明石ですさんの映画レビュー・感想・評価

明石です

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ラヴィ・ド・ボエーム(1992年製作の映画)

4.4

売れない画家とアマの作家とピアニスト崩れの三人が同じパリのアパートメントに暮らし、社会の底辺で細々と暮らしながら成功を夢見る。赤貧の中でも自分の作品への自信は失わず、アーティストとしての誇りとハードボ>>続きを読む

カラマリ・ユニオン(1985年製作の映画)

3.4

「フランク」という同じ名前を持つ15人のゴロつきが集まって徒党を組み、旅をする奇天烈なロードムービー。仲間内の不和や裏切り、他組織との軋轢に自殺が重なり、一人一人と姿を消していき、そして最後には誰もい>>続きを読む

Bico(2004年製作の映画)

3.5

ポルトガルのとある小さな町の歴史と風景を、ナレーション付きの短編に収めたドキュメンタリー。カウリスマキらしさは、、正直そんなに感じられなかった。ポルトガル来てるし、いっちょ短編でも撮っとくか、って風な>>続きを読む

白い花びら(1998年製作の映画)

4.8

農業を営み「子供のように幸せに」暮らす夫婦の幸福が、羊の顔をしてやってきた性欲お化けの都会風の男に壊される。その男の正体はヤ〇ザ者だが、妻がそうとは知らず彼に惚れ、ヤ〇ザの情婦に身を堕としてしまう。救>>続きを読む

ハムレット・ゴーズ・ビジネス(1987年製作の映画)

3.6

ハムレットがビジネスにゴーする話、というお馬鹿なレビューはさておき、ハムレットがビジネスにゴー(面白くないので以下略)。毒殺された父親が幽霊となって現れ、復讐をしろと告げる。が、その父親を殺した相手と>>続きを読む

工場の出口(1895年製作の映画)

3.5

かの有名な、リュミエール兄弟の『工場の出口』。世界初の映画としてパリで上映し、そこそこ受けながらも、当のリュミエール本人は映画に可能性を感じず数年で撤退してしまったとか。まあこの作品だけを観ると、21>>続きを読む

Valimo(2007年製作の映画)

4.7

工場労働者が昼休みに工場併設の小さな映画館に集まり、リュミエール兄弟の『工場の出口』を観せられる。まさにアイデア一本勝負なショートフィルム。

工場から人が出てくるだけの、数秒たらずのほとんど原始的と
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マッチ工場の少女(1990年製作の映画)

4.8

両親の愛を知らずに育った工場労働者の女性が、一夜の火遊びを経て妊娠。自分を捨てた男を毒殺し、シリアルキラーと化すまで。アキ·カウリスマキの個人的ベスト3に確実に入る一作。オープニング直後の、マッチ工場>>続きを読む

愛しのタチアナ(1994年製作の映画)

3.7

ロックンロールに憧れるシャイな中年男二人が、ヒッチハイクで乗せた二人の女性と旅路をともにする。

朝のコーヒーがないことに苛立ち、母親をクローゼットに閉じ込めて旅に出てきたカフェイン中毒のシャバい田舎
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ラ・ジュテ(1962年製作の映画)

4.0

核兵器で荒廃し、人々が地下にしか住めなくなった近未来のパリ。過去の時代の記憶を呼び起こせる装置を使って、まだ平和だった頃の時代のパリに戻ると、そこには夢のような女性が待っていた。未来に行くと、そこには>>続きを読む

はなればなれに(1964年製作の映画)

4.0

大学のシネ研で鑑賞した、悪くないけど理解は追いつかないゴダールの初期作品。ゴダールお得意の、映画をあくまで断片で提示する手法から、観る側も断片で理解するのが定石なのだとは思うけど、映画を断片でだけ語る>>続きを読む

ビリーバーズ(2022年製作の映画)

4.7

宗教団体「ニコニコ支援センター」の信者三人が無人島で共同生活をする。ジャケットの雰囲気と相容れない"エログロサスペンス"との謳い文句に惹かれ、あとシンプルに宗教モノへの興味から鑑賞。かなりの良作でした>>続きを読む

罪と罰(1983年製作の映画)

4.0

「俺が殺したかったのは人じゃない、道理だ」

ドストエフスキーの『罪と罰』を現代のフィンランドに蘇らせたらしいアキ·カウリスマキの初期作品。タイトルこそ同じなものの、ストーリーには大幅な改変がなされて
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うまれる(2021年製作の映画)

5.0

娘をいじめっ子に殺された母親の復讐劇。スローモーションを多用した殺戮は、大真面目なシーンなのにクスッと笑ってしまった。残虐な場面をあえて描かない(=想起させるに留める)のも、こうして一部始終をスローま>>続きを読む

呪怨2(2003年製作の映画)

3.4

力技だなあ。いかにも小慣れてない感じのズームとか演出面で気になる点がちらほら。ビデオ版2の方がわずかに見応えあった記憶、栗山千明版が至高なのは言うまでもなく。

過去のない男(2002年製作の映画)

4.5

無法者に頭を殴られ記憶喪失になり、ホームレスに身を堕とした男の復活劇。出町座で今月末までやっている「愛すべきアキ·カウリスマキ特集」も終盤に差し掛かってきて、名残惜しさを感じつつ今日も今日とて観に行っ>>続きを読む

トータル・バラライカ・ショー(1994年製作の映画)

3.5

レニングラード·ボーイズのライブ映像。

一映画作家が生み出した、元来局所的な人気しか出えない変てこなバンドが、チャウシェスク打倒時のブカレスト並みに観客を集めてるのはなかなかの光景でした。レニングラ
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雨のしのび逢い(1960年製作の映画)

3.4

若い男が恋人の女性を痴情のもつれから殺してしまい、その事件を目撃した二人の男女が、事件への好奇心をきっかけに結ばれていく。

マルグレット·デュラスの原作『モデラート·カンタービレ』はたしか読んだこと
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コントラクト・キラー(1990年製作の映画)

4.0

15年勤めた会社をクビになり、人生に絶望して首吊り自殺を試みるも失敗。プロの殺し屋を雇い自分を殺させようとするが、運命の女性と出会って恋に落ちてしまい、殺し屋から逃げ回る羽目になる。

目の覚めるよう
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レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ(1989年製作の映画)

3.7

レニングラード·カウボーイズがアメリカにゴーする話(英語の文法をわざと丸無視したタイトルからしてツボ笑)。カウボーイズのとんがり靴が長すぎて車のアクセルを踏めず、釘で打ち付けて先端を丸く固定するシーン>>続きを読む

街のあかり(2006年製作の映画)

4.6

夜間警備員の男がヤクザの情婦の女性に嵌められ、宝石強盗の手助けをさせられ、破滅していく。アキカウリスマキの"敗者"三部作の三作目。

主人公は会社をクビになった、アル中でヤニカスのどうしようもない男で
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真夜中の虹(1988年製作の映画)

4.0

会社を辞め、強盗に遭い、社会の底辺に落ちた男が、犯罪に頼らなければ生きていけなり、窃盗の冤罪で入った刑務所で出会った男と脱獄をし、恋人と国外逃亡をする。

ニヒルな生き方に似合わぬ(いや、だからこそ?
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パラダイスの夕暮れ(1986年製作の映画)

3.9

アキ·カウリスマキの労働者三部作、の一作目らしい。ごみ収集が生業の男と、スーパーをクビになった女性の道ならぬ恋。ストーリーはごくシンプルながら、アキ監督流の、物語の連続性を損ねるのも厭わずザクザクカッ>>続きを読む

希望のかなた(2017年製作の映画)

5.0

今月いっぱいやってる出町座のカキ·カウリスマキ特集に朝から友人と足を運んで鑑賞。家族を殺されシリアから密入国してきた難民の若者と、ひょんなことから彼を雇うことになる新参のレストラン経営者の男。温かい人>>続きを読む

小間使の日記(1963年製作の映画)

3.6

パリから田舎の村に雇われやってきた小間使いの美女。そこで出会うブルジョワたちは、小間使いを全員「マリー」と呼ぶ雇い主や、女性のハイヒールに性欲をかき立てられるその息子(どこぞのシリアルキラー?)、差別>>続きを読む

素直な悪女(1956年製作の映画)

3.8

港の町に現れた、出会う男を片端から狂わせる悪女の物語。悪女に惑わされた男たちが彼女を取り合い破滅していくという話としてはごく古典的なもの。ブリジット·バルドーのファムファタールっぷりがたまらん。ラスト>>続きを読む

小さな悪の華(1970年製作の映画)

5.0

「罪を犯すことが私達の務め。私たちは人生を神であるサタンに捧げる」

修道院学校で育てられ、夜な夜なボードレールの『悪の華』を読み耽り、昼は犯罪行為に耽溺する二人の少女。犯罪によって結ばれ、双子の契り
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巴里の気まぐれ娘(1953年製作の映画)

3.5

「君を愛する刑に処されたよ、、」これはなかなか酷い映画、というかコッテコテのラブコメディ。とりあえず、人間って、そんな阿呆じゃないよね?と突っ込ませてしまう作品はどんなジャンルにしろ褒められたものでは>>続きを読む

突然炎のごとく(1961年製作の映画)

4.4

「彼女と結婚してくれ。そうすれば僕も彼女に会えるから」

親友二人と魅惑の美女の三角関係。主演のオスカー·ヴェルナーが、ジャンヌ·モロー演じるヒロインに言及し放った「素直に言おう。彼女は特に美しくない
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エヴァの匂い(1962年製作の映画)

4.5

ウェールズの炭鉱労働者から売れっ子作家に昇りつめ、フランスの上流社会の仲間入りをした男が、男を、欲情を満たす道具のしか思っていない美女と恋に落ちる。妻も金も名声も、何もかもを捨てて彼女との関係にのめり>>続きを読む

ほんとにあった!呪いのビデオ 80(2018年製作の映画)

3.9

投稿された複数の映像を地道に調査にかけ、ひとつの真相に結びつけていく取材力に脱た。これはヤラセでもなんでもない努力の賜物。そしてやっぱり、本シリーズはこうでないと!と思わされた。取材や調査はあくまで隠>>続きを読む

闇動画14(2016年製作の映画)

3.5

心霊スポットを探索中に時空の歪みに飛び込んでしまうというタイムリープものっぽい投稿映像は面白いと思った。撮影者だけが少し先の未来に飛ばされ、心霊スポットを探索しにきた過去の自分たちに立ち会うやつ。画期>>続きを読む

闇動画8(2013年製作の映画)

3.5

あんまり怖さは伝わらず、、多分再鑑賞が必要。

闇動画(2012年製作の映画)

3.5

「ほん呪」や『ヒトコワ』の児玉監督が手がける投稿系恐怖映像の新シリーズ。

「現在の日本の法律では、呪術による殺人は罰せられない」というけっこう強めの警告文の後、白石ホラーでよくある雑コラCGみたいな
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ほんとにあった!呪いのビデオ BEST OF BEST(2020年製作の映画)

3.5

何年かぶりに涙が出るほど怖い映像に出会った、、自殺の名所らしい岬の上に死者?がぞろぞろと並んでる映像、、怖すぎないか、、と思って興奮してたら、なんと見間違えでした笑。自殺者(もちろん一人)が飛び込む瞬>>続きを読む

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