このレビューはネタバレを含みます
『ファーザー』に続き、フロリアン・ゼセール監督の“家族三部作”の二部作目。
ピーターは離婚した元妻から、同居する息子(ニコラス)の様子が最近おかしいと相談を受けてニコラスから『一緒にいたい』と懇願される...
観ていてとても辛かった...辛すぎる...
親が子にこうなってほしい・こう生きてほしい切望や願望と、子が親にこう思っていて欲しい・こういう思いを汲んで欲しい切望や願望のボタンのかけちがいが...苦し過ぎる...
『ぼくは、何かがおかしいみたい..』ニコラスの悲痛で、本人すらわからない“心からのSOS”信号は...本当に届かなかったのかな...見てみぬふりしていたのかな...観終わってからも...あれこれと考えてしまいました...
ずっと一緒にいる、側にいると幼い頃に約束した父が、自分と母を置いて、別なところで幸せにくらしている事実は...ニコラスにとっての“銃弾”であったのだろうね...
親に裏切られた苦しみなのか...退院後に家族でいた頃の幸せを久々に味わいながら、もう二度と叶わない現実を知ってなのか...今、幸せが満たされているうちになのか...ニコラスの本当の気持ちはわからない...どんなタラレバを考えても戻らない、苦しみと葛藤の中生きていくしかない家族を思うと...辛すぎる...
家族の思い出で海面がキラキラと光るほどに、深海はただただ深く暗い感じがしました...
心を抉られて...私はもう観返せない映画です。