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戦場のメリークリスマス 4K 修復版のtkykのレビュー・感想・評価

3.9
幾度となく聞いた「戦場のメリークリスマス」が冒頭から流れるのには圧倒された。それ以外の劇伴も魅力的だった。話としては戦時中の話であるが、大きなテーマは国特有のホモソーシャルな文化とトキシックマスキュリニティだった。
序盤から描かれるヨノイ大尉の修行や中盤に明かされるセリアズの過去から、セリアズとヨノイ大尉はそれぞれイギリスと日本のホモソーシャルな文化とトキシックマスキュリニティを象徴する存在である事が窺える。そのため敵同士でありながら互いにシンパシーを感じる姿が描かれる。それを印象的に示しているのが中盤のハグの場面と終盤のセリアズを弔うヨノイ大尉の場面である。
そして戦後のローレンスとハラの会話は、今まで互いに奇妙に感じ、対立しあっていた両者が初めて融和する場面ともいえる。
今まで散々ネタにされていた「メリークリスマスミスターローレンス」がそういった意味合いを持っていた事を初めて知り、感動的だった。
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