月並みな表現だけど、改めて映画撮るのうまいなぁと感心した。
たしかに被害を受けた日本側の視点はないけれども、オッペンハイマーが国民から喝采を浴びるのとは裏腹に彼の内側に燻る気持ちが原爆の爆破とその惨状の映像によって表象されるシーンによって、彼自身の道徳的観点からの苦悩が上手く表現されていた。
原爆の使途に関与できない立場にもかかわらず、生みの親としての責任を感じる姿と彼への世間の評価とのギャップの存在が興味深かった(トルーマンとの対談シーンがすごく印象的だった。)
個人的には、原爆の可能性発見から実験、投下までの話だけでも十分だと思ったけど、ソ連へのスパイ疑惑に関する話(終盤はほぼそれ)も盛り込むことで物語としての厚みが増して３時間でも飽きることがなかった。
