桃龍

14歳の栞の桃龍のレビュー・感想・評価

14歳の栞(2021年製作の映画)
4.0
再々上映記念の監督舞台挨拶つきで観賞。
『MONDAYS このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』の監督で、その前作『ハロー!ブランニューワールド』もタイムループものである。
それらに対し、この作品ではループすることのない現実世界を描く。現実世界がループしないのは当たり前だけど、当たり前ではない貴重な時間に思えてくる。

彼らがカメラを意識しなくなるまでずっと密着したという自然な映像が素晴らしい。撮影中に監督が場を和ませるためにちょっと下ネタを言ったら、翌日には「竹林は変態だ」と全員に広まり、男子との距離は縮まったが、女子との距離が離れてしまったという。笑
カット割などの映画技法のレベルも高い。

再々上映なのは、配信もDVD化もしないかららしい。
というか、できない。登場人物は全員実在し、たぶん容易に特定できるため、「SNSで誹謗中傷などをしないでください」というお願いが、作品の前後やチラシで繰り返し出される。
悲しい時代になったな。
桃龍

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