Frapenta

ラスベガスをやっつけろのFrapentaのレビュー・感想・評価

ラスベガスをやっつけろ(1998年製作の映画)
4.0
ラスベガスでヤクをキメまくってハチャメチャやらかすトリップムービー。ハングオーバーはこの系譜を踏んでいるのではなかろうか。

バイクレースの取材が主な目的だったようだが、薬物依存症だけあって目的も責任感もトリップしていた模様。なんやかんやでなんとか収集ついて終わったらしい。

トリップムービーだけあって感じる映画ではあると思うが、背景としてベトナム戦争があったり、白人優位社会、男性優位社会が仄めかされていて、単なるバカをしたくて薬物依存に踏み込んだわけではなく、それなりの鬱屈があってこその依存なのだと思う。最初のモノローグにある「獣と化せば人間としての苦悩から逃れられる」を、今作の人物は薬物で行ったようだった。ラスベガスに行く際に薬物をバッグに詰め込むほどの何かがあるのは確かだ。
果たして彼らにとっての恐怖と嫌悪の旅はラスベガスで終わったのだろうか。また別の鬱屈が存在するならば、彼らはまたしても薬物に手を染めざるを得ないだろう。

キャストが色々好き。ジョニーデップの衣装は相変わらず奇抜。また、彼の奇怪な歩き方はかの有名なジャックスパロウに伝承されているだろう。

テリーギリアムは未来世紀ブラジルと12モンキーズしか観ていないが、今回はブラックユーモアな感じがブラジルっぽかった。12モンキーズを観たのはだいぶ前だが結構シリアスに思えたので、作風の変化なども今後注視していきたい。


音楽は布袋寅泰が関わっているようだった。こんなところに布袋がいるとは思わなかった。
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