西村権太郎

LAMB/ラムの西村権太郎のレビュー・感想・評価

LAMB/ラム(2021年製作の映画)
4.0
ダーティー・ダンシングを観ようとしてたのに有料だったから
二の足を踏んでいたこれを観る事にしました。
退屈かなと思っていたんです。
でも全然面白かったです。

ハリウッドの映画と違い、日本の映画にも良く有る、例の1カット1カットが長過ぎるヨーロピアンな造りでしたが、
全く退屈しませんでした。

景色の美しさも去る事乍ら、
僕は特に家屋インテリア家具事務用品服等をジロジロ見てはそのデザインの美しさにワクワクしていました。
ホント日本はダサいし汚い。

「ポツンと一軒家」とか、僕はちょっと観れないんですよね。
家が汚くて。水周りとか。
汚くてゾクゾクしちゃう。
それに比べて、やっぱり欧米は綺麗なんですよね。
田舎の暮らしも。
だから好きです。
レイキャビクに引っ越したい。
舞台はアイスランドって訳です。
サッカー中継で判明します。

ところで1箇所爆笑しました。
アダがモジモジ出て来た時、
叔父さんが動じてなさそうに驚愕していると
お父さんが
「人見知りなんだ。」ですって!ww
いやそこじゃない!ww
そうゆう問題じゃない!ww

僕はゲイなので、子供の頃から
地球上の何十億と居る男子と女子の、
その一個下の存在と感じていて
学校でも職場でも、皆と同じ能力だと
証明するのに
必死でしがみついて生きて来ました。
アダもそんな事を感じてしまっていたのではないでしょうか。
ただフォーカスはその辺りではなさそうでした。

雄大な自然なので、地球の成り立ちを感じさせられました。
海底がモッコリ盛り上がって陸や山になって。火山、フィヨルド。
そこに生物。羊、ワン吉、ニャン吉。
そして厳しい気候から身を守る家屋、食物、衣類、生業。
そこで雄と雌が交配、繁殖、生殖、セックス。

最初、夫がコッソリ獣姦したのかと思いましたw
ノオミ・ラパスが若干非難めいた表情も浮かべますし。
でどうやら違った様です。

↓↓↓
爆笑したと前述しましたが、これが「お化けの映画」だとカテゴライズする根拠として、
スーパーナチュラルな出来事だからと言う事も出来ますが、
今回改めて思ったのは
凄くリアルに描いておいて、
現実な振りして、
そこで凄く場違いなウケる出来事が起こる、みたいな特徴が有ると思います。
つまりユーモアです。

例えばエクソシストですが、
大真面目な振りして
お漏らししたり首が回ったりスパイダー・ウォーク、それと十字架ズボズボ。

ギャップですね。

それをテッドの世界でやっても
全然普通な訳です。
アダがテッドの世界に居ても
ヘイ、ガンジャ吸うかい?ぐらいです。
つまり普通。

そうゆう意味では、ホラーは
コメディーですよね。

楳図かずおの漫画で、確か「猫おばさん」ってゆうのが有ったと思います。
赤子が、オギャーと生まれて、「男の子?女の子?」と尋ねたら助産師が

「え、えーと。。
猫です…」
みたいなw
人からニャン吉がが産まれて来るとゆう。

◯◯教とか
◯◯神話に準えてあるらしいですが
最後のおじさんは完全にそれですよね。
人間が自然を侵し(犯し・冒し)、
山の神様が怒る的な風にも受け取れました。
貴様ら調子乗んなよ、みたいに。
ヒツジ殺してんなコラみたいに。

昔から山羊とか羊とかは
そうゆうモティーフにされがちですね。
なんでなんだろ

兎に角ユニークな作品で、
ちゃんと企画倒れになってなかったです。

そしてご飯がやたら美味しそうでした。
「愛 アムール」の老夫婦が食べるご飯も
美味しそうだったな…と思ったのを
思い出しました。
西村権太郎

西村権太郎