風来坊

ギャング・オブ・アメリカの風来坊のレビュー・感想・評価

ギャング・オブ・アメリカ(2021年製作の映画)
3.0
本作にも登場するラッキー・ルチアーノは映画にも幾度となく題材にされている超有名なマフィアなので私でも知っていましたが、本作の主人公のマイヤー・ランスキーは全く知りませんでした。ルチアーノの重要なパートナーだったんですね。

何といってもハーヴェイ・カイテルさん。いやあお爺ちゃんになりましたね。一見は好々爺に見えて内に残酷さを秘めてる人物を見事に演じており流石に名優の貫禄を感じます。

物語は現代パートとランスキーが語る過去パートで構成されてますが、過去パートを観たいのに現代パートが少し余計に感じました。
記者の不倫に興味はないし不倫しておいて家族どうこうも説得力がないし、正直どうでもいいです…。

マフィアで生きた男の回想録なので殺しや拷問はあり暴力表現は顕著ですが、何故か迫力に欠けるというか…強烈なインパクトは感じませんでした。
経済に貢献したとか必要悪は分かりますが、なんか美談にしようとするところが好きになれなかったです。

分かっていながら結婚したクセに文句たらたらのランスキーの奥さん、武勇伝の如く語るランスキーなど、自伝だから人間臭さにリアル感はありましたが、魅力を感じない登場人物ばかりで萎えました…。

優男に見えて自分では手を汚さないが人を殺す事に躊躇などない残酷さを見せる若い頃のランスキーを演じたジョン・マガロさんの演技も良かった。
サム・ワーシントンさんは普通でした…。
評価が割りと高い作品ですが、個人的には若かりし頃と晩年のランスキーを演じた2人の存在感以外に光る物はなかったかなと思います。
風来坊

風来坊