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この夏の先にはのnebuliepassのレビュー・感想・評価

この夏の先には(2021年製作の映画)
4.4
人間関係に傷ついたふたりが、ある嘘によって互いを救う物語。
美しい映像と、どうにもならない夏という季節。家族、目の前の受験、学校という場所。なんとも言えない苦しさとか息苦しさが伝わってくる作品だった。
ふたりの演技も、言葉にしづらい感情を動きや表情、視線で表現していて本当に素晴らしかった。
男らしくありなさいとか、優等生らしくとか、針のように刺さって痛いことば。初めはなぜ泣いたのか分からなかったけど、最後に納得。Siriに好みに合わせた音楽を流すと言われたあと、Something Just Like Thisが流れて個人的にバンドが好きなので嬉しかったが、後に恋人の好きな曲だと分かってめちゃくちゃ苦しかった…。相手にこんなにも影響を受けているのに、その相手と二度と会えないし話せないのがどれだけ辛いか。
好きなら良かったのに、という言葉もこれ以上酷なものは無い。
最後は互いが前を向いて進めるような終わり方でよかった。
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