のんのん

戦場のピアニストののんのんのレビュー・感想・評価

戦場のピアニスト(2002年製作の映画)
4.8
第二次世界大戦の映画の感想って難しいなー。やだなー。だって中学生?ぐらいから、日独伊日独伊って何も考えずに覚えさせられたのだもの。

気付いたときには軽いショックですわよね。えーーー、ナチスドイツとお仲間ですのん。

歴史は変わらないし、経験していないことは語れない。難しい。それなので、日本の立ち位置を無視しての感想。この映画、本当にあったお話し。

この映画は私にとって大切な映画になった。運動ばかりしていた息子が高校一年生のときに急にピアノを習い出し、たまたま素晴らしい先生でぐんぐんと上達した。

さて、この映画の、ショパン ノクターン20番 「遺作」題名通り、戦場でショパンを弾く。これは、胸が詰まる。

涙の種類にもいろいろあり、本当に胸が痛くなる映画がありますね。この映画はとにかく胸が痛い。重くて暗い涙しか出ない。

日本がどっち側か関係無い。ポーランド人の味方にしかなれない。この映画には命をかけて守ってくれるドイツ人も出てくる。

いったい戦争になったとき、自分はこのドイツ人のように動けるだろうか。動けるわけが無い。ビビってるだけだ、きっと。

この映画で感銘を受けた息子がピアノ初心者にして、ショパンのこの曲を弾きたいと!コンクールに出るわけでも無し、先生もいいわよ!とせっせと指導してくださった。

今の時代、YouTubeで有名ピアニストが弾くのも簡単に聴ける。息子はその中でフジコヘミングのノクターン20番を気に入った。

確かにそう言われると、フジコのノクターン、叙情的というかなんというか、なんとも悲しい。(素人なので本当のところはわからないけど)それを毎日毎日聴きながら、息子は感情移入していった。

そしてなんと、素敵なステージで発表会に出るまでになった。わたくしは、「戦場にいることをイメージして弾くように」なーんてことをアドバイスした。てへっ。

小さい頃から習っていないので、ピアノの技術は無いが、小さい子供には出せないような、情感たっぷりで弾くことができた。(いや、まだ高校生だったけれども。)感動したといろいろな方に言っていただいた。

そりゃそうよ、フジコと戦場のピアニストのおかげだものとほくそ笑んだ。

しっかしねぇ、この監督、どうなってますの。人生、混乱しそうですわねー。
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