この"原点"は涙無しには観れない
公開当時話題になった本作。まさかこんなに早くサブスク解禁とは思わなかったので劇場で観れなかった勢にとっては助かります。
僕ら世代の『ゲゲゲの鬼太郎』は5期かな?その当時はかなりハマっていて、毎週のようにアニメを観ていました。なので鬼太郎がどこで誕生したのか、などの基本的な物語設定や人物関係は頭にありつつ、本作を鑑賞。
鬼太郎の父と水木のダブル主人公で展開される物語は予想の何億倍もダークでシリアス。『犬神家の一族』を彷彿とさせる血みどろの相続争い要素、『墓場鬼太郎』並みの不気味さ、「この村何かがおかしい系ホラー」が上手く混ざり合った素晴らしい作品。口コミで話題になったのも納得です。
何より優れているのは『ゲゲゲの鬼太郎』を知らなくても問題なく楽しめる点でしょう。とにかく一本の映像作品としての完成度が凄い。人間と妖怪の恐ろしさをふんだんに描きながらも最後は感動させてくる。「富と名声が全てだ」の価値観に「そんなのつまらない」と言葉の右ストレートを放つ水木がカッコ良すぎた。そして、なぜ原作の1話で鬼太郎の両親があのような姿だったのかが判明する貴重な一本。
本編もちょうどいい長さで、下手にギャグパートを入れることもなくしっかりと世界観を保ちながら鬼太郎誕生。まさか『ゲゲゲ』でここまで感動する日がくるとは。エンタメ作品にしては子供に見せれないほど酷くて暗すぎるけど、大満足の一本です。
たしか原作だと水木は不遇すぎる扱い受けてたような… 主人公に抜擢されて良かった!
2024.4.30 初鑑賞