うめまつ

LAMB/ラムのうめまつのレビュー・感想・評価

LAMB/ラム(2021年製作の映画)
3.4
小さい頃触った羊の感触を思い出しながら見ていた。想像していたような白くふわふわの触感ではなく、薄汚れていてゴワゴワと固かった生きている羊の毛。全く知らない物語なのに、グリム童話の実写化を観ているような不思議な感覚があった。正直あのラスト含めて何を伝えたいのかわかってないけど(後から考察を読んでわずかに理解)、お父さんのビジュアルだけ急に作り物感が強いというか、ゲームのボスキャラ出てきたなって感じがして、ちょっとこの映画の質感には合ってないように感じた。

牧場を営んでいる夫婦の家が、あまりにも広大で厳しい自然の中にぽつんとあるので、世の中からの隔絶感が強い。空気が澄みすぎてるのかかなり遠くの山まで克明に映っていて、草と川がある月面みたいに見えた。そりゃこんな僻地に二人きりで住んでたらそんな精神状態にもなるよね。。と思わせるには充分なロケーションだった。羊達の演技も凄かった。カンヌの代わりに私がパルム・シープ賞を差し上げます。可愛いアダちゃんにもパルム・ラム賞をあげたいところだけど、基準がブレブレになるので断念。
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