Renさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

長ぐつをはいたネコ(2011年製作の映画)

2.5

初鑑賞。自分は『シュレック』シリーズは全作鑑賞済だが、未見でも全く問題無し。かの『長靴をはいた猫』というよりは『ジャックと豆の木』寄りの話なので、邦題ミスリードでは?と少し思った(主人公の異名なので問>>続きを読む

或る夜の出来事(1934年製作の映画)

3.0

「おいおい、ラブコメあるあるすぎてもはやネタにされるやつじゃん...」というシーンが出てくる度に、今作は「ラブコメ」というジャンルの礎を築き上げたのだと理解して遡及的に評価が上がっていく。そういう意味>>続きを読む

ザ・プレイヤー(1992年製作の映画)

3.5

ハリウッド批判映画と言われているけどなんだ思ったより倒叙サスペンスとして閉じてるんじゃん、と書こうとしたら怒涛の畳み掛けで豪速球投げてきて笑った。面白い。(カメオ出演を楽しむという見方は薄まるけど)ハ>>続きを読む

恋する透明人間(2020年製作の映画)

3.0

本来なら短編アニメでやるようなリアリティのお話を、実写でやっているからこその可愛さ・お洒落さ・心地良さがあってほっこりと満足できた。

まず現実ではあり得ない色彩設計。壁が一面黄色やピンク、ラボには青
>>続きを読む

ザ・スクエア 思いやりの聖域(2017年製作の映画)

3.0

確かに面白い。ゾワゾワとしたイヤさも居心地の悪さも味わえる。でも長い。飽きかける。でも長くて飽きたなと油断していると突如やって来る異常な緊迫感に惹き込まれる。面白い。でもよく分からない。

家族間の綻
>>続きを読む

フロッグ(2019年製作の映画)

2.5

こういう前後半でバチッと転調させる(ポスターにも書いてあるしこれ自体はネタバレではない)サスペンスは『ゴーン・ガール』が一つの金字塔を打ち立ててしまったので、どうしても比較して観てしまう。『カメラを止>>続きを読む

THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

4.5

漫画に疎すぎて原作もほぼ読んでこなかったのだけど、やっぱり観ようと思って今更初鑑賞した。面白すぎて泣いちゃった。ほぼ完璧な映画だと思う。

『MIND GAME』を褒めまくったその舌の根が乾かぬうちに
>>続きを読む

MIND GAME マインド・ゲーム(2004年製作の映画)

4.0

今年度アカデミー賞を受賞したダニエルズが「エブエブ」のインスピレーションになった作品として挙げており、それと関係無く前から観たかった作品でもあったので初鑑賞した。天才はデビュー作から天才だったことがよ>>続きを読む

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

3.5

さすがの御大。スピルバーグへの思い入れ関係無く楽しめるし、過剰な美化も卑下もせずにここまでずっと観ていられる自叙伝を撮れる手腕に舌を巻く。文句無しに面白かった。

映画についての映画だけど、映画愛につ
>>続きを読む

永遠に美しく…(1992年製作の映画)

3.0

初鑑賞。ホラーやサスペンスやアクションではない、この時代のオモシロイ映画ってこうだよね〜と思った。『アダムス・ファミリー』のゴシック感と『ホーム・アローン』のドタバタ感と『マスク』のおバカCG大喜利が>>続きを読む

15時17分、パリ行き(2018年製作の映画)

3.5

【タリス銃乱射事件】2015年8月21日、アムステルダム発パリ行の高速鉄道タリス車内で男が小銃を発砲、一人の乗客が被弾し重症を負った。犯人は情報機関にもマークされていたイスラム過激派。しかし乗客4名が>>続きを読む

エルヴィス(2022年製作の映画)

2.5

伝記映画の評価がモデルの人物への思い入れに左右されるのは宿命なので許してほしい。エルヴィス・プレスリーの音楽とは無縁で生きてきたので、もっと彼のことを知っていればシーン毎に一喜一憂できたのかもしれない>>続きを読む

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

4.5

ヤバすぎる。家族愛・クィア・移民・確定申告・マルチバース・カンフー・下ネタ(嘔吐あり)を一本の映画に入れていいわけないのに入れてしまった超絶エンタメの最新版。発想とそれを脚本に起こす作業、映像に具現化>>続きを読む

ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語(2019年製作の映画)

3.5

恥ずかしながら原作未読。時代性の中に今の時代にも通ずる普遍性を織り込んで、女性の人生を映し出すことに成功した秀作だった。どんな古典よりも女性監督の手でリメイクされるべき作品だったのだろうなと思う。>>続きを読む

逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

4.0

面白いっ!今年のオスカーの『ドント・ルック・アップ』枠はこれだ!アダム・マッケイほど豪速球ではないにせよ、立場や階級や収入でラベリングされたヒトという存在をあの手この手で小馬鹿にしていて痛快だった。年>>続きを読む

ちひろさん(2023年製作の映画)

2.0

僕が今泉作品を観る理由は大体100個くらいあって、『街の上で』をオールタイムベストに入れているくらいには監督のファン。監督・今泉力哉×主演・有村架純×音楽・くるりという配信作品らしい気の利いたキャステ>>続きを読む

スターシップ・トゥルーパーズ(1997年製作の映画)

4.0

『ベネデッタ』前に何か観ておこうと思い、Disney+で初鑑賞した。一筋縄ではいかないSFらしいことは聞いていたし勘付いてはいたけど、なるほどこれがヴァーホーベンかと納得。悪趣味と意地悪の博覧会。>>続きを読む

ベネデッタ(2021年製作の映画)

4.0

【ベネデッタ・カルリーニ】17世紀に実在した修道女。幼い頃からキリストのビジョンを見、聖痕を付けられ奇跡を起こす彼女は群衆から崇められた。一方、シスターのバルトロメアと性的関係を持った疑惑で、同性愛の>>続きを読む

別れる決心(2022年製作の映画)

3.5

パク・チャヌク、このタイミングでこれ⁉︎と思ったけどこのタイミングだからこそこれなのだろう。お得意のギョッとするようなバイオレンスや性描写を完全に脱臭しながら、スリリングな愛を映し出してみせた。佳作だ>>続きを読む

コララインとボタンの魔女(2009年製作の映画)

4.5

初見時、超偏愛映画として自分の中に大事にしまっておきたい映画に久しぶりに出会った感覚になれた。自分にとっての超絶大傑作。アニメに欲する要素がほぼ全部入ってる。

『ふしぎの国のアリス』や『パンズ・ラビ
>>続きを読む

ウェンデルとワイルド(2022年製作の映画)

3.0

ヘンリー・セリック13年ぶりの新作。『コララインとボタンの魔女』が大好きなので期待を込めて鑑賞した。ルックのクセの強さは健在でかつ『フランケンウィニー』×10みたいな話だけど、今作は製作・脚本・出演の>>続きを読む

ジェイコブと海の怪物(2022年製作の映画)

2.0

今年度アカデミー長編アニメ賞ノミネート作品。海や波、布のはためきなどCG表現はとても良いものの、話の作りはかなりダメだと思った。戦争や対立に関して深い思想のものが観られると期待した自分も悪いけど、単に>>続きを読む

#マンホール(2023年製作の映画)

3.5

これも面白い!恋愛映画や青春映画の傑作はあれど、「邦画で」「原作の無い」「小品ジャンル映画が」「ちゃんと面白い」こと自体稀な気がするのでそれだけで嬉しい!うっかりネタバレを踏んでしまう前に観て...!>>続きを読む

FALL/フォール(2022年製作の映画)

4.0

バカと煙は高い所が好きで賞オブザイヤー。軽率人間モンドセレクション金賞。有象無象のソリッドシチュエーションスリラー群の中に埋もれていくのは勿体無い!めっちゃ面白かった!おすすめ!

結婚相手の死から立
>>続きを読む

フリーソロ(2018年製作の映画)

4.0

【フリーソロ・クライミング】命綱や安全装置を一切使用せず、自らの手足だけで岩壁を登るクライミングスタイル。今作ではフリーソロ界の若きスーパースター アレックス・オノルドが、約975m、数多の難所が立ち>>続きを読む

ムーラン・ルージュ(2001年製作の映画)

3.0

昨年鑑賞。自分にとってこれが初バズ・ラーマン作品。確かにこれは個性全開なので賛否も好き嫌いもばっくり分かれて当然だと思った。メインプロットに取り立てて語るものは無いけど、装飾が派手すぎて語らざるを得な>>続きを読む

バビロン(2021年製作の映画)

4.5

大傑作!今年の映画館初めがこの作品で良かった!映画「愛」ともまた違う、愛も憎しみも意地も何もかも凝縮した叫びのような映画。チャゼルが撮るには早い、は正直余計なお世話。劇場で目撃するべき映画だ。

自分
>>続きを読む

ヒッチハイカーKAI:手斧のヒーロー、その光と影(2023年製作の映画)

3.0

劇中で某人が述べた「英雄視するならその人物を深掘りすべき」が全てだと思う。この時代の「素人」との距離感、周囲が無関係/無責任に他者の評価を上げることの危険性を描いたドキュメンタリーの佳作。

カイの異
>>続きを読む

トイ・ストーリー4(2019年製作の映画)

4.5

一作目から携わっているアンドリュー・スタントンは3の製作段階で既に今作の構想を練っていた。否定派の意見も分かるけど、自分は絶賛する。
TVで放送されればTwitterが荒れ、これを作った人間は最低だの
>>続きを読む

インクレディブル・ファミリー(2018年製作の映画)

4.0

自分は前作の良い意味で直線的なストーリーが好きだった人間なので、今作は劇場鑑賞時には「単線的ストーリー×2の同時並行」構成にそこまでハマれなかった。が、その後再見を重ねる度に自分の中で評価が上がり続け>>続きを読む

リメンバー・ミー(2017年製作の映画)

4.0

興行面も批評面も大成功し、多くの人が今作でピクサーの完全復活を意識したと思う。前作『カーズ/クロスロード』から一変、より分かりやすく全年齢対象に間口を広げた、親子三世代全員に通じる・全員が感動できる優>>続きを読む

カーズ/クロスロード(2017年製作の映画)

3.5

『カーズ』とは表裏一体の作品なので、一作目を観た人は全員観るべき。『ベスト・キッド』風味を出しつつも『グラン・トリノ』であり『トップガン マーヴェリック』だ。ピクサーが3作以上作ったシリーズ『トイ・ス>>続きを読む

ファインディング・ドリー(2016年製作の映画)

3.0

『ファインディング・ニモ』から13年ぶりの新作。メタファーの域を越えた露骨な問題提起を孕んだ良質エンタメなのだけど、初めて劇場で観た時から強烈な違和感が拭えず、ある部分でnot for meの作品だっ>>続きを読む

アーロと少年(2015年製作の映画)

2.5

脚本が難航し監督降板と1年以上の公開延期を余儀なくされた難産映画だったことはファンの間では有名な話。今作は、そんな気の遠くなる逡巡とトライ&エラーの果てにアイデアの原液が濾されまくり、物語の軸の部分と>>続きを読む

インサイド・ヘッド(2015年製作の映画)

3.0

天才ピート・ドクターが爆発した結果、94分に詰め込んでいい訳のない情報量を詰め込んでしまったのに観客を感動の渦に巻き込むスゴ技をやってのけた、ピクサーの中でも随一の難解かつ独創的な作品。当時「ピクサー>>続きを読む

モンスターズ・ユニバーシティ(2013年製作の映画)

3.5

『モンスターズ・インク』の前日譚。若々しいキャラクターたち、みんなと打ち解けるためにカップケーキを焼いてくるほど健気で内気なランドールたんに萌えるべし。『トイ・ストーリー3』に引き続き画面の色彩設計が>>続きを読む