荒野の狼さんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

荒野の狼

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パラダイス 人生の値段(2023年製作の映画)

5.0

一見地味で、フィルマークス視聴者もたったの二桁台だが(あれ?四桁になったwww)、シャマランの『OLDオールド』の100倍以上スリリングで面白く、テーマ性に富んだSFサスペンスである。ざっくり言うと、>>続きを読む

王妃の館(2015年製作の映画)

-

果たして日本人の私達は、諸外国(敢えてヨーロッパとは言わない)に対して、恥じる事の無い国民なんであろうか?
ルース・ベネディクトは、好んで人前で見苦しい振る舞いをする日本人を表して、「恥の文化」と言わ
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スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(2021年製作の映画)

-

乗れない、全く乗れない。
人気が凄まじいマーベルキャラものらしいが、その事実を踏まえれば、読みが足りない、理解出来ないのは多分きっと私自身の欠陥によるものだと思わざるを得ない。しかしながら、このどこに
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記憶にございません!(2019年製作の映画)

-

観客も舐められたもんだ、これで笑ってもらえると本気で考えているのなら、である。どのくらいの制作費を使ったのかはわからぬが、知らぬ方がいいだろう。
さて(笑)、例によって「この作品はフィクションであり、
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8 1/2(1963年製作の映画)

5.0

この作品を見て、「わからない」という人は多い。でも例えばオーケストラのシンフォニーを「分かろう」と思って聴いている人がいるだろうか?
映画とは文字通り活動写真、つまり動く写真である。それはこの映画の冒
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アウトポスト(2020年製作の映画)

-

実録と銘打って、後からこう云う映画を撮るために仕組んだ偽装茶番作戦じゃないの?あの戦闘場面が事実なら、戦死者5名であるわけ無いじゃん、高速の玉突き事故だってそのくらいは死ぬ。広島長崎が、戦争なんかじゃ>>続きを読む

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

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「あららっ?マズったかしら」
そういう映画であった。つまらないものですが、と最初に断ったとしても、何でこんなにも力の無い映画にしちゃったんだろう、広さにおいても深さにおいても全てにおいてヴァイタルが失
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マイ・バッハ 不屈のピアニスト(2017年製作の映画)

3.8

ギターやヴァイオリンのウエストにくびれのあるカタチ(シェイプ)は、女性のボディを模したものだと聞いたことがある。だとすれば、それを抱えて曲を奏でるという行為はまさに愛撫のそれである。演奏者の手や指の技>>続きを読む

アリサカ(2021年製作の映画)

4.0

監督にとって女優というのは、特別な被写体だと思う。もちろん観客にとっても同様なところはあるが、それがお目当てって事じゃなく、創作の重要な材料という意味だ。この素材をどう撮るかで、監督の女優に対する入れ>>続きを読む

ラ・ジュテ(1962年製作の映画)

2.8

戦前の映画かと思ったら、1962年の作だった事に驚いた。ほとんどをモノクロの静止画を繋(つな)ぎ、モノローグでストーリーをつけた、類のない異色な作品と言われる。だからなんなの?別に革新的でもない発想だ>>続きを読む

サイレント・トーキョー(2020年製作の映画)

-

東京タワーはよしとして、私が爆弾テロ犯だとしたら渋谷スクランブルなんかじゃなく、もちろんレインボーブリッジでもなく六本木ヒルズ、それから国会議事堂、銀座和光なんかから始めるだろう。誤解しないでもらいた>>続きを読む

月面着陸(2019年製作の映画)

4.0

垂直上昇的、イタリア版『バニシングポイント』。
誰にだって人には向上心というものがある、今日より明日を悪くしようと思って生きている人はひとりもいない。
問うべきは『君たちは「どう(スタイル)」生きるか
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ミュージアム(2016年製作の映画)

-

全編、リハーサルみたいな映画だと思った。実際にそういう現場を見学した事はないが、あたかもそれを感じ取れる様な臨場感に溢れている。セットってこうなっているんだ、あっ、見渡せば知ってる顔の俳優さんもいるの>>続きを読む

痛いほどきみが好きなのに(2006年製作の映画)

3.6

クルマでナンパ。ああそんな時代があったなあ、今じゃあもう女子供とジジババしか運転していない乗り物になってしまった。CMもユーザーは女ばっかり、クルマを運転して男がサマになったのは、ジェイソン・ステイサ>>続きを読む

健さん(2016年製作の映画)

1.0

誰が見たって企画物でしょう。
こんなドキュメンタリーなど作ってもらいたくなかった。ニンゲン高倉健のいわゆる素顔を、そこそこ名の知れた俳優や監督、関係者へのインタビューにて構成している。やめてもらいたい
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ホンモノの気持ち(2018年製作の映画)

3.2

安部公房に『人間そっくり』(1966)というSF小説がある。
記憶もあるし、ここまでよく出来ていたのなら、本人がバラさなきゃバレることはない。何か問題でもあるのだろうか?
男から見たら都合のいいラブド
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水の中のつぼみ(2007年製作の映画)

3.5

「お医者さんごっこ」と言うのが今はあるのかどうか知らないが、つまりかつて男の子の間では、青き性衝動の行き着く先のはけ口を、女の子相手に照れ半分本気半分で誤魔化すそういう所作(ふるまい)があった。
男の
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ヴァイブレータ(2003年製作の映画)

4.0

この頃からオバさんみたいな寺島しのぶと、中途半端な芝居メソッドを身につけちゃったイキリ下手な大森南朋。従って、ともにちゃんと帰るところがありそうで、いわゆる「さすらい」感が稀薄なのが残念。とは言え悪く>>続きを読む

アビゲイル・ハーム(2012年製作の映画)

4.0

説明しようとして、かえってわかりにくくなっている。
比喩と擬人化で出来ている西洋の「童話」と違って東洋の「お伽話」というのは解説しちゃうと壊れてしまう。それはたとえ話じゃなくて、実相だからだ。しかし、
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アルファ、殺しの権利(2018年製作の映画)

5.0

ドキュメンタリーではなく、
ドキュメンタリー風にフィクションを撮るというのは結構難しいと思う。作り話とわかっていても、そうは思えぬようにしなければならないからだ。一方、野次馬根性に訴える、いわゆるドキ
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スイング・ステート(2020年製作の映画)

3.6

何でも題材(ネタ)にしてしまって、それを思う存分味わうことに関してアメリカ人は天才的である。もちろんそれが人種差別だろうと不道徳だろうと宗教だろうと戦争だろうと。政治はお祭りであり、破壊や大惨事やLG>>続きを読む

GANTZ(2010年製作の映画)

-

手に汗握れないSFアクションCGバトル映画。一応演技できていたのは10年前の山田孝之と綾野剛くらいで残りはみな完璧に下手、そこは突っ込む所ではない、コミック原作だが、コミック要素は田口トモロヲだけ。ど>>続きを読む

RIVER(2011年製作の映画)

5.0

始めるのになんのお膳立てもいらない感じ、『なんか川みたい』な秋葉原の昭和通りだからである。
このワンショット長回しでの街頭流し撮りだけで50点。すでにMacintoshのstepも、T-Zone も無
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きばいやんせ!私(2019年製作の映画)

2.0

演技も脚本も撮影も音楽も、これほど拙(つたな)く下手にやると、かえってリアリティが出るもんだと驚かされた。本来「現実」ってこんなもんだろう。そこに何故か不思議な安心感がある。このショボさは、案外真似で>>続きを読む

ナイン・デイズ(2020年製作の映画)

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これだけ人種まぜとけば、なんかの賞くらいは取れるだろうな(笑)
いくらこっちにまる投げ映画だからって、説明しなさすぎだよ。いつどこで誰がなにを何のために?っていう基本設定全てが無い所で何かが出来上がる
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ジョー・ベル ~心の旅~(2020年製作の映画)

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LGBTQモノは苦手なので、あえて見るのは俳優や撮影(映像)が目的。ジャケがもろウォルバーグだったのでネトフリを立ち上げてしまった。特に彼じゃなくてもいいと思う。ていうかこんなのがやりたい俳優なら誰で>>続きを読む

蛇にピアス(2008年製作の映画)

2.1

ワクチン注射ですら真っ平ゴメンの私だが、この映画は全然痛くもないしエロくもない。痛くなきゃダメな映画じゃなかったのか?心のヒリヒリ感だって、まるで薄い。芥川賞の原作は読んでないが、題名だけで済ませてお>>続きを読む

人間失格 太宰治と3人の女たち(2019年製作の映画)

1.1

「いっそのこと、太宰の小説のファンからもアンチ太宰文学の読者からも猛烈な批判(酷評)を受けるような映画を撮ってみなさい」。「そうでなければ太宰を超えるものなど出来はしない、そのための役者たちが、ごっそ>>続きを読む

センセイの鞄(2003年製作の映画)

-

お亡くなりになるまで、演技はしてたがお年寄り(婆さん)に成りきれてなかった樹木希林と、ジジイに成りきれてない偏屈な風(ふう)を気取る柄本明、滑舌の悪さはそのための演技か知らぬが、セリフがよく聞き取れな>>続きを読む

ジョーンについて(2022年製作の映画)

4.5

『記憶はそうやって作られる』
冒頭からユペールが、観客に向かってそう語りかける。さてこれから始まる記憶のお話の、どこがどんなふうに「作られ」、そして今のわたしは、どこにどんなふうに「いる」のか? さあ
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ヴィレッジ(2023年製作の映画)

-

伝統芸能である能楽と、廃棄物処理場のコントラストが面白い、「あっ、それいいね」との着想がおそらく最初にあったのだろうと思われる。しかしそれだけで、あとはその結果生じる問題をとって付けて、でっち上げた為>>続きを読む

レア・セドゥのいつわり(2021年製作の映画)

4.0

村上春樹みたいだとのレビューがけっこうあったが、そうだとしたら春樹読みたくねーって思った。読まずに済んだ事を、この映画に感謝したい。ちょっとした文学を味わった気分にさせてくれる、そこに興味があればのは>>続きを読む

ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)

2.0

こういう変なお膳立て(自然映像)やキスシーンを多用する事なく、初めから「真犯人コイツ」ありきでまとめた方が良かったんじゃないかと思う、つまり有罪をどうしたら無罪にできるか、みたいな映画。松本清張映画く>>続きを読む

コレクティブ 国家の嘘(2019年製作の映画)

1.5

わたしは基本的にドキュメンタリー(映画)というものを信用していない。この映画を見た瞬間に、頭に浮かんだのは911テロ、貿易センタービルの崩落である。人々はこういう惨事が起きると、その出来事の周辺や身辺>>続きを読む

ウイークエンド(1967年製作の映画)

5.0

この映画を、劇中にあるセリフ一言(ひとこと)で表すなら『葉巻のせいで間違えた』、である。ベヒシュタインを青天井でモーツァルトを弾く男は一応、オレは下手だがと言い訳はするも、しかし悪いのはオマエ(葉巻)>>続きを読む