単純に罪と罰の話のように思えた。
「親から子を強奪した」罪に対して、方向性は違ったが死という罰が下っただけの話かなと。
親を殺して子どもを奪い去る行為はどう考えても極悪非道で、今回はそれを羊の親子としているため非常に寓話的。実際問題それは人間同士でも起こり得ることで、いかに残虐かをうまく表している。
羊人間の子も親羊の鳴き声が頭の中で響く限り、いつの日か主人公たちから離れる運命にあるはずだ。それが今回では唐突ではあるが大人の羊人間の来訪と襲撃によって成り立ったというだけ。(また、この事実は人間の親から奪ったという意味で羊人間の罪となり得るかもしれない)
羊飼いといえばキリストを思い浮かべたのだけど、個人的には聖書とは繋がりそうで繋がらなかった。
会話も少なく、人物の心理を読み取るのが難しい部類の映画ではあるが、思った以上に羊人間の子どもが可愛いので観ていられる。それにしても大人の事情で流されていく無垢な子どもを観るとこれまた辛いものがあった。
