Osamuさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

Osamu

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キング・オブ・コメディ(1983年製作の映画)

4.2

キングオブコメディになりたくて、人気コメディアンの車に無理やり乗り込み「俺の芸を見てくれ」と売り込むところから始まる。その強引ぶりに引き込まれたが、次第にその裏側にあるものを想像して悲しくなった。

ラスト・ムービースター(2017年製作の映画)

4.2

冒頭のバートレイノルズの姿に果てしない老いを感じた。昔スクリーンに映されていた彼の面影が全く見当たらなかった。老いて死を待つ男の物語を覚悟した。

過去の出演作に現在のバートレイノルズが登場する新旧の
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記憶にございません!(2019年製作の映画)

4.2

繰り返しで巻き起こす笑い、間(ま)の妙で引き出す笑い。かなり好きなテイストの笑いだが、これはコントだ。

コントの中に、社会で生きる人間の哲学めいたものがぶち込まれていて戸惑う。そして、「えっ!ここ⁉
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レポマン(1984年製作の映画)

4.0

学校には行かず、仕事もクビになった青年が、支払い滞納の車を回収するレポマンになっていく話。

先輩たちが青年に伝授する自身の仕事の流儀なるものがおもしろいし、青年なりに仕事を覚えていきながらも失敗する
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ディリリとパリの時間旅行(2018年製作の映画)

3.8

南の島からパリに来た少女ディリリの冒険譚。

冒険譚だがハラハラドキドキするような展開は控えめ。物語としては物足りなさを感じる。パリに生きる(かつて生きた)著名人を登場させること、つまり彼らが生きた時
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アルキメデスの大戦(2019年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

人間の性(さが)を描いている。

美しいと感じるものに強烈に惹かれ、それ以外を選択することは死ぬことと同義になる瞬間は歓喜の極みなのだろう。それが数学者としての性であればその姿を美しいと感じ、軍人の性
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隣の影(2017年製作の映画)

4.2

庭の木を剪定してくれと隣家に言われたことが気に入らなくて始まったイザコザ。自分ちのアクシデントを隣んちのせいにし合って、、、。

紛争がエスカレートする攻防を極端な事象で描いている。目を覆いたくなる展
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存在のない子供たち(2018年製作の映画)

4.2

子どもが親を「僕をこの世界に産んだ罪」で訴えるという絶望を描いている。

カメラ位置を切り替えて同じ場面を複数の目線で映す。「こんな世界にしているのは誰なのか」と問いかけられているようだ。神なのか、人
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ザ・ファブル(2019年製作の映画)

4.0

おもしろかった。もう一度観たいし、シリーズ化もしてほしい。でも、その欲求も原作の漫画を読めば満たされるのかもしれない。それを確かめるために原作を読んでみた。結果、全くの別物だった。漫画は笑いもアクショ>>続きを読む

アマンダと僕(2018年製作の映画)

4.2

画面のどこかに居る赤。気にしなければ気がつかない美しい色。控えめに存在し、望む時には確かに現れる。そんな何かを象徴しているのかもしれない。

抜いたり抜かれたりの自転車の追いかけっこに心が踊るのは何故
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初恋~お父さん、チビがいなくなりました(2018年製作の映画)

4.2

飼い猫のチビが居なくなって日常が転調する。しかし、帰り道のショットの反復が、転調しつつも変わらないリズムを日常が静かに刻んでいることを表す。全音符のような月のショットは、観客が何ものかに想いを寄せる溜>>続きを読む

勝手にふるえてろ(2017年製作の映画)

4.2

隣人に話しかける違和感の世界からの反転、そしてミュージカル。この表現が映画のおもしろさだ!と心を射抜かれた。

旅のおわり世界のはじまり(2019年製作の映画)

4.0

歌手を目指す葉子がテレビ番組のレポーターの仕事でウズベキスタンを行く。

自分がやりたい仕事とは違う方向に進んでしまっていても我慢してやり抜こうとする。知らない土地で迷子になりながらも自力でなんとか元
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パパは奮闘中!(2018年製作の映画)

3.8

妻が突然家出して残された夫と子供達の話。

家族や仲間が退場してしまった後に残された者たちの物語だ。残された後にジタバタしても遅いと思ったり、それでもジタバタせずにはいられなかったり。

子どもたちの
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アレッポ 最後の男たち(2017年製作の映画)

4.0

内戦が続くシリア。政府軍に包囲された街アレッポに留まる反体制派の市民。繰り返される空爆の被災市民を救出するホワイト・ヘルメット隊員を映すドキュメンタリー。

現実なのか非現実なのか分からなくなる。
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芳華-Youth-(2017年製作の映画)

4.0

音楽と舞踊の中国文芸作団の若者達の物語。

主人公不在の解散式の盛り上がりや人物造形浅い主人公以外へのクローズアップなど疑問点多数。ただ斬り捨てるには惜しい何かがある。最も気になった度々の突然の展開
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たちあがる女(2018年製作の映画)

4.5

送電線を切って抗議する女の話。

まだ観ていない方は読まないで欲しいのだが、音楽が面白い。音楽の作品との関わり方が面白い。まだ観ていない方は観て驚いて欲しいので本当に読まないで欲しいのだが(本当にここ
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グリーンブック(2018年製作の映画)

3.8

黒人ピアニストと彼に雇われた白人運転手が、黒人差別の色濃い1960年代のアメリカ南部を巡業する話。

白人が黒人に雇われる。奴隷だった黒人に立場を逆転される。そういう局面を作りたくないから白人は黒人を
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ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)

4.2

白人至上主義集団クー・クラックス・クラン(KKK)に潜入捜査した黒人警官の話。黒人警官が電話で接触して信用を獲得し、現場へは相棒の白人警官が潜入するというコンビネーション。

潜入する白人警官もKKK
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マイ・ブックショップ(2017年製作の映画)

4.4

夫を亡くした女が夫婦共通だった読書という趣味を活かして書店を田舎町で始める話。

主人公と引きこもり老人との心のやり取りがこの上なく美しい。こういうものに辿り着くために映画を見続けているのだと感涙する
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バーニング 劇場版(2018年製作の映画)

4.2

世界は広い。自分の知らない空間が果てしなく広がっている。そう感じる作品だ。

作家を志望する若い男と、その幼なじみの女、そして女が連れてきた謎の多い男の話。

随所に見られるメタファー的な描写は、物語
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運び屋(2018年製作の映画)

4.2

ユリ栽培で社会に名を挙げた男が90才で農園経営に失敗し、運び屋として金を稼ぐ話。

男は仕事に没頭するあまり蔑ろにした家族に拒絶されている。唯一の味方である孫娘に結婚パーティーの資金提供を約束していた
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サンセット(2018年製作の映画)

-

2才の時に亡くした両親が経営していた高級帽子店に職を求めてやって来たイリス。しかし、先代の娘は店に歓迎されない。何か秘密があるのか。そして自分には兄がいるらしいことを知る。兄は今どこにいるのか。店の秘>>続きを読む

ROMA/ローマ(2018年製作の映画)

4.2

中流家庭で住み込みの家政婦として働く若いクレオ。雇い主の家族は皆優しいが時々理不尽に叱られる。幼い子供達はクレオに懐いている。休日は家政婦仲間や友達と遊びに出掛ける。そんな日常に静かに事件が訪れる。>>続きを読む

女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)

4.2

英国女王とその側近の女との間に、身を落とした元貴族の女が割り込む話。

意外にも愛の物語だ。描かれている登場人物たちの愛に関する心情は平凡とも言えるが、英国宮廷を舞台にすると何だか違ってくる。

絶対
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THE GUILTY/ギルティ(2018年製作の映画)

4.1

デンマーク警察の緊急電話を受けるオペレーターの男が誘拐事件を解決しようとする話。

男はオペレーターが本職ではないようだ。本職の現場で何かをやらかしてしまったのか。

見せられるのはオペレーター室での
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バジュランギおじさんと、小さな迷子(2015年製作の映画)

3.0

インドで迷子になってしまったパキスタンの女の子をインド人の男が家に送り届けようとする話。

観客を感動の渦の中に流し込む力がある。

まず、音楽の力だ。登場人物たちの内面を代弁する情緒的な詩とメロディ
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半世界(2018年製作の映画)

4.0

地方の小さな町で育った中学生3人が大人になった後の話。

卒業後、自衛官になった瑛介(長谷川博己)が仕事を辞め町に戻って来たところから物語は始まる。紘(稲垣吾郎)は父親から受け継いだ備長炭作りも息子と
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アマチュアズ(2018年製作の映画)

4.0

移民の国とも呼ばれるスウェーデンの小さな町。かつて栄えた産業も労働力が安い国の工場に仕事を奪われてしまい衰退。ドイツ資本の大型スーパーを誘致しようと町のアピール動画を作成する町職員と高校生二人組の話。>>続きを読む

デイアンドナイト(2019年製作の映画)

4.3

自動車工場を経営していた父親が自殺した。東京から帰って来た息子が父親に何が起こったのかを探し、何かを見つけ何かに迷う話。

観客はこの作品の世界観に呑み込まれる快感を味わい、その世界から出られなくなる
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ともしび(2017年製作の映画)

4.2

夫が収監され一人の家で暮らす熟年のアンナ。お手伝いとして働き、時々演劇のワークショップに通う。息子とは疎遠になっているようだ。

アンナを見つめる映画だ。

技巧的な構図がアンナを立体的に映す。奥行き
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ゴッズ・オウン・カントリー(2017年製作の映画)

4.0

英国の田舎町で牧畜を営む農家の息子の話。

父親は数年前に起こした発作で体の自由が利かない。家業は自身がやるしかないが、いちいち指図する父親が煩わしい。夜は街で酒を飲み過ぎて翌朝の仕事が覚束なくなり、
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マチルド、翼を広げ(2017年製作の映画)

4.2

9才の女の子マチルドと精神疾患を持つお母さんの物語。少女の心の風景を映す愛おしく美しい作品だ。

ある日、お母さんがプレゼントしてくれたフクロウが喋り出す。マチルドだけに聞こえる言葉で。フクロウはマチ
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ヴィクトリア女王 最期の秘密(2017年製作の映画)

3.8

英国ヴィクトリア女王とインドの刑務所で記録係をやっていたアブドゥールの物語。

宮廷での式典で記念金貨を女王に献上する役を命じられインドからやって来たアブドゥールがヴィクトリア女王に気に入られる。
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バハールの涙(2018年製作の映画)

4.4

IS(イスラミックステート)に襲撃されたクルド人の村。男たちは殺され、女や子供たちは拉致された。奴隷生活から逃れたバハールが女性部隊を率いてISと闘う。

バハールに強さを感じた。ただ、その強さの正体
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アリー/ スター誕生(2018年製作の映画)

3.6

レストランで働きながらドラァグクイーンに混じってバーのステージで歌うアリー(レディ・ガガ)がスターダムに上がる物語。

音楽はとても良く、感情が盛り上がる瞬間はあるけれど、ただそれだけ。なんとなく曲に
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