ひろぽん

アクアマン/失われた王国のひろぽんのレビュー・感想・評価

アクアマン/失われた王国(2023年製作の映画)
3.8
『アクアマン』2作目

南極の氷河の下に存在する失われた王国が、世界を滅ぼす強大な力を持つ古代武器と共に封印されていた。だが、封印が解かれてしまい、かつてない力が解き放たれる。アトランティス王国と地上の世界を守るために、アトランティスの王であるアクアマンが5億の海の仲間たちと共に戦っていく物語。


父親として慣れない子育てと、アトランティス王国の王として苦手な仕事に奮闘するアクアマン。そんなある日、彼の目の前に復讐に燃えるブラックマンタが現れる。ブラックマンタは南極で暗黒の力が宿る黒いトライデントと、かつてアトランティス王国の国王によって封印された暗黒の王の怨念が解放され、彼に取り付き力を与える。ブラックマンタにより疫病や異常気象が世界各地で発生するなか、ブラックマンタを倒そうとアクアマンが奮闘するお話。

前作の敵として登場したアクアマンの義理の弟であるオームとバディを組んでブラックマンタを倒しに行くというシンプルな王道ストーリーと、クスッと笑える小ネタを合間に挟むユーモア溢れるコメディチックな作風が面白い。

国王の座を争った弟を自ら投獄したのにも関わらず、その弟を脱獄させ、世界を救うために力を貸せというのだから、オームからすると理不尽極まりない。

国王であるアクアマン自らがオームを脱獄させるために単身で乗り込み、冒険を広げていく前半も見どころ満載で見ていて飽きない。

砂漠の獄中でヒョロヒョロのガリガリに干からびたオームが、脱獄中に海水によりムキムキマッチョへと変身し、力を取り戻すシーンが最高に格好良くてたまらない。

「昨日の敵は今日の友」とは言わんばかりに、対立していたアクアマンとオームの兄弟が共闘していく姿がめちゃくちゃ良い。はじめはいがみ合って対立していた2人が、冒険をしていくうちに兄弟愛が芽生え、互いを思いやり行動していく家族愛にほっこりする。

新キャラとして登場する仲間のトポという青いタコが、良いキャラすぎて好きになる。


海底はもちろん、砂漠やジャングル、南極の氷山といった海だけではないアドベンチャー感満載の舞台の移り変わりもあって楽しめる。その中でも、有害物質のオリカルクムの影響を受け、巨大化した生物や植物が登場する島の見た目や雰囲気がとても良くワクワクした。

海の生き物たちをモチーフにしたシュモクザメの潜水艦やメカたちがとても魅力的。海ならではのデザインが格好良く、乗れるなら乗ってみたいと思うほど。

対立した兄弟の関係性にハラハラドキドキしながらも、信頼や愛によって和解し、固い絆で結ばれていく家族愛がほっこりしてとても良かった。

“お前は一人じゃない兄弟がいる”


家族勢揃いでのラストの演出はやっぱり感動的でグッとくるものがあった。陸のエビと言われるゴキブリを美味しそうに食べる演出は気持ち悪すぎてやばかった。エンドクレジットでのオームがバーガーに挟んで食べるシーンも強烈。。。

前作で登場したウィレム・デフォー演じるバルコは登場せず死んだことになっていたり、メラ役のアンバー・ハードはジョニー・デップとの泥沼離婚裁判での事情で、あからさまに出番が削られて脇役みたいになっていたのが残念だった。ジェイソン・モモアがの体格が前作にも増してガタイが良くなっていたし、彼の乗るHarley-Davidsonのバイクシーンは最高に痺れるくらいイケてた。

「家族愛」がテーマであり「地球温暖化」や「海洋汚染」という環境問題も自然に取り入れている社会的なメッセージ性も感じられる温かい作品。前作よりもコメディ色が強めで、アクアマンとオームの掛け合いを見ているだけでも楽しめる。映像も前作同様変わらず美しいため見応えがある。
ひろぽん

ひろぽん