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シチリア!シチリア!のsonozyのレビュー・感想・評価

シチリア!シチリア!(2009年製作の映画)
4.0
邦題はなぜかシチリア!2回連呼してますが(笑)、原題『Baarìa(バーリア)』は、ジュゼッペ・トルナトーレ監督の生まれ故郷のシチリアの村(シチリア語表記)。
バーリアの村が舞台のトルナトーレの自伝的作品。
本作も音楽はエンニオ・モリコーネ。

トルナトーレの父親をモデルにしたという主人公ペッピーノ、その父チコ、ペッピーノと妻マンニーナの三男坊ピエトロという三世代に渡るトッレヌオヴァ家の物語。

コマ遊びをしているピエトロがオープニングとエンディングに出てくるというユニークな構造。

ファシスト党の制圧下、生活苦の村人たち。
チコはチーズ3つと引き換えにペッピーノを3ヵ月羊飼いの仕事に貸し出すほどの貧困一家。
ペッピーノはそこで"3つの巨岩"の伝説(面白い)を聞いたり、牛を引き連れて町中で、牛乳の絞り売りをしたり。

父の影響もあり、農園主に搾取される社会を何とかしようと若き共産党員になり、成人したペッピーノは、裁縫が得意な近所の娘マンニーナの虜になり、無一文&共産党員で反対されながらも何とか結ばれることになる。

一人目の子は死産となってしまうが、その後子供に恵まれ(最後は5人)、共産党員として家族を置いて各地を転々としながら、再びバーリアに戻る・・・

ペッピーノの三男坊ピエトロ(おそらく彼がトルナトーレ監督自身)は、祖母からマフィアへの恨みを聞いたり、レモン農園のおっちゃんの死を間近にしたり、父の影響で映画好きになったり、授業中教室の窓から見える工事現場でカップルの絡みを生徒みんな(先生も一緒)で眺めたり。※ここでモニカ・ベルッチ様、サービスショット的に登場!(笑)

1930年代〜1980年代までの激動の時代のシチリアを過ごした三世代の男と家族。
セルジオ・レオーネ監督の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』を思い出す、心に沁みる読後感でした。

ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞: ヤングダヴィッド賞
イタリア ゴールデングローブ賞: Best Director
ヴェネツィア国際映画祭: Pasinetti Award / Best Director
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