マルケス

帰らない日曜日のマルケスのレビュー・感想・評価

帰らない日曜日(2021年製作の映画)
3.5
個人的な理由もあり、とても好きな作品だった。孤児院に捨てられたジェーンの愛と生き方に纏わる物語。原作はカズオ・イシグロ氏も絶賛したという小説。映画も文学性が色濃く漂う。
3つの時代を行き来するが、シーンの組み立てが緻密。104分という時間の中に、驚くほど深く美しいドラマが潜んでいる。

1924年の英国。大戦で多くの若者が命を落とし、愛する人を亡くした人達は大きな喪失感を抱えて生きている。
埋めようのない喪失もあれば、喪失から生みだされるものもある。ジェーンが作家になった3つ目のきっかけは、かって愛した人の存在だろうか。

印象的なセリフを挙げるなら、やはりニヴン夫人がジェーンに掛けた言葉だ。
「生まれた時にすべてを奪われ失うものがない。それは強みよ、武器にしなさい。あなたは幸せな子」と。

気になった事。ポールの死は事故だろうか?
マルケス

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