とにかく可愛くて楽しい映画なのに、観てると無性に泣きたくなる。あぁ、俺ももうおっさんだなぁ。
今も昔も夢見る女たちを喰い物にして肥え太るショービジネスの腐った体質を真正面から描いていることも、煌びやかなスウィンギング・ロンドンの陰で性的に搾取され続けた女性に現代の女の子が共感していくという設定>>続きを読む
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開幕するやいなや鳴り響く、おどろおどろしいストリングスの不協和音は明らかにやりすぎだし、普通に子供が残忍な暴力の被害に遭うし、最後の最後まで一欠片の救いも無いし、安心と信頼の胸糞映画先進国・デンマーク>>続きを読む
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三大映画祭とか批評家にはウケる作品なんだろうけど、自分には全然合わなかった。
ノーランの悪影響みたいな複雑な時制表現も効果的とは思えなかったし、じゃあ時系列どおりに編集し直せば良くなるのかと言うと、>>続きを読む
一羽の鶏を巡る子供vs.大人のドタバタが、次第に作品の背景であるゼネストのカリカチュアになっていくテーマ的な狙いはわかるが、正直ちょっと説教臭くてしゃらくせぇと思ってしまった。
全然悪い人ではないはず>>続きを読む
数年前に初めて予告編を観たときは(『レディ・プレイヤー1』が売れたからって安易に似たような企画続けすぎだろ……)と辟易していたが、映画本編は『レディプレ』というよりも『LEGO®︎ ムービー』に通じる>>続きを読む
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高校を卒業してもなお学生気分のまま、周囲の人間や世の中をすべて見下すことで幼稚なプライドを保っていたのに、唯一の親友がなんだかんだしっかり自立して真っ当な大人になっていくのを横目で見ながら、当の自分は>>続きを読む
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映画ファンも決して他人事ではない、“推し活”が孕む危険性を炙り出す、非常に優れた問題意識による必見のドキュメンタリー。
例えば自分はそもそも園子温の映画はどれもゴミ以下としか思っていなかったので、例>>続きを読む
なぜラテン系監督のホラーは悲しい話が多いのだろう。
行き過ぎた母性は禍々しく残忍だが、醜い化け物に身をやつし、たとえかりそめであっても親子関係を希求する“ママ”の喪失と絶望はあまりにも憐れで痛ましい。
あの時代のホラー映画の続編としては相当クオリティが高いほうだけど、きっちり作られたことによって可も不可もない作品になってしまった印象。
暖炉で燃やされて、夏場の蝉の如く仰向けでビチビチのたうち回るチャッキーが気持ち悪くて最高。
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予告編の時点で相当期待値が高かった作品だが、まさかここまでの傑作だとは……。先日観た『私ときどきレッサーパンダ』もとても良い映画だったが、今年のベストはもう本作で確定。プロレスラーの業についての物語と>>続きを読む
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「普通に面白い」という表現は、こういう映画のためにこそあるんじゃないかなぁ、としみじみ思った。限られた物証や証人を論拠に繰り広げられる弁護側vs.検察側の激しい論戦は退屈する暇が無く、法廷劇の新たな傑>>続きを読む
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ピート・ドクターは最も尊敬する監督のひとりで、これまで彼が撮ってきた作品はどれも傑作だし、特に『インサイド・ヘッド』は自分にとって数少ない生涯ベスト映画の一本。だから本作も並々ならぬ期待を胸に鑑賞した>>続きを読む
ピクサーとしては珍しい、絵本風で温かみのある2Dアニメのデザインはとても良い。
現実社会における人間関係の風刺とも取れるストーリーも興味深かったが、そうだとすると終盤の展開は個人的に少し「やさしいせか>>続きを読む
「ピーター・グリーナウェイ レトロスペクティヴ 美を患った魔術師」より2本目。
画家が描く絵画の中に殺人事件の痕跡(のようなもの)が紛れ込むというミステリーの設定が独創的でとても面白く、強く引き込ま>>続きを読む
「ピーター・グリーナウェイ レトロスペクティヴ 美を患った魔術師」より1本目。
死骸や糞尿、性器などの露悪的な描写の中に美を見出すグリーナウェイの作家性が端的に伝わる。
とはいえ、上記のような矛盾し>>続きを読む
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予告編の時点でキャラデザの魅力の無さには大きな懸念があり、実際前半まではピクサーでワースト3に入るつまらなさじゃないかと思ったが、ルカとアルベルトの正体がジュリアにバレてからの展開にはぐいぐい引き込ま>>続きを読む
ピクサーの短編は、2010年の『デイ&ナイト』辺りから芸術性が極まっていった印象だが、2000年発表の本作はまだ毒にも薬にもならないスラップスティックの域を出ていない。
デザインやギャグのテイストもピ>>続きを読む
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久々の予告編詐欺。今年観た新作では『ボーはおそれている』の次に酷い。
まず、基本的な演出が時代錯誤で古臭い。
主人公であるペルー系移民の兄弟は、自らを「透明人間」と皮肉っぽく呼称している。それは先日>>続きを読む
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頭の悪い学生時代には一体何が面白いのか理解できなかったけど、今観ると完全に昨今のシスターフッド映画の源流だとわかる。リドリー・スコット、ちょっと偉大すぎないか?
普段はカス夫のモラハラに黙って耐え、>>続きを読む
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現時点での年間ベスト候補。
歴代のピクサー作品の中でも5本の指に入るかもしれない。
北米における中国系コミュニティの、良くも悪くも閉鎖的かつ保守的な価値観から解放される少女を描いた青春映画かと思いき>>続きを読む
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途中までは(猫ちゃん可愛いなぁ、犬ちゃん可愛いなぁ)と呑気に観ていたが、最後の最後、人間に優しく頭を撫でられたピットブルが浮かべる怪訝な表情で涙腺が決壊した。それまで闘犬として人間にただただ酷使されて>>続きを読む
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悪どい劇場版商法とはいえ、ラスト10分のまどかとほむらの別離にはどうしても泣かされてしまうのが悔しい。気を取り直して今は『[新編]』に期待したい。
TVシリーズを駆け足で継ぎ接ぎしただけの、よくあるアニオタ搾取の再編集版。倍速視聴とか好きな奴にはこれでもいいんじゃないっすか。
男社会であるスタント業界で、女性たちが受けてきた偏見や差別の歴史に関するシリアスな言及もありつつ、基本的にはかっこいいお姐さんたちのかっこよさにひたすらヤられる。(語彙力)
ゾーイ・ベルがめちゃくちゃ>>続きを読む
めちゃくちゃ気持ち悪いウィレム・デフォーの女装に欲情するマフィアのおっさん、あいつの守備範囲の広さは同じ男として尊敬に値する。
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悪魔的存在による奸計で見出された子供が、家族関係を崩壊させた上でその異形に同化していくというプロットが『ヘレディタリー/継承』そっくりそのまんま。きょうだいの死の責任を主人公にだけ押しつけて発狂する母>>続きを読む
今だからこそトラヴィスのキモさを笑って見てられるけど、20代前半の頃の自分もほとんどトラヴィスみたいなもんだったことを思い出す。(幸せそうな同年代はマジで全員殺したかった)
「若くて孤独なフリーターに>>続きを読む
冷やかしで観たのに、まさかあの激キモ××××がぶ飲み親父に泣かされるとは……。
監督のロド・サヤゲスは無名だけど、フェデ・アルバレスなんかよりずっと演出が巧いぞ!
長い! うるさい! 支離滅裂!
元から悪い評判しか聞かなかったが、まさかここまで酷いとは……。
去年観た新作のワーストは『エブエブ』だったけど、それとは比較にもならないレベルの駄作。作り手が意図的に>>続きを読む
監督がハリウッド的な御涙頂戴の作劇を避けたのだろうとは思うけど、もう少し演出に抑揚があっても良かったのではないか。
まぁでも、タイトルロールを演じるキャサリン・クリンチちゃんを本当にいじらしく魅力的に>>続きを読む