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デューン 砂の惑星PART2のtkのネタバレレビュー・内容・結末

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

ドゥニ版、前作視聴済み。
今回はどんなもんかと恐る恐る4DX。
オープニングはなかなかいい。
ビジュも良さげ、敵も魅力的で若干期待。
観る楽しさは劇場だからか、前作より上。
ストーリーは大方理解。
ただ、この3時間、永い。
外連味や魅せカット的うま味を削ぎ落とした演出で、今回も蚊帳の外。
画面の外からお見送り映画。
監督の持ち味か、主人公の目標地点(何のために何をしに行くのか)が明確じゃなく、常に(地理的にも)今どこ状態。
変な編集の繋ぎも相まって、またもや入りずらい。
アート系かといえば、そうでもないのは敢えてか。
キメのカットがあまりなく、映像のおあずけ感は陳腐ですらある。
フェイドロサ。
ナイフペロ&捕虜いじめ、カッコ悪い。
「ブレードランナー2049」のジャレッド・レトの方がフェチ描写が多くて好きな変態キャラだった。
全体的に毒気とかクセがなく淡白過ぎて、ティモシーのご尊顔の美しさだけでは心酔するに足らず。
主人公が全く失敗する素振りがなく、ハラハラ感や成長が見えないせいだと思う。
もっと魅せてくれよ、俺はチャニかよ。
周りの絶賛がよりそう思わせる。
一見派手な映像、爆音BGMなんだけど、イマイチ心に響かない。
魂が感じられない、大仰な割に薄味で退屈な味付け。
逆にそこさえ変われば、劇的に変わる気がする。
砂虫がでかい割に、背景が同じ色味でスピード感を得にくいとか、乗ってても襲われてもハラハラできない動きとか。
ドジョウすくいおばさんの水中締めは数少ない印象的なシーンで面白い。
それにしても、ここまで錚々たる顔ぶれが揃っていて、こんなに地味だとは。
観たそばから印象が薄れる大作映画も珍しい。
音楽もデカ過ぎるせいで効果的じゃない。
ゼンデイヤが魅力的じゃなくて辛い。
スパイダーマンとかグレイテスト・ショーマンの彼女は好きなのに。
フェイドロサに勝てたのも、気合だったのかという程のよく分からんぬるっとした決着。
主人公の勝つべき(精神的な)根拠とか戦術とかが無く、刺されたけど刺し返して勝ちという稚拙さ(に見える)。
主人公補正以外の、勝つべくして勝ったという正当性がほしい。
踵で一喝して跪かせるとこは良かった。
でも威厳なさすぎ、お爺帝。
アートなら画角や色味やカット、演出はもっと極める余地があるし、エンタメなら上手く設定を汲み取らせたり、もっと気持ちよくさせくれよという振り切れなさが未だにもどかしいデュニ2。
今作がそこまで評価が高い理由が分からず、純粋に楽しめなくてぐや“じい”。
設定とか細かい部分を知るにつけ、潜在能力を秘めた原作なんだろうとは思う。
あと核を(フィクションとはいえ)そんな簡単にぶっ放すなよ。
これだから洋画は...。
西洋の人たちって核を撃ったあとの影響とか理解してんのかなとかグダグダ思ってしまった。
そうでなければミサイルでいい訳で、核と明言する意味を求めてしまう面倒な日本人だ。
重ね重ね、ホドロフスキーなら...。
可能性が見えてただけに、あの設定画にはワクワクせずにはいられない。
リンチ版も観て、ドラマ版も観て、
そして原作も読むしかないか...。くぅぅ。
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