すずき

ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービーのすずきのレビュー・感想・評価

3.9
ブルックリンで配管修理業を営む、イタリア系兄弟、スーパーマリオブラザーズ。
パルクールが得意でガッツのある兄マリオと、気弱でいつも兄に頼りっぱなしの弟ルイージ。
2人は会社を辞めて独立した事を家族や元同僚から反対され、ナメられっぱなし。
そんなある日、2人は街の地下深く、配管の行き着く先にある不思議な土管に吸い込まれる。
その先は異世界・キノコ王国。
ルイージは魔王クッパに捕まり、マリオは弟を助け出す為、プリンセスであるピーチ姫と共に打倒クッパの冒険に出る…

任天堂の人気ゲームのキャラクター、言わずと知れたマリオのアニメ映画。
制作はイルミネーションスタジオで、ビッグネーム同士のタッグ!
しかし劇場公開当時は、個人的にどうも食指が動かず。
大ヒット作はなんか見る気がなくなってしまうのは、(エセ)映画ファンあるあるかも…。
イルミネーションは小さな子供向け、という偏見を持っていた事もあるけど。

さて、そんな期待していなかった本作だけど、見ればやっぱり大ヒット作、普通に面白いっ!
歴代マリオ作品からちょっとずつネタを引っ張ってきたり、レトロ任天堂ゲームネタもイースターエッグ的に配置されたり、任天堂ゲームファンには嬉しい。
何せ歴史の長いキャラなので、使ってないネタはまだまだ沢山。続編も期待してます!

ゲームファンへの目配せ以外にも、映画としての作りがしっかりしていた所も良かった。
ストーリーがハリウッドエンタメ映画の文法に則って展開するので、ゲームファン以外の映画ファンでも楽しめると思う。
ブルックリンの負け組兄弟から始まり、ファンタジー異世界に転移し、そこで特訓や実戦を経て、心身共に負け組から脱却する王道展開。
昔の実写版のようなカルトな部分は薄くなり、多くの人が共感できる、最大公約数的な作品でした。

ただ、「マリオギャラクシー」に登場した星の子チコだけは、どうしてああなった!?
「死だけが救済」とファミリー向けアニメとは思えない発言を繰り返すサイコパスに性格が変更されており、そのインパクトに笑ってしまいました。
よく任天堂からOK出たな…。