えくそしす島

KAPPEI カッペイのえくそしす島のレビュー・感想・評価

KAPPEI カッペイ(2022年製作の映画)
3.0
【戦士たちのバラッド】

“1999年7月に人類が滅亡する“

その昔、ノストラダムスの大予言を筆頭に「終末期」ブームが到来した。当時を知っている方達には「本気で信じていた人」の1人や2人は思い当たるはず。

今作に現れるのは
その「終末」に翻弄された4人の戦士たち。

彼らの“身なり“から漂うヤバさ。
パッと見はユーティリティプレイヤー(万能型の変態)。よく見たとしても答えは変わらない。

絶海の孤島での壮絶な修行。
外の情報は一切遮断され、身の内から溢れる感情までをも邪だと抑制されてきた。彼らが命をかけてやってきた事はただ一つ。己の身体を極限まで鍛え上げて備える事。即ち

来るべき終末の世で
"人類を守る"

でも来ない。来なかったの。
そんな“剛の者"が、何の準備も、何の情報も、何の知識も、何の支えもないまま街に「放出」されたらどうなるのか。もし女子に遭遇したら。もし恋をしたら。そう

“ラブコメだった"

個人的に苦手なジャンルという痛恨のミス。
原作を知らなかったので勝手に変態風アクションだと思っていたら変態風ラブコメ。危うく新たな性癖が開くところだった。

「終末の戦士」
と、聞くと昔を思い出す。

高校時代、複数あった“溜まり場“の一つが友人の部屋だった。と言っても家の中ではなくて、隔離されるかのように敷地内に建っていた小さな“プレハブ"が彼の部屋だった。

家の人からの目を気にせず鍵も常に開いている、という「誰でもウォルカムな部屋」。高校の友だちだけではなく、地元の友だち等々も出入りしていたので知らない人ともよくバッティングしたものだ。

あの日もそうだった

私はマンガを読む為にいつも通りプレハブのドアを開けた。そこには上半身が裸の男がいた。

知らない人だった

(ああ、開けなきゃ良かった)
思考が迷走したまま咄嗟に口から出た言葉は「何してんの⤴︎⤴︎⤴︎」という、上擦った声。実は何をしているかは一瞬で把握していた。

「かめはめ波」

出し切ったポーズでの遭遇。彼は体が汗で光り輝くほどに気を放出していた。

肉体美の男
「………」

えくそしす島
「あーなんか出そうだもんね⤴︎⤴︎⤴︎」

同時に私の視界に入るドラゴンボールのコミック。ホントやめて。神の悪戯やめて。

私は知っている。
5人目の名もなき戦士を。