スワヒリ亭こゆう

ARGYLLE/アーガイルのスワヒリ亭こゆうのレビュー・感想・評価

ARGYLLE/アーガイル(2024年製作の映画)
4.0
マシュー・ボーン監督の最新作。ガイ・リッチーのプロデューサーだった彼はガイ・リッチー監督を凌ぐほどの人気監督になってきましたね。
ハズレが無くて観客の観たい映画とマシュー・ボーン監督の撮りたい映画に誤差が無いのが、この監督の凄い所だと思います。
本作も例に漏れず面白かった。
アップテンポの音楽でリズミカルな映像、早い描写、スローモーションはガイ・リッチーの得意技。それをマシュー・ボーン監督も使いこなしています。

今回もスパイ映画のストーリーです。
人気スパイ小説『ARGYLLE』を執筆しているエリー(ブライス・ダラス・ハワード=ロン・ハワードの娘さんなんですね😳)が主人公なんです。
うん?ヘンリー・カヴィルじゃないの?って思いましたが、彼が演じたのは小説の主人公アーガイルなんですね。この辺のギミックも面白いです。
エリーの書いた『ARGYLLE』が実際のスパイ組織の活動内容と酷似していて組織に狙われるというストーリー。
ちょっとウディ・アレンみたいです。
エリーの思考の中のアーガイルはヘンリー・カヴィルなのに対して、実際に彼女の前に現れるスパイはサム・ロックウェル。僕は大好きなんですけど、オッサン感は拭えない。スマートでマオカラーの似合うアーガイルとTシャツ鼻かみ親父のエイデン・ワイルド(サム・ロックウェル)の対比が楽しいです。ですが、そこにもギミックがあるのが観ていて楽しいし飽きさせませんね。
相手を倒してる時にヘンリー・カヴィルで、敵にやられてる時はサム・ロックウェルなのも面白いです。

本作は概ね面白くて、音楽に合わせてノリノリで楽しんだもの勝ちの映画なんです。
ただ、組織の構図がよく分からなかった。
『キングスマン』は英国の諜報機関というのは映画を観ていれば直ぐに分かります。
ですが、本作の組織の名前が出ていましたが覚えにくかった😅
で、結局ワイルドはCIAで良いのかな?
かなり分かりにくいです。
CIAだとしたら英国人と戦うのも不思議な構図ですよね🤔映画のテンポの良さで、そんな事に構ってられなくて一旦置いておこう。ってなるんですけど、改めてレビュー書いてると分かりにくいなぁと思います。
スパイ映画に国が絡んでこないと分かりにくいですね🤔マシュー・ボーンは敢えて国を出してないのかもしれませんけど。

あと終盤でカラフルな煙幕の中をダンスしながら戦うシーン。これは寒かったです。観ているこっちが顔赤くなるぐらい面白くなかった。『ミッションインポッシブル2』の時のカーチェイスランデブーぐらいスベってます。
結構、ツッコミどころ満載でした。
ストーリーの膨らませ方も難しい設定ですから、仕方ないのかもしれません。

ただサム・ロックウェルが段々とカッコよくなってくるのは僕個人的に盛り上がれる演出になってます。観て損はない映画ですけど、マシュー・ボーンなら、もっともっと!って期待しちゃいます。