人類のプロメテウス。
第96回アカデミー賞最多7部門受賞。
「原爆の父」と呼ばれた物理学者/ロバート・オッペンハイマーの半生を描いた伝記ドラマ。
第二次世界大戦下、ナチス・ドイツによる核開発に焦りを感じたアメリカは、極秘プロジェクト「マンハッタン計画」を立ち上げる。
これに参加したオッペンハイマーは、優秀な科学者と共に原子爆弾の開発に成功。しかし、実戦で原爆が投下されたことを知り、苦悩の道を歩んでいく。
被爆国である日本にとって最もセンシティブなテーマであり、見る側に全てを委ねられた一作だ。
広島・長崎の直接的な原爆投下シーンはないものの、核実験の成功に喜ぶ科学者や、政府による原爆投下の正当性への言及など、一体どんな思いで見れば良いのか分からなかった。
展開のテンポが速く、時系列に進まない部分がノーラン監督らしい。
どんなに偉大でも、オッペンハイマーの作り上げた世界は終わらせるべき。