健一

パワー・オブ・ザ・ドッグの健一のレビュー・感想・評価

パワー・オブ・ザ・ドッグ(2021年製作の映画)
4.3
Netflix作品の限定劇場公開。
この作品はどうしても劇場で観たかった。
ありがとう😊。

ジェーン・カンピオン監督の最新作。
いやぁ〜。嬉しい😃!
この人もう引退したのかと思ってました。
20世紀を代表するあの名作「ピアノ・レッスン」を世に送り出した 女性監督の第一人者 と言っても過言ではない名監督です。
2009年の「ブライトスター」以来なんと12年ぶりの監督作だそうで。
正直、「ピアノ・レッスン」以降の作品は『?』な作品ばかりでしたので 本作も見る前は 期待と不安 が入り乱れまくりでしたが、やはり足を運ばない訳にはいかないんです😅。

想像以上に素晴らしい作品でした。
恐らくジェーン・カンピオンが 男性を主役 にした作品を撮るのは初めてではないでしょうか?多分😅。
ジャンルは一応『西部劇』になるんですかね?
野蛮な牧場主、真面目な彼の弟、宿を営む未亡人とその か細い息子 の物語。
ネタバレしたくないのであまり書けないですが、本作も出来れば『前情報なし』で鑑賞して欲しいです。
この4人の感覚を『観る』というより『感じて』ほしいと切に願う。

仕事への情熱、男兄弟の関係、《隣》への嫉妬、奇妙な信頼関係、そして・・・
『母さんは僕が守る』の意味。
ジェーン・カンピオン監督完全復活です!
この繊細さ、マイッタ。

本作で野蛮な牧場主を演じたベネディクト・カンバーバッチはそこそこ頑張っていたが、どうもこの人には『インテリ』というイメージがつき過ぎていて 野蛮な男を演じるにはちょっと無理を感じる。
弟を演じたジェシー・プレモンスと宿屋の未亡人を演じたキルスティン・ダンストは実際でも夫婦なので、この繊細な役柄も違和感なくナチュラルに演じていてまさにベストキャストでした。

1925年のモンタナ州の大自然、牧場を見事に再現した風景。それをとらえる素晴らしいカメラワーク。
そして待ち受ける衝撃のラスト・・・
劇中に流れるスコアだけが やや違和感があり そこだけが唯一残念でしたが、これは絶対に映画館で堪能するべき作品。
資金面や製作サイドで色々あるかとは思いますが なぜこんな素晴らしい作品がストリーミング作品なの?
ジェーン・カンピオンだって絶対この作品は映画館で見てほしいと思っているはず!

是非 映画館で彼女の復活作を堪能して欲しい。


2021年 11月22日 9:50〜
シネ・リーブル池袋 screen 1
💺180席
客入り 40人前後。

平日月曜朝一。
天気予報は大雨(でも降ってなかった😅)
それで40人前後の客入りなら健闘している方だと思う。
もっとガラガラだと思っていた。
Netflix作品の劇場公開。今後もどんどん公開してください。
健一

健一