横溝のおぞましいものを詰め込んで怪奇映画に仕立て上げるぞ、という意気込みは気に入ったし、大本の引用元であろう犬神家の当主がホーエンハイム化するなんて無茶な展開も楽しくはあった。のだが、どうしても説明の多さに慣れることができなかった。酒を呑んで煙草を吸ってるくらいは黙って演技をしてほしいなぁ……世間では吸ったり吐いたりといった動作が無駄だと思われてるんだろうか。今の世で評価されるのはわかるが、映像表現としては特に尖ったもはない。
あとこれ水木作品でやる意味あったんだろうか？どう考えても横溝のファンムービーなのだけれど……。
ただ背景美術はすごい。これも野村版八つ墓村を参考にはしているのだろうけれど、アニメ特有の空気感（特に遠近感）が不気味さを増幅させてる。”あれ”が頂上にある山も中々だった。
