このレビューはネタバレを含みます
昨日は暇だったのでお家に引きこもり、ダラダラと3本観た。そして最後の一本がブルーバイユー。
ディズニーランドのカリブの海賊から見えるブルーバイユーレストラン。あの雰囲気と、ブルーバイユーというお店の名前にやたら惹かれ、昔食事したことがある。
ブルーバイユーってなに?と今更思い、調べたら青い入り江のことだと。入り江というものも、見たことがあるのか無いのか分からないぐらいだが、とにかくブルーバイユーというタイトルが良いと思った。
さて映画。主人公の男性。韓国で母と別れ、3歳のときにアメリカで養子になった。当然英語しか話せないし、生まれ故郷になんの思い入れも無い。しかし見た目はアジア人。
差別に遭い、養父母にも可愛がられず、大変な人生を歩んできた主人公。離婚して一人娘がいる白人女性と恋に落ちた。女性と娘を心から大切に思っている。
彼女のお腹には赤ちゃんもいる。初めての自分の子どもだ。4人で幸せに、、、というときに、市民権が無いことがわかり、強制送還の危機に。
アメリカと言えば、「自由の国、民主主義の国、経済大国、多民族、キリスト教」など、きっと、人それぞれのイメージがたくさんありますわよね。
実際は生き辛さを抱える人がたくさんいるのだろうと思う。(勉強不足ですので正しいことはわかりません。)
そういった大きな大きな国が、市民権を与えられなかった外国人の養子に対してどうして理解を示さないのか。(これもよく分かってはいないが、トランプの移民政策は大変でしたわよね?)
移民問題も大変だが、この映画は養子の話し。2000年以前、なんと外国からの養子には市民権が与えられていなかったらしいのだ。
養父母は、2000年以降に改めて、養子に市民権を与える手続きをしなければいけなかったらしいのだ。
その手続きを、知らなかったのか面倒だったのか知らないが、行わなかったことにより、不法滞在になり、強制送還されている例がたくさんあるらしいのだ。
この主人公を演じた韓国系アメリカ人(有名らしい)が、この問題を知り、監督も脚本も務めている。
日本にいると、嫌韓だの、そういったことも耳に入ってくるが、アメリカを前にすると、わたしたち、やはり血は同じよ。顔も同じよ。この映画に出てくるベトナム人もね。
理不尽なことがたくさんあるのは理解しますわよ、同じアジア人だしね。
しかし、ただでさえ差別の対象なのだから、tattoo彫り師でもいいけど、せめて自分の体には彫らなければ良かったのではないか?とか、窃盗以外にもう少し将来を考える頭は無かったのか?など、あれこれ考えながら観てしまった。
し、しかし、最後、息切れしそうなほど泣かされた。
30年もアメリカで育って、アジアのことなんて知らないのに突然送還されたら、家も何も無く、どのように生きていくのか?
実際にある問題だ。アメリカの闇だ。日本でも移民問題は大変ですけれどもね。無関心ではいられない問題なのかもね。クルド人の映画もありましたけどね。
白人のお腹の大きな美しい妻(結婚はできませんよね?)が、アジア人のパーティーで「ブルーバイユー」という歌を歌う。それはそれは美しい。涙。