RYUYA

WOLF ウルフのRYUYAのレビュー・感想・評価

WOLF ウルフ(2021年製作の映画)
3.5
たとえば、自分は人間として生まれたけど、自認する種族が狼だったり、犬や猫、鳥であったりと、自己と種が合致しない状態。それを「種同一性障がい」と言うらしい。今作はそのギャップに苦しむ少年少女が収監される精神病院を舞台にした作品。「なるほど、そういう設定でくるか」とか「ロブスターみたいなやつね」と観ていたが、後で一応検索かけたら、衝撃。実際にある障がいだったんすね。自省の念がズシンときました。『ロブスター』じゃなくて『カッコーの巣の上で』だったんだ...。

物語自体はあまり波もなく、暗い人がもっと暗くなりたい時に見る系のアレだったけど、わたくし激推し俳優ジョージ・マッケイと七光じゃなく自分で光るリリー=ローズ・デップの共演だけで見応えあったし、撮影がめっちゃ素晴らしかった。収容施設のモダン建築の美と、暴れ回る若者たちの対比が絶妙。遠吠えのシーン、すげぇ良かった。
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