柏エシディシさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

柏エシディシ

柏エシディシ

映画(2010)
ドラマ(63)
アニメ(0)

マッチ工場の少女(1990年製作の映画)

3.0

淡々と粛々と、工場でマッチ箱が製造される様子を映し続ける序盤から、その流れのままドラマがはじまり、気づけばドラマが終わっていた。
何も付け加えることも、差し引く必要もないシンプルで、完璧な映画だ。
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ガザ 素顔の日常(2019年製作の映画)

-

もう、殺すな。
将来の夢を語る少年。
乗客や行きつけの屋台の親父と談笑するタクシー運転手。
煌めく水面。
ビートに合わせて踊る若者たち。
世界のどこにでもある日常。
その平穏な風景が一瞬の爆発音で一変
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SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

3.0

#MeToo運動のきっかけとなったハーヴェイ・ワインスタイン性暴力告発の中心となったニューヨークタイムズのジャーナリストたちの活動を追ったドラマ。
題材の記憶の生々しさやその重要性を認識しつつも、有体
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ボトムス ~最底で最強?な私たち~(2023年製作の映画)

4.0

2023年、今年1番笑った映画かも!?
めちゃ好き。
Bottomsって言っても、ウドのコーヒーが苦いとか、むせる、というお話ではなく。
スクールカーストで虐げれるゲイクィア、またその中において更に「
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真空地帯(1952年製作の映画)

3.0

Black Holeで話題に上がっていて気になっていた岐阜のフィルム上映専門劇場、ロイヤル劇場さん。
Jリーグ最終節が偶然長良川の開催となり、これは何かの縁と思いスタジアムに向かう道すがら立ち寄った。
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ナポレオン(2023年製作の映画)

3.0

「グラディエーター」コモドゥスの変奏の様なホアキンの新解釈ナポレオンは想定範囲内として、本作の実質の主人公は後世において悪妻の名高きジョゼフィーヌ。
「わたしが貴方を偉大にさせる」との言葉の通り、永遠
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アッセンブル:ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME3の裏側(2023年製作の映画)

3.0

クリスマスシーズンなので今年もGotGホリーデースペシャルを観て(毎年恒例にしていきたい)、こちらもセットで。
もう新世代のスターウォーズとも言っていい、革新的でやんちゃな作品でありながら、王道ヒーロ
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ホーンテッドマンション(2023年製作の映画)

3.0

そいや観てなかったな。と軽い気持ちで配信見始めただけれど、前情報が全く無かったので驚きもあって意外に楽しめた。劇場で観ても良かったな、これ。
霊的な土地としてのニューオーリンズを舞台にアフリカ系を中心
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モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン(2022年製作の映画)

3.0

割と好み。終始無表情なヒロインが劇中一瞬一度だけ見せてくれる笑顔とエンディングの爽快感だけで、観た甲斐があると気持ちにさせてくれる。
秀作"A Girl Walk Home Alone at Nigh
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WILD LIFE 大自然への讃歌(2023年製作の映画)

3.0

ノースフェイスの創業者ダグ・トンプキンスとその妻、こちらもパタゴニアの元CEOだったクリスティンの環境保護運動家としての半生を追ったドキュメンタリー。
どちらかというとインドア派であろう自分も、フジロ
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マイ・エレメント(2023年製作の映画)

2.0

うーん…ハマらなかったな…
基本スクリューボールコメディやロマコメラブコメは大好きなんだけれど、ちょっと途中で飽きてしまった。
「インサイドヘッド」「ソウルフルワールド」の系譜に連なる形而上学世界をビ
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カールじいさんのデート(2023年製作の映画)

3.0

ピクサーの傑作"UP"こと、「カールじいさんの空飛ぶ家」の14年ぶりの続編的ショートストーリー。
カール爺さんはCGアニメ作品では歴代でも屈指のお気に入り作品なので嬉しいけれど、いつも短い時間で革新的
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インファナル・アフェア(2002年製作の映画)

4.0

香港ノワールのひとつの到達点にある傑作!
4Kリマスターの恩恵が果たしてあるのかどうか…?w
しかし、20年ぶりに映画館で観れるのはやはり嬉しい。
手垢の付いた感のある潜入もの(ダブルスパイもの)であ
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アメリ(2001年製作の映画)

4.0

観ましたよ。公開当時はシネマライズに並んで。
いゃ〜、ジュネだったら「デリカテッセン」と「ロストチルドレン」でしょ!と斜に構えてみせても…やっぱり、良いよね、アメリ。
このたびはリバイバルデジタルリマ
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暗殺の森(1970年製作の映画)

4.0

午前10時の映画祭。ベルトルッチの傑作ノワールを4Kレストア版で。至福。
とにかく美麗で革新的な撮影が魅力的な作品。これは円盤もゲットしなければ。
ファシズム台頭著しいイタリア。
秘密警察に身を窶した
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ロイ・ハーグローヴ 人生最期の音楽の旅(2022年製作の映画)

4.0

2018年、急逝したジャズトランペッター、ロイ・ハーグローブの最後のヨーロッパツアーのドキュメンタリー。

多くのジャズレジェンドがとっくの昔に鬼籍に入っているか、高いコンサート料金をふんだくる"大御
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ヒッチコックの映画術(2022年製作の映画)

3.0

「ストーリーオブフィルム」の"世界一のシネフィル"マーク・カズンズ先生とヒッチコック(冥界から召喚)による映画講座。
映画好き必見!面白い!
ヒッチコックの演出や映画的技巧に関しては散々模倣され、語り
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イ・チャンドン アイロニーの芸術(2022年製作の映画)

3.0

イ・チャンドン自らを案内人に、彼の全作と文筆家としてのキャリアを含めて振り返るドキュメンタリー。
ペパーミントキャンディよろしく、直近のバーニングから時系列を遡る体裁。
出演者たちの言葉から、彼の演出
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ポエトリー アグネスの詩(うた)(2010年製作の映画)

4.0

未見であったイ・チャンドン作品をレトロスペクティブにて。4Kレストア。
うわぁーエグられた。
本作に関しては(というかイチャンドン作品はいつもそうだが)おいそれと、拙い言葉に書き記すことが憚られる。
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オアシス(2002年製作の映画)

5.0

現実をイマジネーションが逸脱する瞬間を捉えた映画のシーンがたまらなく好きだ。
カラオケ帰り、ひと気のない駅のホームで、コンジュの想いが溢れて歌い出すシーンで涙した。
子ゾウが部屋に現れるシーンの多幸感
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ペパーミント・キャンディー(1999年製作の映画)

4.0

イ・チャンドン・レトロスペクティブにて4Kバージョンを。
名匠イ・チャンドンの国際的評価を決定づけた傑作。
実はこの映画、フォレスト・ガンプにちょっと似ている、と思っている。
場違いなスーツ姿の男の一
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眠れぬ夜のために(1984年製作の映画)

3.0

スコセッシ「アフターアワーズ」を観たところ、こちらをレコメンド頂き、鑑賞。
おお!こちらも巻き込まれ系映画エイティーズ〜ジョン・ランディス!
ぶっちゃっけ今観ると作劇も雑だしランディスのおふざけ感もい
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レンフィールド(2023年製作の映画)

3.0

2023年公開を楽しみにしていた作品、まさかのビデオスルー…泣
なんでだよ!面白いじゃーん!
現代に生きるドラキュラ伯爵(本人)とその従僕レンフィルードの関係性をオモシロ可笑しく描きつつ、パワハラモラ
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救命士(1999年製作の映画)

4.0

さぁ、観よう!と思ったら、どこの配信にもなく、急遽DVD取り寄せ(Filmarksさん、ディズニー+は配信終わってますよ!)
なんで!?ニコケイ最高傑作のひとつなのに!
スコセッシ/シュレイダー最強コ
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ヒューゴの不思議な発明(2011年製作の映画)

3.0

スコセッシおさらいリレー、ゆるりと続けています。
本作公開時は驚いたもの。
スコセッシが子供向けで3D!?と。
しかし観てみれば、"映画オタク"スコセッシの映画創成期への愛溢れた、これまたスコセッシら
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サタデー・フィクション(2019年製作の映画)

2.0

太平洋戦争突入前夜、各国の思惑や陰謀絡む魔都、上海。時代の転換期に翻弄される男女。
前作「シャドウプレイ」も実在の事件を元にした恋愛ノワールで大変好みであったので、まさにモノクロームで綴られる新作には
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テイラー・スウィフト:THE ERAS TOUR(2023年製作の映画)

4.0

ライブ映像作品の現状最高峰。
全米大ヒットと聞き及び、軽い気持ちで行ってきたが、サスガ、度肝抜かれた。
郊外のシネコン、いつもは空いている日曜最終の回というのにそこそこ埋まっていて、日本でのテイラー人
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マーベルズ(2023年製作の映画)

3.0

結論から言うと、楽しかったし好き。
しかし、最近のコミック映画やMCUへの風当たりの強さも考えると世評は辛そうだ。
確かに拙速に過ぎるドラマは魅力的なキャラクターたちを掘り下げ切れていないし、キャロル
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ナイト・スリーパーズ ダム爆破計画(2013年製作の映画)

2.0

「ライフ・ゴーズ・オン」に続いて、未見のケリー・ライカート作品をチェック。
Cirtain Women"ある女性たち"を上の様に改めた邦題に輪をかけて本作も改悪タイトル。
(次作First Cowはど
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ライフ・ゴーズ・オン 彼女たちの選択(2016年製作の映画)

3.0

長らく日本公開を待たされていたケリー・ライカートのFirst Cow(2019)が遂に来月公開ということで、改めてフィルモグラフィを眺めていたら、キャスト陣にスコセッシ新作で印象的であったリリー・グラ>>続きを読む

カジノ(1995年製作の映画)

4.0

爆炎でデニーロが吹き飛ばされクルクル回るオープニングで開幕(ソール・バス師匠、最高で最後の仕事)、そこから180分、ダレることなくずーっと面白い。
大好き。
とにかく作劇がタイトでテンポ良く進む。
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アフター・アワーズ(1985年製作の映画)

3.0

初見のスコセッシ作品。
驚嘆!こんな映画も撮っていたんだ!面白かった。
ヤッピーのNY地獄巡り。どこかデビッドリンチ的な悪夢ノワールでもあり、早すぎた「ファイトクラブ」みたいなダークコメディ。
出てく
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ギャング・オブ・ニューヨーク(2001年製作の映画)

3.0

アメリカ黎明期ニューヨークのギャング勃興とシェイクスピア的人間ドラマを描いた大作。
スコセッシが新たな相棒ディカプリオと初タッグ。
こんなめちゃくちゃな映画でしたっけ?w
冒頭のカチコミシーンからして
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燃えあがる女性記者たち(2021年製作の映画)

4.0

インド北部ウッデルプラデーシュ州、カースト最下層の被差別層の女性だけで活動している新聞社「カバルラハリヤ(ニュースの波)」
スマホを片手に暴力と偏見と戦い続ける女性記者たちを追ったドキュメンタリー。
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軽蔑(1963年製作の映画)

3.0

60周年記念4Kリマスターにて。
ゴダール作品でも屈指の人気作だけれど、自分は苦手なゴダールな一本。
追悼の意味と、やっぱり映画史に残る美麗撮影を4Kで確認したくて劇場へ。
しかし敢えなく撃沈。
部屋
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ザ・キラー(2023年製作の映画)

3.0

裏切られた殺し屋が落とし前をつける。
毎度、題材選びからしてトンがっているフィンチャーにしては今回は定番でキタ。
フィンチャーらしくないが、そこがまたフィンチャーらしいのか。
きっとアプローチが変わっ
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