さすらいの雑魚

流浪の月のさすらいの雑魚のレビュー・感想・評価

流浪の月(2022年製作の映画)
4.0
繁栄する太陽の帝国にあって陽の下を歩けぬ彼等がどうしょうもない寂しさのなかで見上げる月は日陰者を見守る優しい女王なのでしょう。
一瞬のしあわせを共にしたあの人もこの美しい月を見てるハズだと、かろうじて現世に我が身をつなぐ手掛かりだったのかもしれませんね。

松坂桃李と広瀬すずの主演コンビが美男美女のいわゆる若手主演級俳優から完全に脱皮。ヨゴレも厭わぬ堂々たる主演俳優を務めスクリーンから圧を感じさせるほどの仕上がり。

クズ男にダメ女を横浜流星と趣里がキリリっと熱演です。華やかに好き勝手に生きてるように見えた彼らもまた陽の下を歩けぬ人なのでしょう。
個人的にはグラウンドパンチを放つ横浜氏の下半身安定感が面白かった。極真最高ね🥰

そしてなにより広瀬すずの子供時代を演じたあの子役の娘の怪演!
李相日監督の手腕なのか天賦の才なのかは知らないが、凄えもの見せてもらった😱

絞り気味の暗めで緊張感漲る画作りは効果抜群で、シリアスな物語ともあいまって、いまどき珍しいほど格調高い映画となっています。
雨や水の表現が瑞々しくも麗しく、動画でこれが撮れるのかとカメラマンの絶技に圧倒されたですよ。上には上があるのだな😥

俺たちは今から良い映画を作るんだぞっ💪て断固たる決意を感じさせ、そしてみごとに命を燃やし傑作を撮りきった演者さんやスタッフさん達の魂の輝きに敬意を払い、たまには映画館に行くのもよくないか?と訴えたくなる作品でしたねぇ🤔