私はGezanのファンで、あのち、狂はアナログでも持っている。
ここ数年、よくライブもフェスも行く自分が1〜2番に多くライブを見てるバンドである。
今回の映画の制作が発表された時、ある友人は、調子にのって映画なんか撮ってもつまらないに決まってるなんて言ってて、私はやってみなきゃわからないし、確かに不安はあるけど、そんな声が出てくるの当たり前の中で撮るんだから、面白いモノを作ってくれるんじゃないかと密かに期待をしていた。
上映が開始され、Filmarksの評判も悪く無さそうなので、よく一緒にGezanを見に行く別の友人と劇場へ。
結果びっくりするくらいつまらなかった。
Gezanの音楽、歌詞、ライブ、Million Wish Collectiveの表現などは完璧に支持する。
が、映画はそれとは全く違う。
音楽の中で訴えてくる言葉(歌詞)の部分は、リスナーそれぞれの生活に寄り添うようなストーリーもあり断片でも心に響く事で共感を感動を興奮を産むことができる。
がこの映画に関しては、行間を読ませたいのだろうが、その行間が圧倒的につまらなく説明不足。
本当に誰でも考えれそうなありがちなストーリー。出てくるキャラは全員感情で動くだけの一色で個性も見えない。
もう少し会話劇としての面白さでも出してくれればそれだけで魅力になるはずだが、何も工夫はされず、何をしたいかなんとなくわかるでしょって言われてるだけの時間。
監督自身は表現したいストーリーを理解してるが、観客目線での面白さが生まれないまま、色んなキャラをピックアップしたいのか、モノローグでどんどんみんなポエミーになっていく。
何も思い入れもないまま出てくる演者が勝手にポエミーになっていくのは、それこそ全く知らない他人のポエムを無理やり見せられてるようで興味もなくキツかった。すごい幼稚なモノを見せられてるような。
豪華な役者を使って学生が撮った、名シーン盛りだくさんにしたい映画って感じのあざとさが溢れてるように感じた。
ラストもそんな事をいちいち言うなよ、言葉にしないでもそう感じさせる作品を作ってくれよって、気持ちが離れてしまった。
幸せの定義は、映画怪物で語られてることが自分には突き刺さったので、この映画の定義は自分には刺さらなかった。
ただシンプルに彼らのライブを映画として上映する方が、Talking Headsのような圧倒的な面白さがあっただろう。
Gezanにはこれからも音楽でさらに行ける所まで突破して行って欲しいと心底思う。