ベビーパウダー山崎さんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

地獄のヒーロー2(1985年製作の映画)

2.5

いつの間にアマプラに吹き替えで入っていたのでダラダラ見ていた。ネズミ入りの袋を顔に被せられても不屈なチャック・ノリス。ノリスを眺めていても、元気は出ない。スタローンやシュワちゃん映画みたいに、よし、行>>続きを読む

ラスト・ダイビング(1992年製作の映画)

3.5

自殺したいときに見たい映画でもないし、生への執着、生きる悦びみたいのも特になくて、ただ、その出来事が通り過ぎていく。キチガイのヘルダーリンの言葉が流れてバッハが聞こえてくる。ひまわり畑に波の音、そして>>続きを読む

黒の凶器(1964年製作の映画)

2.5

路地に男女を立たせて引きで決めて撮ったり、車内を後部座席から手持ちキャメラで撮るくだりにごきげんなジャズを流したり、おそらくゴダールの影響は大。物語は、右にも左にも揺れてよく分からない。産業スパイの田>>続きを読む

セクシー・ヘブン(2002年製作の映画)

2.5

向こうの国でも、誰も見ていないようなこんな映画、どこから発掘してくるのかU-NEXT。エロありきの作品は有名無名関係なしに、それなりに配信が回るとでも思っていそう(まあ、実際その通りなんだろうけど)。>>続きを読む

黒の報告書(1963年製作の映画)

3.5

死体を様々な角度から映し、殺人現場を上空から見下ろすショットでタイトル。抜群に格好良い。一本調子と言うか、遊びが出来ない宇津井健を、曲者の役者たちが手を替え品を替え、なぶり殺しにしていくのが最高。若さ>>続きを読む

ザ・キラー(2023年製作の映画)

3.5

殺人鬼の映画とかドラマばっかり撮ってるから、そちら側からも物語(人生)を描きたくなるのはよく分かる。人殺しは知的であって欲しいという、表現者の勝手な願望。あるよね。自分語りと哲学美学、コーマック・マッ>>続きを読む

イコライザー THE FINAL(2023年製作の映画)

3.5

アントワーン・フークアこそアメリカ映画の数少ない良心だと、俺と松田聖子だけは信じているので、今作もモチロン外れ無し。前から書いているが、トニー・スコット的な娯楽映画を撮れるのはフークアしかいない。今作>>続きを読む

制服私刑(リンチ) ねじり込め!(1991年製作の映画)

3.5

強烈な画で惹きつけながら、見る者の想像を刺激していく60分。アブノーマルな台詞と暴力的な眼差しは時代を感じさせない(世界が古びない)。ゲリラ撮影と箱庭的な演劇チックな世界。「鏡」に「テレビ画面の砂嵐」>>続きを読む

黒の駐車場(1963年製作の映画)

2.5

サスペンスではあるが、これは下請け工場の奮闘ドラマ。ギリギリまで追い込まれてからの一泡吹かせた感ふくめて、なんだか「日曜劇場(TBS)」を見ている気持ちに。
警察ガン無視(まったく出てこない)して、ひ
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猟銃(1961年製作の映画)

3.0

うぶな少女からすれっからしの女へとあっという間に変化する岡田茉莉子がやはり良い。表と裏、どちらも演じきれる巧みな役者。
悪人になれない善人というより弱い四人が、決意と問題を先送りしてきた挙げ句の死、絶
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ルール2(2000年製作の映画)

2.5

向こうの国の映画好きが「続編の方が楽しめる」と言うので、配信ないからわざわざDVDを買ってまで見たが、しょうもなかった。映画学校の生徒たちが殺されていく。都市伝説縛りも特になく、たんなる殺人鬼の犯人探>>続きを読む

スライ:スタローンの物語(2023年製作の映画)

3.0

『ロッキー』も『ランボー』もスタローンの分身。溜め込んだ鬱積はリアルで、そのゴタゴタが「希望」として描かれるのが映画。現実では叶わなかった「愛される」役柄をもう一人の自分にどっぷり投影させている。よう>>続きを読む

BODYSONG(2003年製作の映画)

2.0

「出産」「戦争」「セックス」「虐殺」などのテーマに合わせて、そのつど引っ張り出してきた古今東西、世界中の記録映像を軽薄に手際よくコラージュしたような流れ。原爆からサイゴンでの処刑に繋げる的な。その映像>>続きを読む

血と海(1965年製作の映画)

3.0

血が濃い親から生まれた姉は知恵遅れで、妹の和泉雅子は異様なほど快活で、貧乏と欲望しかない田舎の漁村。夜這い、祈祷師、海女、近親相姦。設定はキム・ギヨンのようだが、その暗い「しきたり」も笑って吹き飛ばそ>>続きを読む

M3GAN/ミーガン(2023年製作の映画)

3.0

人形残虐ホラーと言うより、家族に紛れ込んだ他人が、家族内ヒエラルキーを支配していく系の映画。気が利くベビーシッターが母親の役割を奪っていく、まあ定番な設定。続編あるならば、人形が夫を誘惑する『ゆりかご>>続きを読む

エクスタシーの涙 恥淫(1995年製作の映画)

3.0

切り取られた60枚の画。その試みをジェイムズ・ベニングの「映画」と繋げたくなる。「現場」とドラマが筒抜けになっている構造、ピンク映画のエロスからしか見えない(映せない)景色。どことなく漂う退廃>>続きを読む

ジャネット(2017年製作の映画)

1.5

神がどうのこうのとクソガキがドヤ顔で歌って踊って。映画の外側では実際に血を流して連日死んでるわけでさ、遠く離れた画面の内側でインテリが宗教だとか戦争だとか死とかを弄ぶくだらなさ。それをまた紙の上で能書>>続きを読む

黒の天使 Vol.1(1998年製作の映画)

3.0

空港でのエスカレーターと銃撃戦前のエスカレーターがベスト。ハードボイルドな劇画(漫画)を、そのまま映像化したような作品。それが成功しているか失敗しているかは人それぞれだが、こういった試みで日本映画にチ>>続きを読む

エピデミック〜伝染病(1987年製作の映画)

3.0

字幕があってもなくても。配信で眺めてもビデオで見ても同じようなもの。何をだらだら話しているのかさっぱり分からないし、荒い画質に適当なキャメラ。ドキュメンタリー(出演者のリアル)を骨組みにして、物語(フ>>続きを読む

インキーパーズ(2011年製作の映画)

2.0

ボングラの男女が幽霊ホテルでドタバタしているなら、そこはその距離感で丸ごと解決して、じゃれ合っていて欲しかったというか、わざわざ寂しい結末にするなら、ホラーコメディなんだろと、こちらが大目に見てきた安>>続きを読む

ドミノ(2023年製作の映画)

2.5

間抜け面のベン・アフレックには丁度よい空っぽの映画。『キュア』のパクリと思わせつつ、『世にも奇妙な物語』(ジュディ・オング主演の『女優』みたいな)の流れになる変な(けど、ありきたりな)展開。
こういう
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エレメント・オブ・クライム(1984年製作の映画)

2.5

ラース・フォン・トリアーは動く紙芝居みたいなものだから、映画的興奮は少ない。失った記憶の迷宮を彷徨う刑事、こちらは端から理解できない(理解させようともしていない)世界をただダラっと眺めているだけ。映像>>続きを読む

マーダーヴィル サンタを殺したのは誰だ?(2022年製作の映画)

2.5

まだオッサンたちこんな笑いやってのんかよって感じで、ひとり舐めた態度の(でも、それなりに楽しそうにしている)ピート・デヴィッドソンが最高。これからのアメリカ映画(喜劇)はデヴィッドソンを中心に進んでほ>>続きを読む

ジャズ・シンガー(1980年製作の映画)

3.0

いきなりブラックフェイスで登場するニール・ダイアモンドに度肝抜かれる。それ、今の時代一番許されないやつや。80年代のフライシャー、当時の大衆からは、すでに古びた作家と思われていたのではないか。またダイ>>続きを読む

サイコ・ゴアマン(2020年製作の映画)

3.0

もう、こういうトロマ的な残虐ゴアコメディはどうでもいいと思っているけど、暗い日常の合間に、ふと見たら見たで結構笑っちゃったな…。少し前の日本のギャグ漫画っぽい懐かしさがあった。ダメオヤジが良かったよ。>>続きを読む

パラダイム(1987年製作の映画)

3.5

U-NEXTで終わる前に一応見ておいたけど(自分の映画日記で確認したら2016-10/27以来ぶり)、何度向き合ってもサタンの復活を阻止しにきたのか、それとも手伝いにきたのか、もしくは絶望を確認しにき>>続きを読む

黒の挑戦者(1964年製作の映画)

2.5

薄々気がついていたが、黒シリーズってなんの関連性も繋がりもない。社会の暗部をえぐるという強い志があるわけでもなく、犯罪を扱った作品に「黒」のタイトルを適当に付けているだけだと思う。
今回は探偵もの。探
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ハード・ターゲット(1993年製作の映画)

3.0

久々に見直すと、好きなように暴れているジョン・ウーに、律儀に付き合っているジャン=クロード・バンダムやランス・ヘンリクセンが偉いというか優しい。
バレットタイムなスローに壁越しの一対一、鳩、2丁拳銃。
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マディのおしごと 恋の手ほどき始めます(2023年製作の映画)

3.5

思ったりより全然良かった。すでに絶滅したセックスコメディの今更感はあるけど、本筋はトラウマから時が止まっていた二人が、己と見つめ合い、もう一度(人生を)やり直すまで。殻を破るのは童貞の少年だけではなく>>続きを読む

ダムネーション 天罰(1988年製作の映画)

2.5

意味ありげで観念的なセリフと、どん詰まりの精神状態を反映しているような画。それは独創的な表現を模索する誠実さではなく、独裁的で窮屈な表現。所詮はゲスなドラマなくせに、絵画的に決めた白黒で「芸術ですから>>続きを読む

夜叉ヶ池 4Kデジタルリマスター版(1979年製作の映画)

2.0

坂東玉三郎が美しい米良にしか見えなかった。そもそも篠田正浩は映画的な知性が圧倒的に欠けていると思う。市川崑のトンデモ大作より真面目に(思い入れたっぷりに)作っていそうで、それがまたキツい。

黒の札束(1963年製作の映画)

2.5

ちっぽけな小市民の川崎敬三。どう見ても大それた悪事(犯罪)が成功しそうにない、その疑心暗鬼な佇まい。偽札に関わる仲間が強面の高松英郎やチンピラ風情の杉田康など信頼できるはずがないメンツ。
ありふれた男
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The house of the devil(原題)(2009年製作の映画)

3.0

一番良いのは間抜けな面したグレタ・ガーウィグが車内で撃ち殺されるくだり。ハッタリでしかないホラーな演出より銃やナイフを使ったアクション(暴力)のほうが驚きもあるし、強く撮れている。低予算でこれだけ雰囲>>続きを読む

フィンチ(2021年製作の映画)

2.5

世紀末にトム・ハンクスとロボットと犬のみ。またこれもトム・ハンクスの一人芝居映画。一人分のギャラで120分。安上がりな役者。
『ザ・ロード』のような荒れ果てた世界なんだろうけど、描かれるのはヒューマニ
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黒の死球(1963年製作の映画)

2.5

単なるスカウトマンが殺人事件の犯人探し。宇津井健、筋の通った真っ直ぐな人と言うより自分なりの正義心から平気で他人の家まで押しかけてくるガサツなタイプで好きになれない。聞かれてないことまで何でも話してし>>続きを読む

黒の商標(トレードマーク)(1963年製作の映画)

2.5

弓削太郎を増村と比べること自体バカげているが、高松英郎の使い方など見ると、もうなんか本気で見ている俺が悪いのかって気持ちにもなる。監督によって素晴らしい役者も薄っぺらなキャラクターを演じるだけのつまら>>続きを読む