ぶみ

恋するプリテンダーのぶみのレビュー・感想・評価

恋するプリテンダー(2023年製作の映画)
3.5
昨日までは最悪のカンケイだった、今日からは最高のカップルに!?

ウィル・グラック監督、シドニー・スウィーニー、グレン・パウエル主演によるラブコメディ。
一夜限りの恋をした二人が、同じ結婚式に出席し、再度顔を合わせることとなった姿を描く。
主人公となるロースクールに通うビーをスウィーニー、金融マンのベンをパウエルが演じているほか、アレクサンドラ・シップ、ハドリー・ロビンソン等が登場。
物語は、結婚式で再開した二人が、復縁を迫る元彼から逃げたいビー、元カノの気を引きたいベンと、双方の利害が一致したことから、恋人のフリをするというフェイク契約を結び、結婚式までの数日間を立ち振る舞う様が中心となるのだが、冒頭、二人が出会うカフェのシーンがコミカルさ満点で、本作品のテイストが手に取るようにわかるスタートを切ってくれる。
以降、舞台を結婚式が行われるオーストラリアのシドニーに移し、二人や家族、友人のドタバタぶりが描かれ、これはもはや頭の中で想像するハリウッドのラブコメそのものであり、コアラが登場していたのもオーストラリアらしさ満点。
何より、ジョセフ・コシンスキー監督『トップガン マーヴェリック』での好演が印象的だったパウエルと、少し前に観たティナ・サッター監督『リアリティ』とは打って変わってナイスボディを全面に打ち出し、あらためて見るとスカーレット・ヨハンソンのエレガントさやアマンダ・セイフライドにも似たキュートな雰囲気を併せ持つスウィーニーの魅力が全開であり、それだけでもずっと観ていられた次第。
クルマ好きの視点からすると、これまた先日観たジャスティン・カーゼル監督『ニトラム/NITRAM』同様、日本と同じ左側通行のオーストラリアが舞台であるこため、日本では見られないようなオーストラリアのカラッとした青空の下を右ハンドルのクルマが走るという光景が面白いと同時に、終盤ビーが乗り込んだタクシーがレクサス・ESであり、後席でもちゃんとシートベルトを装着していたのは好印象で、丁寧に作られているなと感じたところ。
加えて、シーンの転換で、夜の街のネオンでその状況説明がなされていたのは洒落た演出で、本作品にピッタリであったし、いかにもラブコメチックな邦題に対し、『Anyone but You』と「君以外の誰でも」としている至って真面目な原題も悪くない。
エンドロールも面白く、そこを眺めていたらスウィーニーが製作総指揮にも名を連ねていたことから、彼女の本作品に対する意気込みが示されているとともに、なんだかんだ言っても、スウィーニーの完璧なまでのボディラインに終始釘付けとなってしまった一作。

愛憎は紙一重。
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