
スイスからイタリアのカラブリアに遺体を車で運ぶ葬儀屋2人を映すドキュメンタリー。
基本、車の中の会話。それで映画1本作>>続きを読む
見方が難しい映画だった。
原発のある町、おおい町を映すドキュメンタリー。
原発を押し付けられた住民の苦悩みたいなものを想像していたんだけれど、そういう先入観で観たら何にも分からなかった。
先入観>>続きを読む
やっぱり、そこに向かっていたんだよなあ、と天を仰いだ。
原爆が落ちる前日の、長崎に生きる人々の風景。
誰かを、何かを待つ姿が何度も映される。人は今とは違う未来をいつも待っているのかもしれない。それ>>続きを読む
美しい。
体が透明で姿が目に見えない少年と、目が見えない少女との愛の物語。
ひとの目に映らない少年だけど、目が見えない少女には見える。もし、少女の目が見えるようになったら、少年を見られなくなるのか>>続きを読む
優しく、悲しい。
何にも無い田舎町で暮らす家族の話。
寄り添うからこそ生まれる悲しみに圧倒された。映画っていいな、と思った。
同じ監督の他の作品を観るつもりが見つからず何となく代わりに借りたので>>続きを読む
おもしろいね。
おじいちゃんのお葬式前後の4日間くらいの家族の話。
お葬式をきっかけに家族が集まる。いつもは離れて暮らし、別々の世界で生きる家族が集まる。いろいろ噛み合わないのは当然だ。でも、一緒>>続きを読む
おもしろい。
ジョージアの因習から逃れ、愛を貫こうとする女性の物語。
かつて国と国が領土を巡って戦争をしていたように、ジョージアでは妻とする女性を奪い、あるいは守るために一族と一族が殺し合いの争い>>続きを読む
おもしろい。
日本の地方都市の若いハミ出し者たちが居場所を探す物語。
僕たちは自分の居場所を求めるけれど、それって何故だろう。そこが本当に大事なものだとしたら、そこを変えた時に自分も変わる(変える>>続きを読む