留々家

イニシェリン島の精霊の留々家のネタバレレビュー・内容・結末

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

 音楽で歴史に名を残したいというわりに、演奏に必要な指を切り落としてしまっては、偉大な音楽家になれないのではないかと思う。逆にいえば、音楽は彼の本当の動機ではなく、ほかに動機があるか、あるいは指を切り落とすこと自体が目的か、またあるいは目的を持てない憂さを自傷行為で晴らしているということになるのだろうか。
 どのキャラも魅力的だったが、『八つ墓村』の「濃茶の尼」を思わせる老婆が特に良かった。
 『スリービルボード』と比べると盛り上がらない。2階の窓から人を突き落としたり、警察署に火炎瓶を投げたりしていた『スリービルボード』の方がハデさに対し、こちら『イニシェリン島の精霊』も我々の日常基準ではハデなことは起こっているのだが、さほどではない。またテンポよくイベントが発生する『スリービルボード』に比べると、『イニシェリン島』はノンビリに感じる。
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