矢吹

偶然と想像の矢吹のレビュー・感想・評価

偶然と想像(2021年製作の映画)
4.3
人生を、翻って、埋めにゆく。

1、魔法(よりもっと不確か)
古川琴音ちゃん良すぎるぜ。
被写体の仕事をする人がふと撮影する工事中の渋谷(工事中じゃない渋谷なんてこの世にないけど)と空。
あいつはこなかった、からのこした風景。写真関係ない見上げた葉っぱ、葉々。なんたる爽やかであるか。
追いかけるのダメかな、ダメでしょ。で追いかけないの、ちゃんとしているなという感じ。これだよこれ。よくある風景(もしくは、というかつまり、よく本や映画で見ることのあるやり取り)の中の、見ていて気持ちの良い方へ進んでくれる感じだった。あるあるでも、ないないでも。まあこれは全三作に当てはまることか。
魔法よりも不確かなもの、は、誰のためにあったのか、知らんけども。この偶然はみんなのもの。正直にいうと俺も一枚噛んでいる。(はずなのだ。)
夜の横顔も昼の横顔も綺麗で素晴らしかった。
なんでかわからない。
ディズニーよりもファンタジーよりも偶然で、浴びせなかった言葉と想像でも追いかけるものと追いかけないものがある。これは魔法でもなんでもない現実の、自分の中の時間なのである。
今までで一番の夜。それはあなたの時間なのである。寒いんだよ。
ツーとカー、おまえ、ぐみ、かずくん
寒いんだよお前ら、が全部だろ。
寒くないように生きなきゃいけないだろうか。
中島歩さん、めちゃくちゃ見るな最近。良いです。
工事現場の音だけがリアルなら、あれは妄想。
あの工事の音のきえるタイミングというか使い方。素晴らしすぎる。
傷までつけて欲しいけど。
呪いと魔法。()は、選ばなかったものか否かと。
どっちか消えちゃうのかな。
寒いんだよ、俺ら!!
過去は確かで未来は不確か。だとすると、
魔法とは、

2、扉は開けたままで。
扉が閉まります。バス。降ります。名刺あげます。
あなたの苦しみはきっと誰かと繋がれる。
あなたは成功したからそういえますよね。
ていうのは、なしのままで。
あんな素敵なやりとりでもクビになるものかね。
妻の告白はそりゃあれだけどさ。
まあなるか。なっちゃうんだ。
行動原理と、逆恨み。ハニートラップ。
他人から疎まれる。
テキストは読み手の経験とのみ絡み合う、文字が文字を折り重ねるその媒介となるのみという理論。
人の動きは人から人に絡み合っていて、実は自由な意志はないという理論と同じだな。人はその媒介でしかないのだ。まあこれはわりと関係ある話かもね。偶然かな。
扉が開いてから席をお立ちください。
3人が仕事をできたら素敵なことなのは、君1人だけかも知れないけれど。
最後のあれは多分、呪いか、復讐だったらいいな。
閉めたら逆にアカハラだと思われるのだから、
最期閉まって、残る彼に、何が残るのかは、またまた想像。お前のその幸せが幸せもどきがめちゃくちゃになるようなことを、方向へと、心が動いてくれていたら、俺は快感。
先生の、あの人の、君と僕の描く像が全然違うのも、腹立てば、やっぱりクソみたいな人間は勝手にやってろまじで。結婚でも何でも。という気持ちにもなるわな。
お前のせいじゃないのかな。
結局、悪人不在ってことになるのかな。そもそも誰から始まったこの、悲しみ?
これはおそらく、1と同じ。

3、もう一度
ポッカリと会いた穴。
河合さん好きです。
思い出した名前。もう一度。
コントみたいな、怖い距離感、彼女たちはいついなくなって、今見えているこの姿をした人がどこの誰だか、私は果たして、スクリーンの中のこの人たちの名前を言えるのか、まったく自信がなくなるようなさ。本人不在の幽霊っぷりというか。
彼女たちのいう、穴の中にいる感じなのかな。
迷い込まされた気分で、ゾクゾクして、ワクワクして、心がグチャグチャになりそうで、ビショビショだったよ。最高でしたね。
わたしたちが避けるべきじゃなかった苦しみ。
進歩的な時代のデジタルのセロンの話。
河合さん好きです。
人生を支えている、今までで一番良いことの一つ。ときたか。私といるこの人生、私といないその人生を深いところで支えているのならば、そのそれに支えられている、今あるこのこれは、その人がいなくなったら亡くなるの?どうなるの?
知ってても知ってることを隠すこととする事実。
名前、呼び方
ただでさえのこういう作品作る中で、演技の中の演技をされたら、もうお手上げ
こちらを覗くカメラワーク。タイミング完璧なのだろうな。
しかしだ、私もあなたも深いところで誰かを支えて、支え合っていますというセリフは優しくて流石に、泣きそうになったな。それで、いいじゃん。
悪人不在の悩まし。お互いのパートナー。
夫さんってさ。言うんだけど、占部さん。
坂元裕二だね。
抱き合う。みたいな、距離感ゼロの、横にいる人たちの会話も、人といる場所がすげえさ、大切にする人だなあ。って思う。
河合さん好きです。

4、3本共通
渋谷と視線。カメラ目線は、大いにあるのね、濱口さま。見られるだけでやはり、言葉がとても入ってくる。あと、悪人ゼロ。の物語が全部展開されるんだけど、その悪人ゼロのなかにある、ボケ0のはずのやりとりだけで笑いが随所でまき起こる。すごい。悔しいくらいウケる。ギリギリ攻めてちゃんと人を描いてる。ザ人である。という意味である。上質だと思う。
偶然と想像。だから、選択の物語たち。私たちの選ばなかったものたちの物語。偶然と、想像。

しかしあれだな、2回見たけど、2回とも笑い声がちゃんと起きる。
まじですべらない映画だな。
矢吹

矢吹