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OSLO / オスロのcsgのレビュー・感想・評価

OSLO / オスロ(2021年製作の映画)
4.0
平和主義的な考えで命を賭けて闘う勢力を同じテーブルに座らせる話。2024年現在でも紛争が続いているなかでの視聴です。
作中、双方自国では緊迫した圧力とお互いに譲らない会議に対して主催者の行き当たりばったり感にはモヤモヤしました。
それでも最後の握手を交わすシーンを見て、30年前の事が鮮明に思い出されました。朝、目が覚めたら国際中継での記者会見、さほど詳しくもない学生の私ですらパレスチナのラビン首相とイスラエルのアラファート議長が同じ画面に映るなんて信じられない光景でした。ベルリンの壁が崩壊し、ソビエトが無くなった波が中東にも押し寄せたようにも思えました。それでも何かが変わる気がしたし、21世紀は明るくなるかもって期待を持ちながらオスロ合意の会見を観ていました。
とは言え欧米諸国のご都合主義、平時の考え方で命の尊さを押し付けても、大切な教えや自分達の土地など到底譲れるものではありません。特にこの歴史的背景、友好国の勢力、資金力による力の差があっても白黒付かないしグレーな解決もないでしょう。
オスロ合意までならハッピーエンド、でも現在も続く紛争を考えるとこの映画の評価はまだまだ先になります。
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