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クルーガー 絶滅危惧種のJIZEのレビュー・感想・評価

クルーガー 絶滅危惧種(2021年製作の映画)
3.5
アフリカのケニアのサバンナを舞台に見知らぬ土地で孤立した一家が野生の猛獣たちだけでなく密猟者たちにも囲まれながら生還を目指そうとする。序盤の子連れのサイが、ファミリーが乗車する車を猪突猛進で転倒させるくだりまではかなり良かった...またM・J・バセット監督の前回『ローグ(2021年)』に次ぎアフリカの大自然が今回もロケーションで、おもに自然保護や動物虐待、密猟者への警告などこれでもかと言うほど社会風刺の戒めが効いている。端的に"サバイバル映画の皮を被った啓蒙ネイチャー映画"に後半では化けてしまい、盛り上がる素材や舞台立てが十分なだけに残念に尽きてしまう。突飛なヒョウのくだりもスプラッタへの目配せがなされ、あれだけで以降の展開を構築してもらいたかった。。また密猟者の存在もエピローグの字幕で説明されるよう現実に根差した地続きの悪しき深刻な問題であり、バセット監督のこの映画に懸けた自然保護への思いは、十分に受け取れる。前回のローグと今回のクルーガーに次ぎ次作もアフリカ三部作として、今後もバセット監督の最新作には注視したい。
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