マクガフィンさんの映画レビュー・感想・評価

マクガフィン

マクガフィン

トラペジウム(2024年製作の映画)

2.4

展望が見えないプロローグ、予定調和な展開で平坦なテイスト。仲間を集めるワクワク感や一致協力する人間模様が描き切れず、只、アイドルとしての「熱量の差」のみを羅列することに。アイドルモンスターと化したヒロ>>続きを読む

バジーノイズ(2023年製作の映画)

2.7

冒頭から強引な展開に呆れるが、それでも中盤までは、仲間を一人ずつ増やしたり、音楽でステップアップするので見所もあるのだが。受動的で受けの演技ばかりで作品を牽引できない主人公。音楽の才能が突出しているこ>>続きを読む

タイガー 裏切りのスパイ(2023年製作の映画)

3.4

突き抜けたインド映画パワー全開で、圧倒される作り込みに。これだけ作りこんで、エンドロールで続編を匂わす製作人に感服。

マンティコア 怪物(2022年製作の映画)

3.2

平穏な日常から徐々に顔を出していく、心の奥底に潜む怪物は反倫理的な性的嗜好に。中終盤までの性癖が顔を出すまでの含蓄っぽいことやシンボリズムを活用するドラマパートは平坦ながら見入ることも。
終盤の性指向
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鬼平犯科帳 血闘(2024年製作の映画)

3.4

TV時代劇は予定調和で苦手なのだが、鬼平のカラッとしているが義理人情に厚い性格、中村ゆりのベストアクト、敵の容赦なく皆殺しにする悪人ぶりなどのキャラ立ちが良く、「悪」をモチーフとした丁寧な作り込みに感>>続きを読む

コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)

3.4

会話や展開が退屈なこともあるが、ラストの少女の情緒が一気に露わになる模様が秀逸で、些末なあら捜しを押しのける。少女の未来が少し心配になるが、タイトルで少し救われる。

猿の惑星/キングダム(2024年製作の映画)

2.7

個過作に比べるとモチーフが小さく、今作は共存と存続がメインに。殆ど進展しないのでドラマパートは退屈で、英雄主義の古臭さやシチュエーションも狭くて興味が湧かない。頭脳も統率力も足りなく、猿が支配している>>続きを読む

水深ゼロメートルから(2024年製作の映画)

2.7

たわいも無い会話から発展していくと思いきや、緩急やリズムが足りなく、盛り上がりもカタルシスも足りないことが残念。

青春18×2 君へと続く道(2024年製作の映画)

3.7

ロードムービー形式で日台で過去と現在に向き合う物語。旅先での情景の美しさや一期一会のささやかな交流、色彩豊かな夏の台南と寒冷の冬の日本の対比が効果的に。ぱっと照らされる雪景色、バイクの横移動、スカイラ>>続きを読む

無名(2023年製作の映画)

3.1

日中韓の三つ巴の騙し合いや寝返りは時系列をいじっているので分かりにくい。重厚なテイストを積み上げたのに、韓国映画特有の興行的な側面を意識して、終盤に場違いなアクションを挟むのでリアルさが一気に無くなる>>続きを読む

悪は存在しない(2023年製作の映画)

3.8

冒頭の退屈な自然と終盤の自然の息遣いが聞こえてくるような神秘的な映像の対比が何とも言えない。進む方向性を示しつつ、様々な要因が少しずつ波及し、因果のように行きつく手法に感服。

シンプルな二項対立や三
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外伝 麻雀放浪記 II(2003年製作の映画)

3.6

賭博に生き、賭博に狂わされた人達のサガと業を叙情的に描く。
前作から続く、女の因縁のエピソードのヒネリが良い。ダメ男達だが、女を賭博から遠ざけようとすることが印象的で、女達のカタルシスの解放に繋がる。
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外伝 麻雀放浪記(2002年製作の映画)

3.5

賭博に生き、賭博に狂わされた人達のサガと業を叙情的に描く。
賭博の変革期を描き、個々では如何にもならないような逆流に飲み込まされながらも、それでも貫く信念が何とも言えない。チープな映像もあるが、賭博者
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毒娘(2024年製作の映画)

3.7

本格的にホラー展開になりそうな所からヒネリがあり、触発されてロマンシスやニアGLのような関係に発展する意外性に驚く。子供の無邪気な悪意と不気味さを描写するが、毒父の自己中心性バイアスで本質をまるで理解>>続きを読む

ゴジラxコング 新たなる帝国(2024年製作の映画)

3.3

世界の所々に怪獣がいるカオスな世界だが、明るいトーンで特徴ある人間キャラの配置が良く、先住民問題をテーマとしつつ地底の遺跡探索要素など人間と怪獣のドラマパートは抜かりない。

アメリカ映画だからコング
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キラー・ナマケモノ(2023年製作の映画)

2.8

草食系のナマケモノが生態と反して、頭脳と行動力を駆使して女子寮全員を滅殺するB級映画。

ナマケモノが人形でチープ(CGでないことが逆に斬新)。車の運転したり(足届かないだろ)、スマホを駆使する(自撮
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異人たち(2023年製作の映画)

2.8

時の経過やLGBTへの捉え方の変化を描くことに感心するが、渾然なテイストが終盤まで続くと焦れったくて退屈に。
内省的なのに家族の無自覚さ、親友による社交性、主人公の孤独などが相乗したり対比にならないの
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青春ジャック止められるか、俺たちを2(2024年製作の映画)

3.7

ミニシアター設立と映画撮影を交差させながらエピソードを膨らませることが良く、映画を作りたいのに撮りたいことを見いだせない葛藤を描くことが興味深い。作中にあった「自分自身のことを描けば、誰でも一本は傑作>>続きを読む

陰陽師0(2024年製作の映画)

2.6

陰陽師系は苦手で、山﨑と染谷のバディ展開に期待したのだが。
VFXに頼り過ぎで背景やエフェクトも全てCGだと、綺麗なんだけど、画面から浮いていたりスピードで胡麻化しているので微妙。ドラマパートでも説明
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あまろっく(2024年製作の映画)

2.9

明るく前向きな作風は良いが、還暦過ぎた男に20歳の美女がプロポーズして献身的な専業主婦になる、男の都合良さ満載なエピソードに呆れる。あまろっくの含蓄も奇麗ではなく、現在と過去と未来への繋がりが曖昧で、>>続きを読む

劇場版ブルーロック –EPISODE 凪(2024年製作の映画)

2.8

一言さんには親切なキャラの識別がしやすい髪色や髪型などが良く、見やすい作画や構図に感心するのだが。
紫髪の家庭環境に前澤友作や湯婆婆の配置。ストライカー育成のデスゲームかと思ったら、誰も脱落しなそうな
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恋の豚(2018年製作の映画)

3.4

素直でお人好しなヒロインを、次第に応援したくなる。微妙な関係性なのに心に滲み入るような妙を感じることが城定節に。

妻の秘蜜~夕暮れてなお~(2016年製作の映画)

3.5

義父と妻の互いに手札は割れている状況でのやり取りが興味深く、エロやフェチ展開になりそうなヒネリが効果的。義父のスピリチュアルペインと妻の情念の開放を描きつつ、肉体ではなく、心の通じ合う関係性の心地よさ>>続きを読む

貴公子(2023年製作の映画)

3.4

三つ巴の勢力が絡み合い、ケレン味が溢れて、玉ねぎの皮を向くように徐々に謎が分かっていくことが興味深い。追う側の特徴あるキャラで識別しやすいことは良いが、逃げるマルコの走り方や筋肉の付き方で全くボクサー>>続きを読む

プリシラ(2023年製作の映画)

2.8

プリシラ視点で描くが、アメリカに行ってからは「孤独」ばかり描かれて停滞し、テイストやトーンの抑揚がなくて退屈。プリシラに自分好みを無理強いする半面、無駄に禁欲的な一面があったりするエルヴィスのキャラ同>>続きを読む

名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)(2024年製作の映画)

2.8

前半は『ゴールデンカムイ』っぽくて興味深いのだが。キャラが多いのに群像劇としてのキャラの捌き方がイマイチで、視点が変わりすぎに。中盤以降はプロットよりもキャラや設定ありきで進行し、余計なシーンを挟むこ>>続きを読む

ラブアンドロイド 執事のアダムとぼっちな私(2016年製作の映画)

3.3

シンプルなプロットだが構成が簡潔で的確で、哲学的な要素を挟むことが巧い。ヒロインの演技力は低いが、ぼっちな設定と嵌るので気にならない。健気なアンドロイド執事を次第に応援したくなり、B級的なドタバタさか>>続きを読む

桃木屋旅館騒動記(2014年製作の映画)

2.8

過疎地方の過疎った温泉旅館。テンポが良いドタバタ喜劇で多幸感はおなじみの城定節に。酔ってエロ展開になると思ったら、悪酔いして悪態を付く意外さも。潮吹くタイミングで温泉が噴き出るくだらなさがテイストに合>>続きを読む

いっツー THE MOVIE2(2014年製作の映画)

3.1

「映画 in 映画」の入れ子構造で、映画作りの楽しさが伝わってくる。『桐島、部活やめるってよ』をオマージュした屋上での撮影シーンは片思いを利用したことで、自主映画も映画への片思いからだろう。原作未読。

いっツー THE MOVIE(2014年製作の映画)

3.0

性欲が思わぬ原動力になる思春期の日々。ファーストコンタクトのガールミーツボーイがホラー手法なのにコミカルに描く出会いが秀逸だが、このシーンがピークに。性欲まみれの男子高校生の雑多感に反するような抑制が>>続きを読む

荒野の用心棒 4K復元版(1964年製作の映画)

3.7

オリジナルの『用心棒 』に比べると主人公の行動原理が雑なところもあるのだが。乾いた作風でミステリアスな男の雰囲気のマッチさ、張り詰めた空気から放たれる銃声の良さ、モリコーネの「さすらいの口笛」の音楽、>>続きを読む

アイアンクロー(2023年製作の映画)

3.7

プロレスラー一家の残酷物語かと思いきや、プロレスラー2世兄弟の残酷物語なことが興味深い。アメリカの時代や価値観を象徴するかのような家父長制やマッチョ主義で、プロレス・ビジネス狂の父親だけでなく宗教依存>>続きを読む

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

3.4

独特な表現技法で余白と沈黙を喚起させて雄弁に物語るが、視線・表情・距離感で伝えたいことが分かりすぎるので、全てが綺麗に嵌っているわけでもない。BGMなのか自然に流れる音なのか区別がつかないこともあるし>>続きを読む

四月になれば彼女は(2024年製作の映画)

3.0

事態とは裏腹の穏やかなストーリー展開で、シチュエーションや情景が良く、余白が多いことが意外に。脇役のスパイスある配置は良いが、ネックになっていた元カノの父親がお座なりなことや終盤の強引な展開など気にな>>続きを読む

静かなるドン 新章 Vol.2(2009年製作の映画)

2.8

Vol.1よりコメディ要素の効きは良いが、今作も低予算早撮り映画のチープさを補う程の何かが足りない。シリーズ作品故のキャラ立ちは良くなってはいるのだが。

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

3.5

静謐で深遠な世界観に洗練された映像美に圧倒され、前作の権謀術数な宮廷劇から飛躍し、試練や運命を秘めたアクションが印象的な貴種流離譚に。
主人公の成長過程や心の機微を様々な視点で向き合うことは良いが、重
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