このレビューはネタバレを含みます
原作読了した上で観賞した感想を一言で表すなら、
「がんばって2時間に収めたなぁ」
登場人物が多く、それぞれが事件や被害者と深い関係があり、それぞれの人生・物語があり、それぞれの感情と共に計画に加担していて、それら全てを丁寧にじっくり描ききっていたのが原作で、その上で展開が二転三転して真実に辿り着く物語が素晴らしかった。
この原作のボリュームを、たった2時間で描くのは不可能だと思う。削ぐところを削いで削いで、フォーカスするところを定めてなんとか2時間におさめた。そんな印象を受けた。
だから頑張ったなぁと思ったけども、その結果物語の深みや波がだいぶなくなってしまったなぁ、もったいないなぁ、と。
何時間かけても、前後編に分けてもよかったからじっくり原作に沿ったものを観たかったな。町の人たちが互いのために沈黙をする姿、増村が沈黙したのは誰のためだったのか、そう、特に増村の真実と物語はとてもとても大事なパズルのピースだったので観てみたかった。
もし、映画観て原作まだ読んでないんだよなって方いたら、原作是非読んでみてください。
頭の中でキャストさんたちの演技を再生しながら、あの時のあの感情、シーンとシーンの間に挟まれていた会話、表情、きっと泣く泣く削がれてしまったたくさんの真実と過去を、読んでみてください。
そして読了して本を閉じたときの自分の感情をじっくりと、感じてください。