不安定な心理状態
クリスチャン・ベールの驚異的な役作りで有名な本作。特殊メイクなしであそこまでガリガリな体型にするとは役者の鑑です。映画鑑賞では珍しく、役者本人、クリスチャン・ベール本人のことが終始心配でした。ここまで徹底的にこなしたからこそ、主人公トレヴァーの絶望感と精神的な崩壊を視覚的に強調することができています。
本作のスタイルも独特で、映像の暗く沈んだ色調がトレヴァーの内面世界と重なります。全体的に不穏で、予測不能ない展開に衝撃のラスト。冒頭から怪しげな空気感しか流れていない本作はサスペンスとして素晴らしい作品構成です。
本作は、視覚的・聴覚的な要素が見事に融合し、観客に深い印象を残す作品。サスペンスと心理ドラマの要素が絶妙に絡み合い、観る者を最後まで引きつける本作は必見です。
2024.5.16 初鑑賞
