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ラーゲリより愛を込めてのmeikoのネタバレレビュー・内容・結末

ラーゲリより愛を込めて(2022年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

ずっと見たかったけど見れてなかった作品、ザ戦争の銃撃戦より何より、戦争が人間性を壊し得るものだということが伝わった。廃人だった原さんが野球で感情を取り戻すシーンが印象的。犬のクロとか、文字を覚えて俳句を作る喜びとか。

以前シベリア抑留の展示を取材したとき、学芸員さんが「極限状態のなかで何が彼らを支えたのか、生きさせたのか、その一つは創作活動でした」と言ってたのがずっと残っていて、そのことを改めて感じた。
食べ物や何かじゃないんやって。

希望がないと人は死んでしまう、卑怯者でいたら心がしんでしまう、生きるというのは、ただ生きていることじゃない、と悟った松田さん、
俺は何もなくても生きてるぞ、と山本さんに呼びかけた相澤さんのシーンもよかった。

モジミさんが待ち続けただけじゃなく、ソ連にかけあって遺品まで取り返したその気持ちの強さも描いてほしかった。
この記事を読んだ時、息子さんにあてた言葉にも泣いてしまった。何度でも読みたい。

「長生きしておくれ」ソ連に残された遺書 長男はシベリアの墓で泣いた - 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20221212/k00/00m/040/071000c

映画自体は、実話ベースと言っても泣かせにかかってくる演出がやや気になったけど、このテーマでやってくれたことに御礼。
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