健一

異人たちの健一のレビュー・感想・評価

異人たち(2023年製作の映画)
3.5
.........との夏。



まぁ、『夏』ってほどではなかったかな?😅


日本映画の「異人たちとの夏」に深く感銘を受けたのでかなり期待していた本作。
しかも監督は あの傑作「さざなみ」を40代前半の頃に撮った若き才人アンドリュー・ヘイ。

原作は昨年11月に惜しくもこの世を去った山田太一の同名タイトル。
日本版の映画は観たけど原作を読んでないので なんとも言えないのだが、本作はリブート?、リメイク?、再映画化?。
「異人たちとの夏」というよりむしろ「フィールド・オブ・ドリームス」のような感覚に近いような・・・


さて本作。 ネタバレあり。


『超』が付くほど 孤独な男。
できたばっかりの高級そうなマンションに住んでて住民は自分を入れてまだ ふたり だけ。
ゲイ なので当然彼女はいない。
友達も・・・多分いなそうだ。
12歳の時に両親を交通事故で亡くしまさに天涯孤独。
もう、完璧な『孤独な男』のスチュエーションだ!
この設定も原作通り? 多分違うよね?😅

そんな折、もうひとりの唯一の住民が男の部屋に訪ねて来てふたりは ハイ!フォーリンラブ!😍❤️🫣。
心の隙間を埋め合う若き二人の青年。

何気なく部屋の片付けをしてると子供の頃住んでいた一軒家の写真をみつける。
導かれるように男はその家を訪ねると・・・

う〜〜〜ん。😖
これは『夢』なのか『妄想』なのか・・・
きっと、そんな事 突き詰めてはいけない作品なんだろうけどね。
決して差別しているワケではないので勘違いしないでほしいんですが、どうしてもこの『ゲイの孤独な男』に感情移入できない。
何故、突然両親は現れた?
息子の心の隙間を埋めるため?
埋めてくれるのは 両親ではなく新しくできたボーイフレンドなのに・・・
この再会は 何を 意味する。
きっと順風満帆で人生の成功者には こんな現象は訪れないのでしょうね?

「フィールド・オブ・ドリームス」は すんなり感動できたんだけど、なんだろ?
本作は何かが 引っかかる!
息子の前に現れた理由は何?
3人で過ごす その幸せな時間の尊さは分かるよ!
でもその時間が過ぎ去った後⏳
男の人生は大きく転換するのか?

日本映画の「異人たちとの夏」がなぜあんなに素晴らしい作品だったのか?
亡くなった両親との淡い再会も感動を呼ぶのだけれど、それ以上にあの空気感(ノスタルジック感)が最高にたまらなかったからなんだよね。
本作には それが無い。
イギリス映画だからしょうがないのだけれど。😞

結局、ハリーとかいうボーイフレンドも・・・
そーゆうことだったの?

もしかしてこれはマリファナによる幻覚症状だったのか? 
っていうオチ?

ノスタルジック感はほぼ『無』に近いが作品全体を醸し出している雰囲気は決して悪くない。
むしろ 好きなタイプの作品だ。

「ブロークバック・マウンテン」や「マイ・プライベート・アイダホ」のようなマイノリティを扱った作品を絶賛すると
『もしかして この人も・・・』
みたいな感じに思われてしまうのは正直とても怖い。
この感情も差別になってしまうのかな?
でも私の正直な意見なんです。

いい作品でしたよ!本作も。
ただ私は感情移入できなかっただけです。
今後も本作のような作品が増えてくるんでしょうね?きっと。

わたくし にとってとても『レビュー泣かせ』な作品でした。

山田太一さんは本作を観てから逝かれたのかな・・・



2024年 4月19日 8:20〜
TOHOシネマズ池袋screen 8
💺119席 ♿️2席
客入り 私を含め4人。 😞

「劇場版 名探偵コナン」の勢いがスザまじいですよね!
公開から週末3日間で興行収入33億円‼️😱
シネコンの全スクリーンがアニメで埋め尽くされる日が来るのでしょうか・・・
健一

健一