ぶみ

黄龍の村のぶみのレビュー・感想・評価

黄龍の村(2021年製作の映画)
3.5
これ、村の決まりやから。

阪元裕吾監督、脚本、水石亜飛夢、松本卓也、鈴木まゆ、秋乃ゆに等の共演によるホラー・アクション。
山中で道に迷った若者たちが辿り着いた村で遭遇した出来事を描く。
キャンプに向かう八人の若者を水石、松本、鈴木、秋乃、伊能昌幸、ウメモトジンギ、石塚汐花、大坂健太が演じているほか、村人として上のしおり、藤井愛稀、中村龍介、小玉百夏、安田ユウ、陸野銀次郎、海道力也等が登場。
物語は、冒頭若者自身がスマホで撮影する縦長の映像でスタート、その後、徐々に画角が広がりタイトルが入るオープニングは、なかなか凝ったもの。
以降、キャンプ場へ向かう途中クルマがパンク、携帯が繋がらないことから、助けを求め歩いていると「龍切村」に辿り着き、一泊するという流れとなり、ここまではB級ホラーあるあると言える展開。
しかし、一夜が明け、朝食のシーンからが本作品の真骨頂であり、ネタバレになるため、あまり書くことができないが、前半からは全く想像できないシーンの連続で、あれよあれよという間にエンドロールを迎えることに。
そんな中でも、村人の一人で物語の鍵を握る人物を、ここ最近、よく顔を見るようになった一ノ瀬ワタルが演じているのは見逃せないポイント。
お世辞にもリッチな映像とは言えないものの、ゆるさ満点の『ベイビーわるきゅーれ』シリーズを撮った阪元監督らしく、演技の振れ幅やギャップが凄まじいものであるとともに、中盤以降の展開が続いてしまうと、飽きられてしまいそうなところを、66分という絶妙な尺の長さで収めているため、少し時間がある時に観るには丁度良い一作。

青春を取り戻しにかな。
ぶみ

ぶみ